【Aパート ギンギツネの寒さ対策】
ギンギツネ、キタキツネという新たなフレンズと出会ったかばんちゃんたち。なぜこんなところにやってきたのか、お互いの自己紹介が始まります。
ギンギツネ:あなたたちは?なぜここに?
サーバル:お湯を見に行こうと思って。
ギンギツネ:それでこんなところまで?とても雪に暮らす動物に見えないけど。
かばんちゃん:はい、寒いです・・・。
ギンギツネ:寒さを舐めてると死んじゃうわよ!しょうがないわねぇ、これ、持ってなさい。
かばんちゃん:わっ、あったかーい。なんですかこれ?
サーバル:ぬくぬくするよ?
キタキツネ:ギンギツネ、僕にもちょうだい?
ギンギツネ:あなた毛皮で十分暖かいでしょ?
キタキツネ:おうちはもっとぬくぬくしてるもん。ギンギツネがこんなところまで連れてくるから。
ギンギツネ:あなたが早く直せって言うから、この天気の中きたんじゃないの!
サーバル:仲良しなんだね。2人は何しにきたの?
ギンギツネ:いつも使ってる装置が動いてないみたいでね。様子を見に行く途中なの。
「寒さ」はフレンズの命に関わる問題
かばんちゃんとサーバル、ギンギツネとキタキツネがお互いに吹雪の雪山にやってきた理由を語り合うシーンです。まず、かばんちゃんとサーバルがギンギツネの問いかけに答える形で「源泉を見に行くため」と応えました。
かばんちゃんたちがゆきやまちほーに住む動物ではないと知るや、ギンギツネは「寒さを舐めていると死んじゃうわよ」と注意します。これまで一部のギャグシーンやセルリアンとの戦いを別にすれば、フレンズである2人が死んでしまいそうな明白な危機が訪れたことはありません。しかも、フレンズの体が普通のヒトや動物よりも丈夫であることは、劇中で何度も示されてきました。
しかし、ゆきやまちほーの寒さはそんなフレンズであってしても命にかかわるものだとギンギツネは説明しているのです。7話で登場したアフリカオオコノハズク(博士)とワシミミズク(助手)も「合わないちほーでの暮らしは寿命を縮める」と語っていました。かばんちゃんやサーバルにとって、ゆきやまちほーはまさに「合わないちほー」であったということがわかります。
ギンギツネが手渡したものの正体
寒さに震えるかばんちゃんたちを見かねて、ギンギツネはあるものを2人に手渡しました。そのものが何なのか劇中では明言されていませんが、形状や機能からおそらくはカイロか湯たんぽのようなものであったと考えられます。
一般的にカイロというと、使い捨てのものが有名ですが、ギンギツネが2人に手渡したものは繰り返し使えるものでしょう。今までの考察により、パークからヒトが姿を消してからかなり長い時間が経過していると考えられます。純粋な消耗品であれば、すでに使い切ってしまっている可能性が高いはずです。
仮に燃料の問題に眼をつぶるのなら、ギンギツネが使っていたカイロの正体として可能性の高いものは、ハクキンカイロ(ハンディウォーマー)が挙げられます。
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ハクキンカイロとは、プラチナの触媒作用によりベンジンをゆっくりと気化させ、その際に発生する酸化熱を利用して暖を取るものです。わかりにくければ、「ベンジンを燃料として使うカイロ」と覚えておいてもいいでしょう。
ハクキンカイロの特徴は発熱量が使い捨てカイロの約13倍と大きく、24時間もの長時間に渡って発熱し続けるという点です。雪山に持ってくるものとしてはうってつけですが、使い捨てカイロと同様に「燃料のベンジンはどうやって調達したのか?」という疑問は残ります。
「電池式カイロ」の可能性が最も高いか
現在のジャパリパークでも燃料補給の問題が発生しなさそうなカイロとしては、次の3つが挙げられます。
電子レンジカイロ
中にゲル状の保温材が封入されており使用時は電子レンジで加熱して使う方式のカイロ。日本ではもっぱら湯たんぽ代替として商品化されている。
ジャパリパークに電子レンジが存在するかどうかは不明ですが、仮に似たような設備があれば電磁レンジカイロのリサイクルは可能です。
電池式カイロ
電池式のカイロ。日本国内だけではなく、日本国外で人気があり多く使用されている。使用したいときだけ電源をONにする事が出来、燃焼ガスやゴミが発生しないという大きな利点がある。
ジャパリバスという、電池によって動くものが存在するため、燃料補給の面からいえば電池式カイロの可能性が最も高いといえるかもしれません。
エコカイロ
酢酸ナトリウムの物理反応を利用したカイロ。使用後吸熱させることで再利用が可能。
こちらのカイロは、使用したあと沸騰したお湯につけることによって再利用可能です。ただし発熱時間が40~1時間と短いため、雪山で使用するのには向いていないといえるでしょう。
総合的に判断すると、ギンギツネのカイロの正体は「電池式カイロ」である可能性が最も高いといえますが、その場合ギンギツネたちはカイロの仕組みを理解し、どのようにすれば再利用できるかわかって使っていると考えられます。
かばんちゃんを上回る解決策を提供したギンギツネ
今までのパターンからいえば、こうしたピンチのときフレンズたちに解決法を提案するのはかばんちゃんの仕事でした。今回もその例に漏れずかまくらという方法で寒さを凌ぐ方法を提案しています。しかし、ギンギツネはカイロというさらにその上をいくものを提供して、かばんちゃんとサーバルを助けました。
これは8話で登場したPPPやマーゲイ同様、ギンギツネもまた「ヒトに近いフレンズ」であることを示唆しています。カイロという人間由来のものを日常的に使いこなせるほどヒトがジャパリパークに残したものに精通しているということです。
同じことは、ギンギツネとキタキツネの会話からも見て取れます。彼女たちによれば「普段使っている装置が動いていないようなので、様子を見に来た」というのが吹雪の雪山にやってきた理由でした。
まず驚くべきことは、フレンズの口から「装置」という明らかに機械を指す言葉が聞かれたことです。2話において、ジャパリバスの運転席と助手席を連結させ、電池を入れて動けるようにしたとき、その場にいたフレンズのジャガーは「足がバタバタして動くのではないか」と予想していましたが、こうしたフレンズたちと比較すればヒトが残した機械に対する理解度は雲泥の差だといえるでしょう。
ただし、そうなると新たな謎が生まれます。なぜギンギツネやキタキツネはこれほどまでにヒトが残した設備・装置に対して詳しいのでしょうか。8話で登場したPPPやマーゲイの場合は「アイドルを目指していた、アイドルが好き」といった、知識を学ぶための原動力がありました。彼女たちの場合はなぜこのような知識を得るに至ったのか、その背景がまだ判明していません。なぜ彼女たちが「ヒトに近いフレンズ」となったのか、それは今後のストーリーの中で明らかにされていきます。
コメント
1話の前半でひとまず挫折していたのを最近まとめて視聴しました。
まとめて観たらとても気に入って、でもいろいろ知りたいことも出てきて、検索でたどりつきました。
この連載記事を夢中で読んで、一昨日追いついたところです。
このアニメがいったい何故こんなに面白かったのか、自分でもよく分からなかったのを、的確に解説してもらっている気がします。
今後の記事も楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
すでに放送からは半年以上経っていますが、時間が経っても色褪せない魅力がある作品だと思います。
今後も応援よろしくお願いします!