【Bパート かばんちゃんとフレンズ、別れのとき】
「船」に改造したジャパリバスをかばんちゃんにプレゼントしたフレンズたち。パーティーも終わり、旅立ちの準備を終えたかばんちゃんとパークのフレンズたちの別れのときが近づいてきました。
サーバル:気をつけてね。お腹すいたら、ジャパリまんたくさんたべてね。
かばんちゃん:本当にありがとう。皆さんがいなかったら・・・僕・・・。
ヒグマ:こっちこそ、パークの危機まで救ってもらったよ。
アリツカゲラ:おかげさまでぐっすり。かばんさんもちゃんと寝てくださいね。
ギンギツネ:かばんといると、新発見がたくさんあったわ。
キタキツネ:うん、うん。
マーゲイ:かばんさんのお陰で・・・私・・・憧れの・・・仕事に・・・。
PPP(ペパプ)のメンバーたち:うふふ・・・。ふふ・・・。
アフリカオオコノハズク(博士):お前ならなんだかんだ大丈夫ですよ。
ワシミミズク(助手):なのです。
ライオン:気楽にやりゃーいいよー。
ヘラジカ:うん、そのまま真っすぐ行け!
トキ:ほんとに1人で大丈夫?
アルパカ:はい~。
かばんちゃん:うん、島がどんなところか、本当にあるかもわからないから、僕の都合で連れていけないよ。でもきっと、美味しいものとか楽しいこと、持って帰ってくるね!
アメリカビーバー:心配っすよ~。
オグロプレーリードッグ:うう・・・。
カバ:本当に辛いときは、誰かを頼ったっていいのよ?
(かばんちゃん、優しく微笑む)
1話~12話で登場したフレンズが勢揃い
改造されたジャパリバスのプレゼントをもらったかばんちゃんは、早速パークから海の外へと旅立つことになりました。前のシーンとは異なり時間帯が夕方ではなくなっているので、おそらくは食料など必要なものを準備し、パーティーの翌日~数日後を出発の日に選んだのだろうと考えられます。かばんちゃんの見送りには、ジャパリバスの改造に関わったフレンズよりもさらに多くの、今までかばんちゃんが知り合ってきたフレンズたちが集まりました。
彼女たちは順番に、かばんちゃんに別れの言葉をかけていきます。最初はヒグマを筆頭に6話~11話に登場したフレンズたちが、順番に並んで挨拶をしていきました。
フレンズたちがかばんちゃんから得たもの
ヒグマはかばんちゃんにパークの「安全」を守ってもらったことを、アリツカゲラはパークで暮らすフレンズの「安心」を守ってもらったことをそれぞれ感謝しました。ヒグマにしろ、アリツカゲラにしろ、「普段自分たちがほかのフレンズに与えているもの」を提供するのを手伝ってもらったという意味合いが込められていると思います。
ギンギツネ・キタキツネはかばんちゃんと出会ったことで「新発見があった」と言いました。雪洞やそり滑り、服が脱げることの発見などを述べているのでしょう。マーゲイは憧れていたPPPのマネージャーになれたことについて、感極まりながらお礼を述べました。9話「ゆきやまちほー」、8話「ぺぱぷらいぶ」に登場したフレンズたちは、どちらもヒトが残した文化や設備をある程度活用していましたが、不足していた部分をかばんちゃんが補ったことになります。
かばんちゃんはフレンズたちの生き方も変えた
博士と助手、ライオンとヘラジカは、精神論のような励ましの言葉をかばんちゃんに送りました。彼女たちはそれぞれ「島の長」、「群れの長」というフレンズを率いる立場であり、かばんちゃんが出会った時点では皆、果たさなければならない役割はこなせる状態にありました。彼女たちに不足していたのは、長年解決できなかった問題を解決するアイデアです。かばんちゃんは「スポーツ」、「料理」というヒト由来の文化を提案して彼女たちを助けています。
かばんちゃんは、「旅の途中でみんなに助けてもらった」と語っていますが、それだけでは十分な表現とはいえません。かばんちゃんがフレンズから影響を受けたのと同じくらい、フレンズたちもかばんちゃんから影響を受けていたのです。サーバルほどではないにしろ、彼女たちもまた、こうした影響によって「生き方」を変えられたといえるでしょう。
サーバル以外のフレンズもかばんちゃんに親しみを覚えている
続いて、1話~5話に登場したフレンズたちも、かばんちゃんに別れの挨拶をしました。トキとアルパカ・スリは、ひとりだけで旅立つというかばんちゃんを心配しています。実際には腕時計のようになったラッキービーストも連れて行くのでしょうが、身体的な機能はほぼ失われてるため、知識以外でかばんちゃんを助けられるわけではありません。
かばんちゃんは、パークの外には危険があるかもしれないこと、旅の後は必ずまた戻ってくる旨を伝えて、トキとアルパカを安心させようとしています。確かに、未知の新天地へ探検に行く場合、大勢で行くほうが安全とは限りません。少数なら小回りもききますし、食料や水の量も少なくて済みます。乗り物であるバスの容量が決まっている以上、かばんちゃんひとりで行くほうが何かあったとき帰ってくるのも楽になるでしょう。
心配症なビーバーは、かばんちゃんの説明を受けても心配の色を隠せません。プレーリーはかばんちゃんがパークを離れる寂しさに耐えられず、涙を流しています。彼女たちが表現しているのは「待つものの辛さ」でしょう。たしかに、かばんちゃんひとりで出発するほうが旅自体はやりやすくなるのかもしれません。しかし、仲良くなった友人をひとり送り出すものたちにとっては、心情の上では忍び難いものがあります。
1話でかばんちゃんに「自分の身は自分で守るように」と厳しさを見せていたカバは、「本当に辛いときは誰かを頼ってもいい」と逆に優しい言葉をかけています。1話で陰ながらかばんちゃんをセルリアンの攻撃から助けたように、カバは実際は世話好きな性格をしているので、その面が出たと捉えることもできるのですが、別の解釈も可能です。
これほど多くのフレンズたちがかばんちゃんを慕っていることをカバも実際に目にしています。また、かばんちゃんの貢献によって生まれた料理をパーティーでジャパリまんと一緒に食べたこととも合わせて、かばんちゃんが自分の身を自分で守れる一人前のフレンズになったことを感じていたのかもしれません。
1話~5話に登場したフレンズは、皆一様に「かばんちゃんに対して、フレンズたちがどういう感情を抱いているのか」を表現しています。サーバルだけでなく彼女たちもまたかばんちゃんに親しみを覚えており、旅の出発を心配し、別れを悲しむ様子を見せました。また、旅の過程でのかばんちゃんの成長を喜んでもいます。
今回の別れのシーンによって、サーバル以外のフレンズたちがかばんちゃんにどんな勘定を抱いていたのかが明らかにされました。これは11話のラストの展開を読み解くにあたって、非常に重要な情報になるのでよく覚えておいてください。