けものフレンズ6話感想その15:カメレオンとニホンツキノワグマの一騎打ち

諸注意

けものフレンズ6話感想その14:部下の力を引き出したかばんちゃんの作戦
【Bパート 城への潜入】 かばんちゃんの作戦により、防御に徹するオオアルマジロとシロサイを、ライオンの...

【Bパート カメレオン対ニホンツキノワグマ】

ライオン対ヘラジカの合戦が続く中、カメレオンの案内で城内に侵入したかばんちゃんとヘラジカ。城内には見張りのニホンツキノワグマがいました。

カメレオン:あっ、待つでござる。ここにひとり、見張りがいるでござる。歩き回ってるから、いなくなるのを待つでござる。

かばんちゃん:はい。

ヘラジカ:やぁやぁ!私はヘラジカだ!いざ勝負だ!

ニホンツキノワグマ:えっ?!

かばんちゃん:えっ?

カメレオン:ええ~っ!!

ニホンツキノワグマ:待て~~~~!!!

カメレオン:うわ~~~~~!!

ヘラジカ:なぜだ?勝負しよう!

かばんちゃん:目的が、違ってます~!

カメレオン:ここは、拙者が食い止めるでござる。

ヘラジカ:なんだと?

カメレオン:ヘラジカ様はライオンを倒すでござる。さぁ!

ニホンツキノワグマ:まさか、城までくるなんてね。初めてじゃない?

カメレオン:今回の我らは、ひと味違うでござるぞ・・・。

ツキノワグマ:さっさと倒させてもらうよ!

カメレオン:まった!見るでござる!(体色変化で周囲に溶け込む)

ツキノワグマ:消えた?すっごーい!

カメレオン:ふっふっふ。消えるまで待ってもらうことを覚えたでござるよ?まきびしの術!(ツキノワグマにまきびしを投げつけ、風船を割る)

ツキノワグマ:ああ・・・やられた・・・。

カメレオン:ふっふっふ。今回、とても忍びっぽいでござる。(天井に刺さっていたまきびしが取れ、頭上に落ちて風船が割れる)あっ!

避けられるはずだったツキノワグマとの戦い

ライオンと戦うためには、さらに城の奥深くへと進まなければいけません。城内は石垣で作られた迷路のようになっており、先に進むためには定められた出入り口を通過する必要があります。

その出入り口を守っていたがニホンツキノワグマでした。しかし、ライオンの部下は場外で戦っているアラビアオリックス、オーロックスを除けば、あとはこのツキノワグマひとりだけ。広い城内をひとりでカバーし切るのは難しいはずです。

先に潜入してこういう事情を知っていたカメレオンは「いなくなるのを待って通過しよう」とヘラジカに提案しました。ところが、ここでヘラジカは思わぬ行動を取ります。

ヘラジカにとっては戦いそのものが目的

ヘラジカがとった行動とは、ツキノワグマの前に堂々と姿を表し、まるで武士の一騎打ちのように名乗りを上げて勝負を挑もうとしたのです。これには思わずツキノワグマだけでなく味方のカメレオン、かばんちゃんまで声を上げて驚きました。

そもそも、かばんちゃんとヘラジカがライオンの部下たちをかわして城にやってきたのは、「ライオンを倒すため」だったはずです。その目的からいえば、本来ツキノワグマと戦う必要はありません。この点では「いなくなるのを待つ」というカメレオンの判断は完全に正しく、ヘラジカの判断は間違っているといえます。

このあたりで、ヘラジカというフレンズがどういう性格をしているのかがかなり明確にわかってくるかと思います。簡単に言うと、ヘラジカにとっては「戦うことが目的」であり、戦いそのものを楽しんでいるのです。だからこそ一度も勝てないのに51回も合戦を続け、今も本来は避けられるはずの戦いに挑もうとしたのです。この点は後々非常に重要になるのでよく覚えておいてください。

かばんちゃんとカメレオンがヘラジカを連れて逃げ出したため、とりあえずの戦いは避けることができました。しかし、追いかけてくるツキノワグマをなんとかしない限りライオンのところに進むことはできません。

ここで足止めとしてカメレオンがツキノワグマと戦うことになり、今回のメインシーンである「カメレオン対ツキノワグマ」が始まることになります。

フレンズ「ニホンツキノワグマ」の特徴

先に、今回初登場のフレンズとなるニホンツキノワグマについて、元動物の特徴を知っておきましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%82%B0%E3%83%9E

