けものフレンズ3話感想その3:サーバルが山登りに挑戦した理由

諸注意

前回記事:【3話 その2】アニメ感想「けものフレンズの謎」:トキの歌とかばんちゃん、サーバルのリアクション

【Aパート 山頂への出発】

トキ:こんなところで何してたの?

かばんちゃん:山頂に行きたいんです。

サーバル:ボスがここから楽に行けるって言ってたんだけど・・・。

トキ:よかったら運ぶわよ。この山の上通るつもりだったし。

サーバル:ホントに?そんなことできるの?

トキ:一人ぐらいなら、多分。

トキの歌のくだりが終了し、本題であった山頂を目指す話に入ります。

トキの身体能力もヒトを遥かに上回る

3人が隣り合って座り、話をしているのにもかかわらず、ラッキービースト(ボス)は明後日の方向を向いてしゃべりません。おそらく、まだフリーズしていて再起動中なのでしょう。かばんちゃんやサーバルが様子をうかがっても全く動きもしゃべりもしないので、この時点でラッキービーストが語っていた楽な方法(ロープウェイ)を使う案はなくなりました。

トキから「ひとりくらいなら運べる」という提案があります。「たぶん」とも言っていることから、ジャガーのように、普段から山を通りたい子を運んであげているわけではないが、一人くらいの重さであれば問題なく運べると考えていることがわかります。

人を一人抱えて運ぶというのは、普通の人間にはなかなか難しいおお仕事です。にもかかわらず「できそうだ」と判断していることから、トキもまたフレンズとして一般人を遥かに上回る身体能力を持っていることが伺えます。

【二手に分かれて山頂を目指す2人】

トキに運んでもらって山頂を目指すのは、ラッキービーストと会話できるかばんちゃんの役目になりました。ツルを束ねてロープを作り、トキとお互いを固定して一緒に飛んで行くことになります。一方、サーバルは岩肌を上りひとり山頂を目指すことになりました。

ここまでの描写では、フレンズには「物を加工して道具を作る」という発想はありません(ジャガーのいかだは橋の破片をそのまま流用したもの)。従って、「ツルを束ねてロープにする」という発想はかばんちゃんの発案であると考えられます。

直前の橋をかけるシーンで同じ方法でロープを作っているので、特に難しいことはなかったでしょう。たしかに、こうしたほうがより安全にはなりますが、「もしロープを作っていなかったら」と思わせるようなヒヤッとする展開が後で待ち構えています。

相変わらず機能停止したままのラッキービーストは、かばんちゃんのカバンに入れて運搬することになりました。特に描写はありませんが、おそらくジャパリバスの電池も同じくカバンに入れられているのでしょう。

サーバルが山登りに挑戦した理由

この場面で特筆すべきことは、サーバルがその場でかばんちゃんの到着を待つのではなく、いかにも険しい岩肌を登って山頂を目指すといい出したことでしょう。劇中で明確な描写はありませんが、かばんちゃんは引き止めていることから、サーバルの方からいい出したことはほぼ間違いありません。

なぜサーバルがこのような行動に出たのか、理由は明らかです。これまでにも何度も考察で説明してきたとおり、サーバルは「未知の課題に対して燃える性格」をしています。2話のラスト、及び3話の冒頭で初めて「こうざん」を目の当たりにした時も、かばんちゃんがその高さに驚くのに対して、サーバルは闘志をみなぎらせた表情をしていました。

「あんな険しい山、登りがいがありそうだ」と思ったのかもしれません。猫がキャットタワーを登るのと同じような感覚で山登りに挑戦したいという気持ちがわきあがってきたのでしょうが、劇中の描写を見るとサーバルが山登りに挑戦したいと考えた理由はそれだけではないはずです。

サーバルは常日頃、「ドジー」、「ゼンゼンヨワイー」などと周囲からバカにされていました。表面上は全く気にする素振りを見せていませんが、「実は、周囲から頼りないと思われていることを結構気にしている」というのが私のサーバルに対する見方です。理由については、過去の考察の中でも何度か説明しているので、そちらを参照してください。

【1話 その11】アニメ感想「けものフレンズの謎」:紙飛行機へのリアクションからわかるサーバルの複雑な内面

つまり、このシーンでサーバルは、単純に山登りという未知の課題に胸をときめかせていただけでなく、「山登りを達成して、より強くなりたい」と思っていたのではないでしょうか?いわば、自分磨きをしたいと思っている人が、マラソン大会に参加して自分を鍛えようとしているのと同じようなものだと思えばわかりやすいと思います。

かばんちゃんに対して、「どっちが先につくか競争だよ!」と言っているセリフからも、こうした姿勢は伺えます。「山頂を目指す」という今回の目的に対して、現段階でサーバルはほとんど役に立てていません。「山頂まで運んであげる」といったトキに対して、対抗心を燃やしているというのは言いすぎですが、「自分も何か見せ場を作りたい」というくらいには思っているのではないでしょうか?

さて、2人の競争がどのような結末を迎えるのか、それは今後の考察で明らかにしていきたいと思います。

コメント

  1. より:

    サーバルが…文字通り「お荷物」になるのは嫌だから、役に立てなくとも最低限 足手まといになるのだけは避けなくてはという気持ちはあったのでしょうね(。・ω・。)

    • hifumi1239 より:

      コメントありがとうございます。

      ほかの記事でも何度か言及していますが、私はサーバルを「自分の実力を認めさせたい」という気持ちが強いキャラクターだと思っています。
      サーバルが「お荷物」になってしまったとしても、咎め立てするようなフレンズはいないはずなのですが、サーバル自身の性格がそれを良しとしないのでしょう。
      表面の明るさが注目されがちですなサーバルですが、本作で最も複雑な内面を持っているキャラだと思います。