前回記事:
【Aパート 熱しやすく冷めやすいスナネコの性格】
スナネコの活躍によって、2人は砂嵐を避けて先に進むことができました。「砂嵐に夢中になっていて飛ばされた」と語るスナネコは、まずジャパリバスに興味を示します。しかし、サーバルが得意気に説明しようとすると、すぐさま興味を失ってしまいました。
次にスナネコが興味を示したのは、かばんちゃんが被っている帽子の飾りです。ですが、その興味も長くは続かず、2人は気まぐれなスナネコに大いに振り回されます。
スナネコの声優は、EDを歌う歌手のみゆはん
前回の感想では、ジャパリバスが動けるようになったのは「スナネコが地面を掘り、浮いていたタイヤが接地できるようになったからではないか?」と考察しました。その根拠のひとつが、かばんちゃんがここで「助かりました。あなたは・・・」と語っているからです。
自己紹介するスナネコに対して、サーバルは「噂通りかわいいね!声もとってもかわいい!」と話しかけます。スナネコの返事は「サーバルも噂通りのドジっ子ですね」というつれないものでした。
※このシーンでかばんちゃんがスナネコの頭の上部(おそらく耳)に注目しているのも見逃せません。かばんちゃんは新しいフレンズと出会うたびにそのフレンズの「他者との外見的な違い」に注目する傾向があります。
フレンズのモデルとなった元動物のスナネコは「砂漠の天使」とも呼ばれ、動物好きの間ではかわいい動物として有名です。しかし、サーバルが容姿だけでなく声も褒めたのは少しメタフィクション的な理由があると考えられます。
アニメ「けものフレンズ」に登場するスナネコの声優を務めるのは、シンガーソングライターの「みゆはん」さんです。みゆはんさんは、本作のEDテーマである「ぼくのフレンド」も歌っています。歌手がCVを務めているという関係からあえて声に触れるセリフが挿入されたのではないでしょうか。
「噂」でお互いのことを知っているサーバルとスナネコ
サーバルはスナネコのことを「噂」で聞いたことがあり、スナネコもまたサーバルのことを「噂」で聞いたことがある、という事実が語られています。実は、サーバルのことを「噂」で知っていたのはスナネコが初めてではありません。
じゃんぐるちほーで出会ったフォッサもサーバルのことを知っていました。その時、フォッサはサーバルを知っていた理由について、「自分はたまにさばんなちほーにも行くから」と答えています。一方、サーバルの方はフォッサのことはまったく知らない様子でした。
フレンズ「フォッサ」の元動物であるフォッサは、本来離島であるマダガスカル島にのみ生息する動物です。そのため、「さばんなちほーに行くことがある」というのはけものフレンズのオリジナル設定だと考えられます。
スナネコはどこでサーバルの噂を聞いたのか?
では、スナネコはなぜサーバルのことを噂で聞いたことがあるのでしょうか?考えられる理由はいくつかあります。最初に考えられるのは、「スナネコもさばんなちほーに行くことがある」という可能性です。
Wikipediaで「スナネコ」の項目を見ると、次のような記述があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%8D%E3%82%B3
アラブ首長国連邦、アルジェリア、エジプト(ナイル川以東)、オマーン、カザフスタン、カタール、クゥエート、サウジアラビア、トルクメニスタン[3]。モーリタニアにも分布すると考えられているが、標本の採集例や撮影された記録はない[3]。イエメン、イスラエル、パキスタンでは絶滅したと考えられている[3]。
分布の空白地帯もあるが、単に記録がないだけなのか実際に分布していないのかは不明[3]。例としてエジプトのナイル川以西・リビア・チュニジアにかけての地域では報告例がない[3]。
このように、スナネコの生息域には謎が多く、少なくとも元動物をヒントにする限り「スナネコが自分でさばんなちほーに行ったことがあるのかどうか」については判然としません。
もう一つの可能性としては「さばんなちほーとさばくちほーを行き来する別のフレンズから聞いたことがある」というパターンもありえますが、これについても今後理由が語られることがないため確かめようがありません。ともあれ、スナネコにまで「ドジっ子」として知られているということは、サーバルの不名誉な評判はかなり広い範囲まで知れ渡ってしまっているようです。
スナネコは、気になることがあると夢中になる性格
そもそもスナネコはなぜサーバルの頭上に落ちてくるという劇的な登場の仕方をしたのでしょうか?かばんちゃんから理由を聞かれて、本人は次のように説明しています。
スナネコ:すっごく大きい砂嵐だったので、夢中になって見にいったら、飛ばされて、気づいたらここに。
このセリフからわかるのは、先ほどの砂嵐が普段さばくちほーで暮らしているスナ猫の目から見てもとても巨大なものだったということ。そしてスナネコが「夢中になるとほかのことが意識からなくなる性格」をしていることです。
スナネコ自身もその性格を自覚しているようで、かばんちゃんたちに説明を続けようとしますが、その瞬間に今度は「ジャパリバス」に興味が移ってしまいました。
バスに夢中になるスナネコに対して、サーバルは胸を張り得意げにジャパリバスの説明を始めようとします。先ほど「ドジっ子」と言われたことから、バスについて見事に説明して名誉挽回を図ろうとしていたのでしょう。
しかし、サーバルが説明している間にスナネコはもうジャパリバスへの興味を失ってしまいました。次に興味を持ったのはかばんちゃんの防止についている飾り(緑色の鳥の羽のようなもの)です。しかし、かばんちゃんから説明を受けるとその興味もすぐに失われてしまいます。
ジャパリバスと帽子の飾り、これらの2つのものにはある共通点があります。それは、「名前がわかった瞬間に興味を失っている」ということです。ジャパリバスについてはサーバルが「バスっていうんだ」と名前を教えた直後に、帽子の飾りについても、最初は「かばんちゃんの耳」だと勘違いしていたのをかばんちゃんから「飾り」だと聞かされた直後に興味を失っています。
興味がコロコロ変わる気分屋なスナネコについて、続くシーンではラッキービーストからの解説が始まります。その内容についてはまた次回の感想で考えることにしましょう。