【Bパート 4人で行う家づくり】
ビーバーが指示を出してプレーリーが作業をする家づくりがいよいよスタートします。かばんちゃんとサーバルが見守る中、作業が着々と進んでいきます。
サーバル:これ、つくってみようよ。
かばんちゃん:じゃあ、ビーバーさん。指示をお願いします。
ビーバー:そ、そうっすね。じゃあまず、穴を掘りたいっす。
プレーリー:よしきた!であります。
ビーバー:普通に掘ると多分崩れちゃうっすから、少し深めで、あとしばらく掘ったら木で補強するっす。こういう形の。(木でつくった模型を見せる)
プレーリー:こうでありますか?
サーバル:はやっ!
(ビーバーも穴の中に入り、指示を出す)
ビーバー:そのまま、少し下っす。
プレーリー:了解であります。
ビーバー:二人は土を運んであげてほしいっす。
サーバル:わかったよ。
かばんちゃん:はい。
プレーリー:ホリホリホリホリホリホリ・・・。(トンネルを掘り続ける)すごい、本当に崩れないであります!
・・・無事開通でありますよー!
サーバル:おーっ!
ビーバー:次は柱を作るっす。
かばんちゃん:はーい。
(湖の中にある陸地の上に家の1階部分ができる)
ビーバー:プレーリーさんは迷わずボリボリ、すごいっすねぇ。おかげでどんどんできていくっすよ。
プレーリー:ビーバー殿は素材や土地のことを知り尽くしているようですごいであります。穴掘りに集中できて気持ちいいであります。
サーバル:私たち、あんまり出番ないね。
かばんちゃん:そうだね。お掃除、やっとこうか。
木の枠で穴を補強し、トンネルを実現
家づくりのスタートは、まず湖の岸から家を建てる陸地までの間にトンネルを掘ることからスタートしました。「湖の下にトンネルを掘るため、深く穴を掘らなければいけない」、「長いトンネルになるので崩落しないよう補強が必要」といった点に注意しなければなりません。ビーバーの指示の下、プレーリーが作業することになりますが、驚異的なペースで作業が進んでいきます。
ビーバーは、トンネルの補強のために穴の上側と左右を支える木の枠をつくることを提案しました。このような構造物はラーメンと呼ばれ、建築や土木の分野で使われることがあるものです。ラーメン構造は荷重や力を支える効果があるので、単に土に穴を掘っただけのときよりも崩落しにくくなるメリットが期待できます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3_(%E9%AA%A8%E7%B5%84)
ビーバーもトンネル掘りの作業中、穴がまったく崩落してこないことに驚いていました。ビーバーが提案した木の枠が土の重みを支え、見事に補強の役割を果たしていることが見て取れます。
互いに感心し合うシーンに見える細かい演出
2人の協力により作業はあっという間に進み、計画通り陸地の上にログハウスの1階部分が完成しました。このとき、ビーバーは自分ひとりではまったく進められなかった作業をテキパキとこなしていくプレーリーに感心します。
過去の考察で述べた通り、ビーバーは建物の写真を見ただけでつくり方を逆算できるなど驚異的な能力を持っていますが、自身の頭のなかにあるイメージを実現できる技術力が不足していました。この点をうまくプレーリーがカバーしているといえるでしょう。
反対に、プレーリーは自分一人で掘っているときには何度も失敗していた穴掘りを完全に成功させるなど、材料や土地に関して完璧な知識と感覚を持つビーバーに尊敬の眼差しを送ります。
このシーンではどちらも相手が作業に夢中になっているときにそれぞれ相手のことを考えている、というのがいい演出です。「協力し合うことでお互いに得意な作業に専念できている」、「相手の中の『自分にはない面』にだけ注意がいっているため、純粋に相手を尊敬している」ということがわかる演出になっています。
かばんちゃんとサーバルも実は重要な役割を果たしていた
一連の家づくりのシーンでは、かばんちゃんとサーバルは完全に脇役です。最初こそトンネルの土を運ぶ役割が与えられましたが、その仕事もなくなると完全に暇になり片付けを始めてしまいます。
しかし、2人の家づくりがうまくいったのも元を辿ればかばんちゃんとサーバルの働きがあったればこそです。2人は失敗を繰り返すビーバーとプレーリーを絶えず激励し続け、ときにはアドバイスを送って勇気づけてきました。最後に役割分担して家づくりを始めるシーンでは「盛り上げ役」に徹することで理想の家のイメージをまとめるのにも貢献しています。
そういった意味では、ビーバーとプレーリーにサーバルとかばんちゃんも加えた、「4人だからこそできた家づくり」だと言えるかもしれません。