【Bパート 異なるちほーのフレンズとの出会い】
パーティーの主賓として、壇上に上がり挨拶をしていたかばんちゃん。ですが、そんな中博士と助手が先に料理を食べ始めてしまい・・・。
かばんちゃん:縄張りはまだ決まってないですが、これから探そうと思います。これも全部皆さんのお陰で・・・。
(アフリカオオコノハズク(博士)とワシミミズク(助手)、料理を食べる)
プリンセス:あ~っ!
博士:ヒトは話が長ったらしいのです。
助手:早く食わせろなのです。
サーバル:食べてるじゃない!
サーバル:じゃあ、いただきます!
フレンズたち:いただきまーす!
(それぞれに料理を楽しむフレンズたちの姿)
(コツメカワウソとオグロプレーリードッグ、ジェットコースターのレールの上で遊ぶ)
カワウソ:あははははは!たーのしー!
プレーリー:うおーっ!待つでありまーす!
(ヘラジカ、背後からジャガーに近づき腕をつかむ)
ヘラジカ:うおーっ!強そうな腕だなぁ!ちょっと勝負しないか?
ジャガー:えっ?えーっ!
(自分の漫画を披露するタイリクオオカミ)
タイリクオオカミ:迷宮入りかと思われたそのとき・・・ギロギロの目が・・・!
キタキツネ:あわわわわわ・・・ギロギロ・・・。
ビーバー:どうなるんすか?どうなっちゃうんすか?
タイリクオオカミ:うふふ・・・。
かばんちゃんはジャパリパークで暮らすことになった
挨拶の中で、かばんちゃんは「まだ縄張りが決まっていない」と発言しています。本来は船を使ってジャパリパークの外へ行くはずだったのですが、セルリアン退治に船を使ってしまったので海に出られなくなってしまったのです。
ただし、すでに述べてきたように、かばんちゃんがパークの外にヒトを探しに行きたかったのは、あくまで「ヒトがどうやって生きるか」を確認して自らの生き方を決めるための参考にするためでした。かばんちゃんは結局、セルリアンとの戦いの中で「パークとそこで暮らすフレンズのために生きる」という己の生き方を見つけたので、もうジャパリパークの外へ行く必要もありません。だからこそパークの中で暮らす場所をどこか決めようと考えていたのでしょう。
フレンズたちの中でも特に「グルメ」である博士と助手は、かばんちゃんの挨拶もそこそこに料理を食べ始めてしまいました。結局なし崩し的に「いただきます」の挨拶がなされ、パーティーが本格的に開始されることになります。サーバルの掛け声とともに映し出されたのは、フレンズたちが手に持った料理と紅茶、そしてジャパリまんでした。
出会うはずのないフレンズたちに生まれた出会いの機会
パーティーと言っても、広い遊園地に大勢のフレンズが集まったわけですから、各々のフレンズは皆勝手気ままにやりたいことをやっています。かばんちゃんが現れる前のシーンで、一緒になってジェットコースターのレールを昇っていたプレーリーとカワウソは、さらに先に進んだと見えて別の場所まで移動していました。普通の人間なら目もくらむような高さでしょうが、彼女たちフレンズにとっては楽しい遊び場といったところなのでしょう。
プレーリーたちが遊ぶジェットコースターの足元では、ジャガーがヘラジカに絡まれていました。2話「じゃんぐるちほー」の考察でお伝えしたように、ジャガーは「困っているフレンズを見ると放っておけない、面倒見のいい性格をしています。それは周囲のフレンズから見ると「頼れる存在」に見えるということです。
一方のヘラジカは、6話「へいげん」登場した「強い相手と戦うことに喜びを感じるフレンズ」です。かつてのライバルだったライオンとはすでに仲良くなってしまったため、新しいライバルでも探していたのかジャガーの腕を掴み「勝負しよう」と提案しています。
ジャガーはへいげんのフレンズではなく、合戦の経験もないためいきなり勝負を挑まれて困惑している様子ですが、はっきり断る素振りも見せていません。これは他人から頼られるとついつい応じてしまう性格の現れでしょう。
このように、本来はあまり出会う機会がないはずの異なるちほーに住むフレンズ同士が出会うことで、彼女たちにも新たな変化が生じます。こはんでは地面に穴を掘っていたプレーリーは、カワウソと出会ったことで「高いところも楽しい」ということを知りました。ジャガーはヘラジカから戦いを挑まれたことで、「フレンズ同士が楽しむために戦う」という新しい概念を知ります。新しい出会いは、フレンズたちにとって新たな気づきを生むチャンスでもあるのです。
明らかになったタイリクオオカミの漫画の詳細
10話「ろっじ」に登場したタイリクオオカミは、キタキツネとアメリカビーバーを相手に自分の書いた漫画「ホラー探偵ギロギロ」を披露していました。過去の登場シーンではフレンズの描く漫画がどんなものなのか明確にされていなかったので、今回初めてビジュアル的に確認されたことになります。
このシーンからもわかる通り、タイリクオオカミがいう「漫画」とは単に絵を絵を描いただけのものにセリフをアフレコで読み上げるもののことを指すようです。タイリクオオカミが作家を名乗った際、「オオカミも文字の読み書きができるのか、仮にできたとしてもほかのフレンズが漫画を読むときはどうしているのか?」という疑問がありましたが、まるで紙芝居のように目の前で読み上げながらイラストを見せているのだということがわかりました。
ただし、この方法を用いるにはやはり読み上げ役として文字が読めるフレンズが必要です。同じく10話に登場したアミメキリンは、作品自体は知っていながらも「ギロギロ」の作者がタイリクオオカミだということを知らなかったので、自分で文字を読める、もしくは誰か別のフレンズに「ギロギロ」を読んでもらっていたのだと考えられます。
また、ギロギロの外見から、モデルになったフレンズが「オオセンザンコウ」らしいということも判明しました。詳しくは下記のリンクを参照してください。
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%82%AE%E3%83%AD%E3%82%AE%E3%83%AD
キタキツネとビーバーが、過去に漫画をみた経験があるのかどうかはわかりませんが、リアクションから考えて今回が初見だった可能性が高いでしょう。キタキツネは普段ゲームをしているはずなので、その中で文字を見たこと自体はあったかもしれません。ビーバーも家づくりの資料を探す際、図書館で本を見た可能性はあります。最も、文字が読めたとは思えないので主に画像を見るだけだったでしょう。
彼女たちはタイリクオオカミの漫画を通じて、生まれて初めて「空想のストーリーを使った創作物」に触れたことになります。キタキツネがプレイしていたゲームにも「空想のストーリー」は存在していたかもしれませんが、彼女がそれを「ストーリー」だとは解釈していなかったでしょう。おそらくキタキツネがプレイしていたゲームは、アクションゲームか格闘ゲーム、あるいはシューティングゲームのようなものだと考えられるからです。そういったゲームのストーリーはあまり深く紹介されないことが多いので、本当の意味でストーリーに感動するという経験をしたのはおそらく今回が初めてだったでしょう。
かばんちゃんを通じて様々なちほーのフレンズが出会い、今までになかった発見や経験が起きるのが、このパーティーのシーンの面白いところです。