けものフレンズ9話感想その6:ギンギツネ、キタキツネと磁場

諸注意

けものフレンズ9話感想その5:ゆきやま、かまくらでのサバイバル
【Aパート かばんちゃんのかまくら作り】 雪山の登山コースの先にある源泉を見に行くことになったかばんち...

【Aパート キツネの狩りの方法】

かばんちゃんの機転により、かまくらを作ることに成功した2人。かまくらに入って吹雪が止むのを待ちますが、天気はなかなか穏やかになりません。

(雪洞の外の吹雪を見つめる2人)

サーバル:やまないね・・・。

かばんちゃん:うん・・・。

???:ここから聞こえる・・・ここ。

???:ここね。わかった。

ギンギツネ:ふっ!(雪洞の屋根を突き破り、顔を出す)

かばんちゃん:うわぁぁぁー!!た、食べないでくださーい!

ギンギツネ:うわぁー!いっぱいいるー!

(ギンギツネとキタキツネ、雪洞の中で2人と向かい合う)

ギンギツネ:私はギンギツネ。こっちの子がキタキツネ。

キタキツネ:よろしく。

ギンギツネ:この子が何か聞こえるって言ったから覗いたの。不思議なもの作るのね。

サーバル:こっちこそ、びっくりしたよ~。

かばんちゃん:いきなり顔が出てくるなんて。

ギンギツネ:私たちキツネは、ああやって獲物を狩るのよ。雪の中にいる獲物の音を聞いて、目星をつけたら「ジャンプ」して、顔を突っ込むのよ。

キタキツネ:違うよ。磁場を感じるんだよ。

ギンギツネ:またわけのわからないことを・・・。

新フレンズの元動物「ギンギツネ、キタキツネ」の特徴

今回は新しいフレンズ、ギンギツネとキタキツネの登場です。かばんちゃんとサーバルがかまくらのなかで休んでいたとき、外から何か話す声が聞こえました。その後、突如かまくらの壁を突き破り、ギンギツネが顔を出してきたのです。突然の出来事にかばんちゃんは驚きますが、ギンギツネも雪の中に複数のフレンズがいたことに驚きます。

まずは新しいフレンズの元動物の特徴を確認しておきましょう。ギンギツネとキタキツネは、どちらもアカギツネという動物の仲間です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%AE%E3%83%84%E3%83%8D

アカギツネはユーラシア大陸から北米まで、世界中に広く分布しており、生息する地域によって異なる特徴を持っています。

http://www.pz-garden.stardust31.com/syokuniku-moku/inu-;ka/gin-gitune.html

ギンギツネは北半球に広く分布しているアカギツネの黒色化型で、体毛は黒地に白銀色の差し毛になっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%BF%E3%82%AD%E3%83%84%E3%83%8D

キタキツネ(北狐、Vulpes vulpes schrencki )は、北半球に広く分布するアカギツネの亜種。日本では北海道・樺太および周辺島嶼に生息する。

今回の場合は、ギンギツネとキタキツネどちらも「キツネのフレンズ」であると考えていいでしょう。それぞれ性格的な違いはあるものの、別の特徴を持つ生き物であると捉える必要はありません。単に髪の毛の色が違うといった個性の違いと捉えたほうがわかりやすいはずです。

「音で居場所がわかった」と主張するギンギツネ

ギンギツネがいきなりかまくらの壁を突き破って登場したのは、キタキツネがかばんちゃんたちの声を聞いたからでした。本来、吹雪の雪山を出歩くフレンズの数は多くはないはずです。しかも、かばんちゃんたちはかまくらの中にいたため、周囲からみればそこに誰かがいるようには見えなかったでしょう。

ギンギツネが現れる前のギンギツネ・キタキツネの会話を見ると、キタキツネは「かまくらの中から声が聞こえる」とギンギツネに指摘していることがわかります。ギンギツネによる説明もそれを裏付けるように、「我々キツネは獲物の音を聞いたらそこをめがけてジャンプし顔を突っ込む」と説明しました。

ところが、ここでキタキツネがギンギツネの説明に異論を唱えます。「音ではなく、磁場を感じている」のだといい出したのです。

「磁場を感じる」と主張するキタキツネ

今回かばんちゃんたちの存在に最初に気がついたのはキタキツネの方でした。しかも、前後の会話からは明らかに音を頼りにかばんちゃんたちを見つけたように見えます。それなのにキタキツネ自身が「磁場を感じている」と主張しているのはなぜでしょうか。

http://estorypost.com/news/science/secret-of-fox-snow-diving/

こちらのサイトにその根拠となる情報が記載されています。劇中で語られている、本物のキツネが獲物を捉えるシーンの銅葉も掲載されているので興味がある方は見てみてください。

以下、リンク先からいくつか気になる情報を引用します。

研究者によると、時間や季節、天候や風向きに関係なく、キツネたちは北東の方向にジャンプすることを好んだという。

この不思議な特性に関して、チェコの研究者は「キツネには磁気感覚がある」という理論にたどり着いた。いわゆる第六感だ。

詳しくはリンク先の内容を参照してほしいのですが、「キツネが獲物を捉えるとき北東にジャンプする傾向がある」ということ、そしてそれを根拠として「キツネには磁場を感じる能力があり、それを狩りに利用している」と考える研究者がいることが示されています。

諸説ある情報を劇中で紹介するための演出

おそらくキタキツネの発言は、この点を反映したものでしょう。つまり、「従来、キツネ狩りをするときは音を頼りにしていると言われていたが、現在は磁場を感じていると主張する研究者もいる」ということを登場人物のセリフとして表現しているわけです。

キタキツネのセリフを普通に解釈すると、「キタキツネは図書館などで、自分たちがどうやって獲物の場所を感知しているのか」について、ヒトが行った研究の結果を知ったと考えれば辻褄が合います。

また、この発言を演出上の意図として解釈するならば、「キツネが獲物を狩る方法を紹介したかったが、諸説あるため、それぞれキツネのフレンズたち自身の口から紹介させた」と捉えることができるでしょう。