【6話 へいげん 考察まとめ】
【6話 へいげん 総合的な解説】
けものフレンズの各話は、基本的に以下のようなストーリーのテンプレートに沿って展開していきます。
かばんちゃん一行が新しい土地に行く
新しいフレンズと知り合う
未知の問題と遭遇する
かばんちゃんとサーバルが協力して問題を解決する
今回もこの流れに当てはめて、6話の展開を思い返してみましょう。
かばんちゃん一行が新しい土地に行く
かばんちゃんとサーバルが今回立ち寄ったのはへいげんです。へいげんには数多くのフレンズがおり、しかもヘラジカとライオン、それぞれ異なる2人のフレンズを大将と据えた群れ同士が合戦を繰り返しています。
6話のテーマは、「異なるフレンズ同士で群れをつくる」、「群れ同士で争う」といったフレンズの社会性にあると言っていいでしょう。かばんちゃんがこの問題にどのように立ち向かっていくかが主要なストーリーであり、かばんちゃんやサーバルの内面はさほどクローズアップされません。
新しいフレンズと知り合う
6話は登場するフレンズが非常に多いためすべてを紹介するのは割愛しますが、2つの群れそれぞれの大将であるヘラジカとライオン、そして彼らの部下たちが登場します。ライオンとヘラジカは、どちらも自身を慕うほかのフレンズたちから担がれる形で群れのリーダーの地位に収まっています。
未知の問題と遭遇する
ところが、過去にヘラジカがへいげんでライオンを見かけた際、「あいつと全力で戦いたい」と考えたことから、2つの群れは51回にも渡る合戦を繰り返してきました。戦いはライオンの群れが今のところ全勝しているものの、フレンズ同士の全力での戦いはけが人が出る危険があります。
「ライオンと戦う」という目的をいつまでたっても達成できないヘラジカ、望んでもいない戦いを繰り返し強いられるライオン、毎度敗北を強いられるヘラジカの部下、自身のリーダーを常に狙われ続けるライオンの部下・・・。全員にとって望ましくない展開のまま戦いが続いていたのです。
かばんちゃんとサーバルが協力して問題を解決する
この状況を打開するため、ライオンは「ヘラジカを勝たせる」ことをかばんちゃんに依頼しました。同時にかばんちゃんから提案のあった「けが人の出ない合戦のルール」を採用し、安全な状況で52回目の合戦を開始します。
かばんちゃんは合戦の戦術についてもヘラジカにアドバイスを行い、ヘラジカの群れに有利なままライオンとヘラジカとの直接対決に導きました。その間、サーバルは囮となってライオンの部下をひきつけます。戦いの結果は引き分けでしたが、それがフレンズたちに思わぬ変化をもたらすことになったのです。
51回も戦いながら、へいげんのフレンズたちは誰もが自分の望んでいるような結果を得ることができていませんでした。ところが、かばんちゃんによって新しい戦いのルールがもたらされ、その中で戦うことによって彼らに大きな心境の変化が生じたのです。
まず、ヘラジカはずっと望んでいたライオンとの直接対決が実現したことになります。また、けが人が出る恐れもあり、合戦に消極的だったライオンもヘラジカとの全力の勝負を楽しみ、戦うことの楽しさを覚えます。
ヘラジカの部下たちは、作戦のなかで自分たちの長所を活かして戦うことで初めて引き分けという負け以外の結果を得ることができました。ライオンの部下たちも、もう自分たちのリーダーが狙われ続ける状況に悩まされる心配はありません。
へいげんのフレンズたちは、今後は合戦ではなく、けが人が出ないスポーツのようなルールの中で安心してお互いの技を競い合っていくことができるでしょう。
いよいよ次回、かばんちゃんの正体が判明
こうした合戦と並行して何度も描かれたのが、かばんちゃんをじっと見つめるハシビロコウの姿です。ハシビロコウがかばんちゃんをずっと見つめていた理由は、かばんちゃんの正体を「ヒト」ではないかと考えていたからだということが、ラストで明らかにされます。
4話で登場したツチノコによって、かばんちゃんがヒトである可能性は暗に示唆されていましたが、今回は劇中でフレンズから直接指摘されたことになります。いよいよかばんちゃんの正体が判明するときが近づいてきました。