けものフレンズ8話感想その21:PPP(ペパプ)のムードメーカー・フルル

諸注意

けものフレンズ8話感想その20:プリンセスの帰還と大空ドリーマー
【Bパート 驚くべきマーゲイの仕掛け】 かばんちゃんとサーバルによってライブ会場に連れ戻されたプリンセ...

【Bパート フルルの癒やしと二曲目スタート】

ついにプリンセスが帰還し、5人に戻った三代目PPP。最初の曲だった「大空ドリーマー」に観客は大興奮。次の曲までの合間、5人は改めて会話を再開します。

イワトビペンギン(イワビー):・・・にしても、ちょっとタメ過ぎなんじゃねぇの?

ロイヤルペンギン(プリンセス):演出よ演出!盛り上がったでしょ?

コウテイペンギン(コウテイ):うん、やはり5人でこそしっくりくるな。

ジェンツーペンギン(ジェーン):私たちはこの人数でこそですよ。

フンボルトペンギン(フルル):えっ、ペンギンアイドルってずっと5人だったんじゃないの?

イワビー:今かよ!

フルル:えっ?

ジェーン:フルルさん、さっき聞いてなかったんですか?

コウテイ:フルルらしいな。

フルル:えっ、えーっ?

プリンセス:らしいわ、アハハハハッ!・・・じゃあ、次の曲!「ようこそジャパリパークへ!」

誰よりプリンセスを気遣っていたイワビー

メンバー間のわだかまりも溶け、最高のパフォーマンスを披露したPPPメンバーたち。ライブの合間、ステージの上とは言えしばしの歓談タイムに入ります。

最初、イワビーがプリンセスに対して「ちょっとタメすぎなんじゃねーの?」といっているのは、もちろんプリンセスに対するあてつけ・・・ではなく愛あるイジリです。この時点でライブの観客は皆、プリンセスがあとから登場したのはライブの演出の一環だと思っています。従って、

イワビー 建前:「(いくら演出とは言え)ちょっとタメすぎなんじゃねーの?」

     本音:「戻ってきてくれてありがとう」

と伝えているわけです。だからこそプリンセスも照れているような、それでいて気まずそうな表情を見せています。自分の気持ちに最も早く気がついてくれたイワビーが真っ先に、しかもステージの上で声をかけてくれたのはプリンセスとしてもありがたかったことでしょう。なぜなら、お客さんの目があるステージの上で応える以上、プリンセスもイワビー同様、建前の言葉で応えるしかありません。言い換えれば、「心配かけてごめんなさい、ありがとう」と言わなくてもいいわけで、これは素直になれないプリンセスに対するイワビーなりの気づかいだったのでしょう。

事態をまったく理解していなかったフルル

コウテイやジェーンは、イワビーよりももっと素直でわかりやすい表現でプリンセスの帰還を喜んでいます。しかし、ここで残るひとり、フルルが思わぬ発言をしました。なんと彼女はここに至るまで「初代、二代目のPPPが5人ではなかったこと」をまったく知らなかったのです。

実は、プリンセスがライブ直前にいなくなるあたりから、このシーンまでの考察では、意図的にフルルに関する記述を省いてきました。というよりも、フルルは「PPPが最初から5人ではなかった」ということに気づいていなかったので、心情を考察するわけにも行かなかったのです。ネタバラシ(?)も終わったところで、ここまでのフルルの心情を振り返ってみましょう。

プリンセスが戻るまでのフルルの心境

ライブ直前、フルルはジャパリまんを食べていました。このシーンはフルルのマイペースさを表すと同時に、彼女のムードメーカーとしての役割を示す癒やしのシーンでした。その後、マーゲイの一言をきっかけにプリンセスの態度は豹変、彼女は舞台袖から姿を消してしましました。

プリンセスがいなくなるまでの間、フルルは一言も発言していません。従って彼女はこの時点では何も事態を理解していなかったと考えていいでしょう。流石にプリンセスがいなくなり、何か問題が起きているのだろうという程度のことはわかっていたでしょうが、それ以上のことは理解できていなかったのではないでしょうか?

その後、残されたメンバーと一緒にフルルはステージに登場、プリンセスに誘われた経緯を話すことになります。この間の彼女のセリフは、

フルル:(プリンセスからアイドルに誘われたときは)びっくりしたよ~、ご飯の最中だったから。

フルル:(プリンセスへの気持ちについて)プリンセス抜きじゃ始まらないよ。

の2つだけ。やはり「何かの事情でプリンセスがいなくなり、みんなで連れ戻そうとしている」ということ事態は理解しているようですが、もっとも重要なプリンセスが姿を消した理由は何も理解していないことがわかります。

とはいえ、やはりこのときも完全にタイミングを外したフルルのこのおとぼけ発言が、メンバーたちにいいリラックス効果をもたらしたことは確かです。やはり、フルルもまたPPPには欠かすことのできない大事な一員であることが確かめられたといえるでしょう。

観客たちはトラブルの発生に気づいていたのか?

この後、「大空ドリーマー」に続いて「ようこそジャパリパークへ」を歌い出すところで、PPPの初ライブシーンは終了となります。もしかしたらその後も別の曲を歌ったり、アンコールに答えたりした可能性はありますが、劇中で描写されているのはここまでなのであとは想像するほかありません。

ライブシーンについて、残る一つの疑問は「プリンセスの途中登場を、観客は本当に演出だと思っていたのか?」という点です。もしかしたら感のいい観客も中にはいて、何か問題が生じていたことを察していた、という可能性はないのでしょうか?

これはほとんど劇中に手がかりもなく、また関連するセリフなどもないため100%想像に頼るしかありまえんが、私個人の意見としては「誰にもバレていなかった」と考えられます。根拠としては次のような理由があげられます。

ほとんどの観客は、アイドルライブを見るのは初めてだった

マーゲイの考えた仕掛けが驚くほど完璧だった

「初代・二代目にいなかった新メンバーの紹介」というもっともらしい理由がある

以前の考察でご紹介したように、初代・二代目PPPがいなくなってからすでにかなり長い年月が経過していると考えられます。他ならぬ三代目メンバーが二代目のことを知らなかったように、観客たちも今回のライブが初めてみるアイドルのパフォーマンスだったはずです。従って、そこで何か問題が起きているのかどうかなど考えることもなかったでしょうし、また考える材料もなかったでしょう。

マーゲイが考えた仕掛けは非常に素晴らしいもので、まったく自然な形でトラブルをごまかし、逆に舞台を盛り上げる演出として機能しました。彼女にこのようなことができたのは、おそらくは初代・二代目のパフォーマンスを映像で確認していたからでしょう。もっとグダグダな方法であれば観客たちも「なにかおかしい」と感じたかもしれませんが、劇中でもそうした兆候はまったく見られませんでした。

なにより、最初から最後まで「なぜロイヤルペンギンが新メンバーとして参加したのか」という理由を説明するという流れが一貫していたことも功を奏しました。おかげで、ほかの4人がプリンセスについて語ることも、その後でプリンセスが唐突に登場することも全て自然な流れになったのです。

このように、トラブルは起きたものの全員の活躍で無事解決、三代目PPPの初回ライブは大成功のうちに幕を閉じることとなりました。