【Aパート サーバルとヒグマによるセルリアン攻撃】
かばんちゃんを助けるため、港からセルリアンのもとに向かったサーバルとヒグマ。2人の前に再び超巨大セルリアンが立ちはだかります。
ヒグマ:いたぞ!
サーバル:うん!
(ヒグマとサーバル、セルリアンのそばの木陰に隠れる)
ヒグマ:・・・最強すぎるだろ。
(セルリアン、並べられている松明を飲み込む。体の中央付近に光った丸い物体がある)
サーバル:かばんちゃん?あれ、かばんちゃんだよね?
ヒグマ:やはり・・・もう・・・。
サーバル:いかなきゃ!
ヒグマ:石とほとんど同じ位置にいる。一発では無理だ。まず足を崩して・・・。
サーバル:わかった。後ろに回るね。
サーバル&ヒグマ:はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・。(セルリアンの背後に回り込む)
ヒグマ:ふうっ・・・!
サーバル&ヒグマ:やあああああ!!
(サーバルとヒグマ、跳躍してセルリアンに攻撃。足先の一部を削る)
サーバル:まだまだぁ!
ヒグマ:あっ!
(セルリアン、片足を持ち上げ地面に叩きつける。体の一部が落下。サーバルたちから離れ、松明の方に向かう)
ヒグマ:ダメだ・・・。でかすぎる・・・。膝すらつかせられん・・・。
サーバル:まだまだ!
松明を順番に配置してセルリアンを誘導する
ヒグマとサーバルがセルリアンのもとにたどり着くと、セルリアンは徐々に港の向かって移動する状況に置かれていました。ヒグマがセルリアンの元を離れているのになぜセルリアンが港へ向かっているかといえば、港に向かって一直線に配置された松明を、順番に食べながら進んでいるからです。
おそらく松明を使っての誘導は、最初からこの形で行われる計画になっていたのでしょう。そして、この準備を行っていたからこそ、ヒグマはサーバルを港に連れ帰るのに時間がかかってしまったのだと考えられます。
つまり、ジャパリバスの誘導がうまく行かず、火を使った誘導を行う場合の作戦は次のような流れで行われる予定だったのでしょう。
1.ヒグマが松明を持って「2」の地帯までセルリアンを誘導
2.火の付いた松明を港の方向に向かって複数並べておく
3.船が見える位置までセルリアンが来たら、船の上で松明に着火
このようにすれば、松明を持つフレンズがセルリアンに追いつかれ、食べられてしまうのを防ぐことができます。ジャパリバスですら追いつかれてしまったのですから、やはり走ってセルリアンを誘導するのは難しいと考えたほうがいいでしょう。かばんちゃんが逃走を諦めたのも無理はありません。
この作戦を用いる場合、港とセルリアンとの軸線上に松明をあらかじめ複数設置する必要があります。ヒグマはセルリアンと分かれた後、これらの松明に順番に着火しながら港に向かっていたのでしょう。そのため、かばんちゃんがサーバルを救出した後、港まで連れ帰るのに時間がかかってしまったのだと思われます。
フレンズの姿を失ったかばんちゃんの救出
セルリアンは並べられた松明を順番に食べながら、港に向かって進んでいました。体内にはおそらくかばんちゃんだと思われるサンドスターのような七色に発光する物体があります。セルリアンに食べられたフレンズは時間が経過すると会話ができなくなり、記憶がなくなるとされていましたが、姿形がどのように変化するかは明確にされていませんでした。「元の動物に戻る」可能性こそミライさんのメッセージで指摘されていましたが、今回のかばんちゃんの描写からフレンズの姿は保てなくなることが確認されたといえます。
この様子を見て、ヒグマはやはりかばんちゃんを救出するのは難しいと感じているようです。ただし、救出そのものをやめようとはせず、まずはダメージを与えてかばんちゃん救出を容易にするよう、背後から攻撃することを提案しました。
攻撃の際、ヒグマは今まで通り野生開放を行っています。一方のサーバルは野生開放を行っていません。かばんちゃん救出という大事のための攻撃ですから、力を温存するとは考えにくいので、やはりサーバルは少なくとも意図的に野生開放を行うことはできないと考えていいでしょう。今までも、「火事場の馬鹿力」のような形で偶発的に野生開放を行っていた可能性はありますが、そうでなければ通常のフレンズの技しか戦えないと考えられます。
通常攻撃でのかばんちゃん救出は困難
2人の攻撃を持ってしても、セルリアンはまったく微動打にしません。2人に興味を持つどころか、面倒くさそうにあしらい、引き続き火の方に向かって進行を続けていました。2人が狙われ、直接攻撃にさらされるよりは動きやすくなるとは言え、かばんちゃん救出に向けての有効打がないということになるので、さらに希望が遠のく展開だといえるでしょう。
こうした様子を見て、サーバルよりも現実的な目線を持つヒグマはやはりかばんちゃんの救出を悲観視したようです。サーバルもヒグマも、かばんちゃんがセルリアンに食べられたサーバルをどのように救出したのか見ていたわけではありません。2人に思いつく救出方法は、「セルリアンを攻撃して、かばんちゃんが捉えられている部位を切り離す」というものしかなかったでしょう。かばんちゃんが使ったのと同じ手を使っていれば、より簡単で安全に救出できる可能性もあったはずですが、そんなことは2人には知る由もありません。
悲観的なヒグマと、ひたすら前向きなサーバル
かばんちゃん救出の有効な方法が思いつかない以上、ヒグマのようにかばんちゃん救出を悲観的に考えてしまってもやむを得ないでしょう。それに対して、サーバルは終始前向きなのが印象的です。目覚めた後、「かばんちゃんがセルリアンに食べられた」と伝えられて以来、聞こえてくる情報は全てマイナスのものなのに一貫して前向きなのにはむしろ違和感さえ覚えます。
サーバルの場合、得られた情報を精査して救出の可能性がどれくらいあるかを考えているというより、最初から「かばんちゃんを助けなければならない」という義務感・使命感に従って行動していると言ったほうがいいでしょう。その理由は過去の考察でお伝えしたとおり、かばんちゃんと出会って以来のサーバルの行動原理は、すべて「かばんちゃんありき」になっているからです。彼女にとっては、かばんちゃんのいない生活など考えられないわけです。
次回は、そのサーバルに関して最も重要とも言えるシーンを考察します。今まで自分自身の気持ちをセリフを通じてほとんど語ったことのないサーバルが、初めて「かばんちゃんに対する想い」を語る貴重なシーンです。このシーンによって、かばんちゃんに引き続き、もう一人の主要キャラクターである「サーバル」の内面描写もひとつのクライマックスを迎えることになります。