いつものようにWikipediaの記述から、重要だと思われるポイントを引用します。

全身の毛衣は黒いが、稀に赤褐色や濃褐色の個体もいる。胸部に三日月形やアルファベットの「V」字状の白い斑紋が入り(無い個体もいる)、旧属名Selenarctos(月のクマの意)や和名の由来になっている。

黒い全身と胸にある三日月型のマークは、フレンズのビジュアルにも再現されています。

昼間は樹洞や岩の割れ目、洞窟などで休むが果実がある時期は昼間に活動することもある。

おそらく、今回城内の見張り役としてツキノワグマがキャスティングされたのは、この洞窟などで休むという特徴から来たものだと思われます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E3%81%AE%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%81%95%E3%82%93_(%E6%9B%B2)

さらにもう一点、「童謡 森のくまさん」についてもご紹介しておきましょう。有名な童謡ですので皆さんご存じだと思いますが、「熊が女の子を追いかける」という内容の歌です。今回、まさにそれと同じシーンが劇中で再現されており、この点もツキノワグマがキャスティングされた理由のひとつではないかと思います。(厳密に言えば元の童謡はアメリカのものであり、原曲で登場する熊はツキノワグマではない可能性もありますが)

消えてしまえば無敵のカメレオン

ツキノワグマと対峙したカメレオンは、早速攻撃を仕掛けようとしてくるツキノワグマを制し、体色を変化して透明になります。この状態になると風景に完全に溶け込む形になるので、目で見て風船を狙うのはほぼ不可能でしょう。

体色変化には時間がかかるのが難点でしたが、「消えるまで待ってもらうことを覚えた」と語っているとおり、完全に見えなくなるまで何もされなければ問題ありません。今回、ツキノワグマはカメレオンの能力を見るのが初めてだったこともあり、動揺して攻撃できなかったのもやむを得ないかでしょう。逆に、初見で体色変化中に攻撃をかけることができたかばんちゃんがすごかったのかもしれません。

消えてから攻撃すれば楽勝なのでは?

このシーンについて、「最初に体色変化して潜入していた時点で、不意打ちでツキノワグマを倒せばよかったのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、カメレオンの目的はあくまで「潜入し、内部の情報をヘラジカとかばんちゃんのもとに持ち帰ること」です。

体色変化は目くらましには有効な技ですが、攻撃する際にはカメレオン本人の力が重要になります。もし万が一不意打ちに失敗し、体色変化に気づかれたりカメレオンがやられるなどした場合、最悪かばんちゃんの作戦が頓挫する危険もありました。潜入時にツキノワグマを倒さ無かったのは、そうした事情があったからかもしれません。

カメレオンが使った「まきびし」の正体

体色変化してツキノワグマの目を欺いたかばんちゃんは、背後からまきびしを投げつけて風船を割り、見事ツキノワグマを倒しました。本ルール発の勝利であり、これまでのヘラジカたちの勝率を考えると大金星と言っても過言ではないでしょう。

まきびしは、よく知られている有名な忍者道具のひとつです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%92%92%E8%8F%B1

Wikipediaによると、

逃げる途中にばら撒くことで追手に怪我を負わせる、またはそれを踏まないようにするために追手の速度を落とさせる効果がある。

もともとは水草であるヒシの実を乾かしたものを使用した。

持ち運びの際には竹筒に入れるのが一般的である。こうしておくと振付けるようにして敵の顔面に投げつけ、武器として使うことも可能であった。

Wikipediaには以上のような記述があります。ジャパリパークにまきびしがあったとは考えがたいので、カメレオンが使ったまきびしはヒシの実を乾かして作った天然のものである可能性が高いといえます。ただし、城があるくらいですから、まきびしがあったとしても不思議はありません。あるいは、ほかのフレンズたちが持っているのと同じような武器の一種である可能性もあります。

まきびしというと、本来の使い方は敵から逃げる際の時間稼ぎですが、的に直接投げつけて使う場合もあったようです。ですから今回のカメレオンの使い方も別段おかしいとはいえません。

貴重な勝利を得て、大活躍したカメレオンでしたが、自らが投げたまきびしが天井に刺さり、それが落下して風船が割れるという思わぬ形で離脱することになりました。今回の合戦における、ヘラジカの部下たちの中で最初の脱落者です。