【8話 ぺぱぷらいぶ 考察まとめ】
【8話 ぺぱぷらいぶ 総合的な解説】
けものフレンズの各話は、基本的に以下のようなストーリーのテンプレートに沿って展開してきました。
かばんちゃん一行が新しい土地に行く
新しいフレンズと知り合う
未知の問題と遭遇する
かばんちゃんとサーバルが協力して問題を解決する
しかし、それはあくまで7話までの話。7話においてそれまでの旅の目的であった「かばんちゃんが何の動物か調べる」というものが達成され、かばんちゃんがヒトであることがわかりました。その結果、旅の目的は「ヒトの住んでいたちほーを探す」というものに変わることになります。
それに伴い、けものフレンズの物語の構造も変化を余儀なくされたのです。
「ヒトに近いフレンズ」の登場
これまでに登場してきたフレンズたちは皆、動物だったころの特徴を色濃く残していました。また、彼女たちの中には「動物の姿からヒトの姿になったこと」に戸惑っており、今の体での生活に適応できるよう、四苦八苦している者も少なくありません。
かばんちゃんは、そうしたフレンズたちに対して斬新な発想力で解決法となるアイデアを提案してきました。後に、これはヒトならではの知能の高さによるものであったことが判明します。そのため、7話までは「動物に近いフレンズたちの問題を、かばんちゃんがヒト由来の知性で解決する」というストーリーの流れが確立していたのです。
ところが、8話で登場したPPP、マーゲイはどちらもフレンズ化したことによる戸惑いは一切ありません。それどころか、「アイドル」というヒト由来の文化を自ら演じたり、楽しんだりしています。このように、かばんちゃんよりもヒト由来の文化・技術に詳しく、それらを自ら運用できるの能力を持った「ヒトに近いフレンズ」の登場は8話の大きな特徴だといえるでしょう。
「ヒトに近いフレンズ」自身が問題を解決する
ヒトに近いフレンズであるPPPも、「メンバー間の関係」という問題を抱えていました。しかし、かばんちゃんにはこの問題を解決する提案を行うことはできません。なぜなら、かばんちゃん以上にヒトに詳しい彼女たちですら解決できない問題に対して、いくらかばんちゃんでも適切な解決法を提案するのは難しいからです。
代わりに、ヒトに近いフレンズであるPPPやマーゲイは、フレンズ同士が協力して問題の解決を図りました。かばんちゃんやサーバルもいくらか協力はしたものの、あくまでも解決の過程で主要な役割を担ったのはほかならぬ彼女たち自身です。
かばんちゃんの目から見た「ヒト」
では、主人公であるかばんちゃんや、サーバルの立場から見たとき、けものフレンズのストーリーの流れはどのように変化したのでしょうか?8話のラストで「プリンセスからヒトの住んでいた場所の手がかりを教えてもらう」といったシーンに代表されるように、今度はかばんちゃんが「ヒトとはどんな存在なのか」に関する情報をフレンズから教えてもらう、という展開が描かれました。
このように見ていくと、この先けものフレンズというアニメがどういう展開をたどるのか、ある程度推測することはできます。おそらく、9話以降は次のような展開をたどることになるでしょう。
「ヒトに近いフレンズ」との出会い
「ヒトに近いフレンズ」と協力して問題を解決
「ヒトに近いフレンズ」から、ヒトに関する情報を得る
このように、これまで「かばんちゃん=ヒトという存在がジャパリパークに影響を与え、変化をもたらしていく」という展開が描かれてきたけものフレンズですが、今後は逆に
「かつてパークに影響を与えていたヒトの痕跡を、かばんちゃんがフレンズとのふれあいの中で見つけていく」
という展開になると推測できます。
これまでも4話で登場した遺跡(地下迷宮)を始め、旅の中でパークに残るヒトの痕跡が見つかる、ということはありました。しかし、それらがかばんちゃん自身の内面に何らかの変化を与えることはなく、単なる将来への伏線として機能してきたという事実があります。
今後はそうではなく、パークに残るヒトの痕跡自体が、主人公であるかばんちゃん自身の内面的な変化を促していく展開になっていくでしょう。