けものフレンズ11話感想その9:ミライさんの世代は黒いセルリアンとどう戦ったか?

諸注意

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【Bパート ミライさんが語る「あんなもの」とは?】

ラッキービースト(ボス)について山の5合目まで進んだかばんちゃんたち。一休みしていると、再びラッキービーストがミライさんのメッセージを再生させました。

サーバル:あっ、またミライさんが出るよ?

(ラッキービースト、ミライさんのメッセージを再生)

ミライさん:巨大セルリアンですが、やはり山から何かしらの供給を受けていました。黒いセルリアンはあの能力があるため、攻撃せずに先に山のフィルターを貼り直す必要があったんです。

かばんちゃん&サーバル:ああ・・・。

ミライさん:無事四神を並べたので、私たちはこれから下山します。なんとしても私達で先に退治しないと・・・。フレンズの皆さんを避難させてからとはいえ、この島にあんなものを・・・。

山のフィルター、四神、あんなもの・・・新しい謎が多数

ミライさんのメッセージは非常に短くシンプルなものでしたが、内容には非常に興味深い新情報が多く含まれていました。

第一に、「山のフィルター」について考えてみましょう。これは話の内容から、黒いセルリアンと関連付けて語られています。ミライさんが言うには、「黒いセルリアンの能力を封じるためには、先にフィルターを張ってから攻撃しなければならない」とのことでした。

黒いセルリアンの能力と言えば今までのセリフから「自己修復を繰り返す」ということがわかっています。ミライさんのセリフと合わせて考えると、黒いセルリアンは「山から常にサンドスターの供給を受けているために、放っておくと巨大化してしまう、ダメージを与えても再生されてしまう」と考えていいでしょう。

そのように考えれば、黒いセルリアンが火口から麓まで歩く間に大きくなっていった理由や、ヒグマ達によってダメージを与えられたのになぜか再び巨大化しつつあるのもうなずけます。

途中経過はともかく、今現在黒いセルリアンが出現し、かつ自己修復機能を発揮しているということは、現在「山のフィルター」は壊されてしまっていると考えていいでしょう。だとすると、再生を繰り返す黒いセルリアンと戦っているハンターたちの戦況が心配です。確実に黒いセルリアンを倒すためには、「山のフィルター」を再び貼りなおす必要があるのでしょう。

四神=山のフィルターと関連するもの?

「四神」は、過去の会話の中にも登場したもので、そのときは具体的にどのような存在で、どんな役割をはたすのかわかっていませんでした。

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しかし、過去のミライさんやアライさん・フェネック、博士と助手のセリフなどから、以下のようなものではないかと推測しています。

  • 四神と呼ばれる、「フレンズや私たちにとってとても大事なもの」が存在する

  • 四神の場所は現在特定できなくなっているが、「山」のどこかにある

  • アライさんとフェネックは、四神の場所を特定する手がかりである帽子を発見した

  • しかし、帽子は現在かばんちゃんの手にあり、2人はかばんちゃんを追いかけている

特に、「四神は私達(ヒト)とフレンズにとってとても重要」、「四神は山の何処かにある」という情報は極めて重要です。なぜなら、たった今、山にはフィルターというとても重要なものがあることが明らかにされたからです。

文脈から推測するのなら、四神は「山のフィルターを貼り直すために必要なもの」であると考えていいでしょう。山にフィルターを展開できるからこそ四神が重要なのだ、と考えればとてもスッキリと話を整理できます。

それを裏付けるかのように、ミライさんも「四神を並べたので下山します」と語っています。これはおそらく「四神を並べた=フィルターを貼り直した」という意味だと解釈してかまわないでしょう。つまり、ミライさんたちは当時、黒いセルリアンと戦うにあたって山のフィルターを貼りなおすことには成功していた、ということです。

フィルターを貼ることができたのなら、ミライさんたちが黒いセルリアンを退治できていたとしてもおかしくはありません。果たしてミライさんは黒いセルリアンを倒すことに成功できたのか、そのヒントは続くセリフの中に隠されています。

あんなもの=爆撃機によるセルリアン空爆か?

ミライさんたちは、四神を並べ無事フィルターの貼り直しに成功したようです。それなのに、なぜか「早く私達で倒さないと」とミライさんの気が逸っているのが気にかかります。ミライさんが言うところの「私達で倒す」の意味とは、「(当時の)サーバルやカラカル、その他のフレンズで協力して黒いセルリアンを倒す」という意味でしょう。たしかに、フィルターを貼り直したわけですから、時間さえかければフレンズの技でセルリアンを倒すことは不可能ではありません。

それなのにミライさんが血気にはやっているところを見ると、「もしフレンズたちがセルリアンを倒せなかった場合、何か都合の悪いことが起きる」という事情があるのでないでしょうか。実際、ミライさんの続くセリフには、「フレンズの皆さんを退去させてからとはいえ、この島にあんなものを・・・」という意味深な言葉が続いています。

「あんなもの」については現時点でこれ以上の情報がないため、完全に想像するしかありません。しかし、もし「劇中ですでにヒントが描かれている」とすれば、それが何なのか特定することは可能です。

おそらく、「あんなもの」の正体とは、かばんちゃんたちの背後にある爆撃機(正確にはそれから落とされる爆弾)のことを指しているのでしょう。つまり、ヒトの間で「黒いセルリアンをフレンズが自力で退治できなかった場合、爆撃を行った倒す」という決定がなされたのだと思われます。ミライさんはフレンズを思う気持ちからその決定には反対であり、なんとか自分たちの力だけでセルリアンを退治しようとしていたのではないでしょうか?

爆撃では黒いセルリアンを倒せなかったのか?

背景に爆撃機の残骸がある以上、「ミライさんとフレンズの、自力でセルリアンを倒す作戦は失敗した」、「その後、ヒトの手によってパークへの爆撃が行われた」ということは、ほぼ事実だと考えて間違いないでしょう。

セルリアンは、姿を変形させる能力を持っています。爆撃機が上空から爆弾を投下した際、地上から体の一部を飛ばすなどして迎撃を行ったのかもしれません。爆撃機の残骸はその際にやられた機体が落下したものだと考えると辻褄が合います。

ヒトによる爆撃が、セルリアンにどの程度のダメージを与えたのかは判然としません。しかし、当時と同じ黒いセルリアンが再び現れたこと、かばんちゃんたちには爆撃という手段をとる方法はないことは確かです。以前よりも限定された状況で、かばんちゃんはどのように黒いセルリアンと戦っていくのでしょうか。