けものフレンズ8話感想その10:よりヒトに近づいていくフレンズたち

諸注意

けものフレンズ8話感想その9:ペンギンアイドルユニットと熱狂的なファン
【Aパート PPP(ペパプ)メンバーとかばんちゃんたちとの出会い】 練習でうまくできなかったところを反...

【Aパートアイキャッチ コウテイペンギンの解説】

なごやこうすいぞくかん とうやまさきおねえさん(あいち)による、8話に登場するフレンズの元となった動物「コウテイペンギン」の解説です。要約すると内容は次のようになります。

  • 南極大陸に住むペンギンの中で唯一冬に繁殖する
  • 餌を取らずに卵を温め続けるので、寒さに耐えられるよう体が大きい
  • 繁殖の時期にペアがいちゃついていると、ほかのものが邪魔をすることがある

上2つの特徴は、コウテイペンギンの元動物の特徴を紹介する部分でも軽く紹介した内容です。実際、フレンズのコウテイペンギンも他のメンバーと比較しても体格は大きく、たしかな貫禄を備えています。

もしかしたら、ロイヤルペンギン(プリンセス)はこうした点を重視してコウテイをPPP(ペパプ)のメンバーに押したのかもしれません。性格的な適性はもちろんですが、リーダーというものは見た目で周囲に安心感を与えることも必要だからです。

最後の「ほかのペアがいちゃついていると邪魔をする」という点は、動物園で飼育されている個体で観察されたものです。野生の個体でも同じような行動が見られるのかはわかりませんが、けものフレンズの世界には基本的に女の子のフレンズしかいないため、ほかのペアに嫉妬するという可能性は考え難いでしょう。

【Bパートアイキャッチ 「マーゲイ」の解説】

べりーずどうぶつえん しゃろんおねえさん(べりーず)による、8話に登場するフレンズのもととなった動物「マーゲイ」の解説です。内容を要約すると以下のようになります。

  • 基本的に木から降りず、食事や睡眠まですべて樹上で行う
  • ベリーズ動物園では餌として鶏肉、牛肉を与えている
  • 来場者には好意的で、美しさが好評である

マーゲイの初登場シーンで少しお話したように、かばんちゃんたちが木の上で出会うフレンズはそこにいることが自然なもの=木に登れて、そこで生活するのが得意な動物でなければなりませんでした。マーゲイはこうした条件を満たしていることからキャスティングされたのでしょう。

しかし、マーゲイの場合は単純に木登りが得意なだけといったレベルを完全に超越していました。まったく木から降りることなく生きていくという極めて珍しい生態を持っているのです。似たような暮らし方をする動物としてはほかにはナマケモノなどが知られています。

ということは、マーゲイもまたフレンズ化したことによって「木から降りて暮らす」という新たな活動方法を身に着けたわけです。この点は劇中ではあまり触れられていませんが同じように「フレンズ化によって活動領域を変えたフレンズ」は数多くいるはずです。

マーゲイはまたネコ科ですので当然のように肉食です。動物園の来場者に対して愛想がいいという点は、「アイドルオタク」という個性に多少反映されているのかもしれません。

8話以降のフレンズに見られる共通点

8話まで見てきてわかるのは、徐々に登場するフレンズたちが動物の頃の特徴とはあまり関係のない個性を持つようになってきている、ということです。これには2つの理由が考えられます。

ひとつは、登場するフレンズたちがよりフレンズとしての暮らしに慣れてきたために、徐々に人間に近い考え方や行動をするようになっているのではないか、という可能性が考えられます。

たとえば、三代目PPPメンバーを例に取ると、アイドルになる練習を始めたのは1年前ですから、それ以前からフレンズの状態で暮らしていたということがわかります。つまり、群れをつくって合戦を繰り返していたライオン、ヘラジカなどへいげんのフレンズと一緒で、フレンズになってからある程度の年月が経過した個体であると考えられるわけです。

最初にアイドルを志したプリンセスなどは、かなりヒトに近い考え方をするようになっていると考えて間違いないでしょう。こうした「フレンズになってからの時間経過」が彼女たちに内面的な変化を促し、その結果よりヒトに近い行動や、人間社会に近い活動を行うようになっていっていると考えられるのです。

旅の目的の変化が、フレンズの描き方を変えた

これ以外にも、もう少しメタ的な視点に立って理由を考えることもできます。つまり、「ストーリーの展開上、もっとヒトに近い生活を送っているフレンズを描く必要があった」というものです。

7話でお伝えしてきたとおり、7話をひとつの節目にしてかばんちゃんの旅の目的は大きくかわりました。それまでは「自分は何者なのか」を知るために旅を続けていたものが、そこからは「自分=ヒトはどこで、どのように暮らすべきなのか?」と考えるようになったのです。

主人公の旅の目的が変わったということは、「主人公の目から見える世界の光景」も変化すると考えるのが自然でしょう。これは視聴者目線で言い換えると「ストーリーで描かれるテーマや、登場人物の描き方が変わる」ということを意味しています。

ちなみに、これをより強調していくと「主人公と周囲の人々との関係変化が、その世界全体の有り様の変化と直結する作品」、いわゆる「セカイ系」になります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E7%B3%BB

けものフレンズではそこまで大きな変化はないものの、7話でかばんちゃんに訪れたターニングポイントが、その後登場するフレンズたちの特徴に反映されているのは間違いありません。

従って、これからは元動物の特徴とフレンズ化したキャラクターの特徴を照らし合わせて考えているだけでは十分とはいえません。劇中の描写から見て取れるキャラクターたちの内面をより深く考えていく必要があるのです。