【Bパート かばんちゃんはミライさんの髪の毛から生まれた】
遊園地を部隊に繰り広げられる、フレンズたちの祝宴は続きます。再び、今までになかった組み合わせのフレンズたちが会話しています。
ライオン:ジャパリまんに料理をつけて食べたらどうだろう?
カバ:あら~これまたおいしいわね!
アリツカゲラ:ロッジの朝ごはんに追加したいです。
(かばんちゃん、アライさんから
アライグマ(アライさん):というわけで、噴火の日に帽子を追いかけていたのだ。そしたら・・・。
(回想シーン:アライさん、さばんなちほーで帽子を拾おうとする。そばにはラッキービーストの姿が)
アライさん:うえっ!
(帽子が落ちていた地面周辺のサンドスターが、帽子についていた髪の毛と反応。フレンズが誕生する)
アライさん:あっ、うわぁーーー!!
(アライさん、動揺して足元を踏み外し崖下に転落、誕生したフレンズ、黒い影の姿となる)
かばんちゃん:はぁ~~・・・。
ツチノコ:体毛からフレンズ化したパターンだな。
サーバル:えっ、えっ、どういうこと?
アミメキリン:あなた、なんで隠れてるの?怪しいわね・・・?
ツチノコ:落ち着くんだよ!
ジャパリまんと料理、三者三様のリアクション
今回取り上げるシーンは、ライオン・カバ・アリツカゲラという組み合わせです。ライオンがジャパリまんに料理をつけて食べることを提案。カバが早速その通りに料理を食べてみたところ、とても美味しく、隣りにいたアリツカゲラはロッジのメニューに採用したいと語っています。
ライオンが初めて登場したのは6話「へいげん」でした。初登場時から、それまでに出てきたほかのフレンズとは明らかにレベル違う「頭のキレっぷり」を見せつけてきたフレンズですが、ここでもまた「複数の料理を組み合わせる」という新たな概念を提案したわけです。彼女のこうした知性は動物由来のものではなく、プライド(群れ)のリーダーを務めてきたことで、人間でいうところの社会経験を積んで後天的に身に着けたものでしょう。
カバは1話に登場し、かばんちゃんに「ジャパリパークの掟」を伝えたフレンズです。フレンズでありながらヒト顔負けの知性を見せるライオンと、フレンズでありながら動物であった頃と同じく自然界の掟を守って生きようとするカバは対照的な存在だといえるかもしれません。しかし、そんなカバもかばんちゃんによって生み出された「料理」という新しいものに触れたことで「食べ物の美味しさ」に目覚めました。このことも彼女に何らかの変化をもたらすきっかけになるかもしれません。
ライオン、カバと比較すると、アリツカゲラは自然にヒトがパークに残した文化に溶け込んでいたフレンズだといえるでしょう。彼女はロッジの管理人として振る舞い、本人もそのことに何の違和感も感じていないようでした。「お部屋が好き」という彼女の性格は動物だったころ由来のものでしょうが、そうした元々の資質がヒトの文化に適合しやすかったのでしょう。「ジャパリまんと料理を組み合わせる」というライオンのアイデアにもまったく驚かず、あくまで自然なことのように受け入れています。
アライさんが見た、かばんちゃん誕生の瞬間
1話からずっと伏線が貼られていながら、明確には語られていなかったかばんちゃん誕生の様子が、ついにアライさんの口から語られることになりました。アライさんの説明と、回想からわかるアライさんの行動と、そのとき起こったことは以下のとおりです。
噴火の日に帽子を拾う。そばのラッキービーストが帽子に反応してしゃべりだす。
帽子を風に飛ばされてしまい追いかける。拾おうとした瞬間、サンドスターによりフレンズが誕生。
アライさん、驚いて崖から転落。誕生した「黒い影」のフレンズが帽子を持ち去る。
「帽子を見つけたときに、そばのラッキービーストがしゃべりだした」という部分については、7話においてアライさんがアメリカビーバーとオグロプレーリードッグに語ったとおりです。
今回の回想では、アライさんは見つけた帽子を拾おうとしたとき、フレンズが誕生したのに驚いて崖から落ちてしまったように見えます。しかし、10話の中ではフェネックが「噴火に驚いて崖から落ちた」と説明しているので、少し内容に食い違いが生じてしまっています。
回想の中のアライさんは、帽子を拾いに行く直前、サンドスターの出る山の方を見ているので、おそらくその前後に大きな噴火があったのでしょう。さらに、アライさんの隣りにいるラッキービーストの目は緑色に変化しているので、帽子に反応してミライさんのメッセージを再生している最中だったと考えられます。
フェネックは説明を端折っていた?
これらのことから、より正確に言えば「アライさんは一度は帽子を拾い、ラッキービーストのメッセージを聞いていたが、そこで山が突如噴火。驚いて手を離した瞬間に帽子が飛ばされたため、拾いに行ったところ、ちょうど新たなフレンズが生まれたのにびっくりして崖から落ちてしまった」というのがことの顛末ではないでしょうか。
フェネックは複雑すぎて伝わらないと思い、端折って説明していたのでしょう。もちろん、このとき誕生した黒い影のフレンズとは、かばんちゃんにほかなりません。話を聞いていたツチノコは状況から「体毛からフレンズ化したパターン」だと推測しています。
過去の考察でも触れてきましたが、かばんちゃんが動物だったころの記憶がないのは、元々が動物の一部であったためかもしれません。
今までも、アライさんやフェネックのセリフを始めとする状況証拠から、かばんちゃん誕生の謎はほぼ全て明らかになっていました。今回のアライさんの説明により、それが完全に裏付けられたことになります。これによってかばんちゃんは本当の意味で、「自分はなぜ生まれたのか」を知ることができたといえるでしょう。