前回記事:
【冒頭 さばくちほーで砂嵐に遭遇する3人】
じゃんぐるちほーを抜け、さばくちほーにやってきたかばんちゃん、サーバル、ラッキービースト(ボス)の3人。ラッキービーストから勧められ、ジャパリバスのサンルーフから周囲を見渡します。大量の砂にはしゃぐサーバルと、不安定な地面の揺れを心配するかばんちゃんに対して、ラッキービーストによるさばくちほーの解説が行われます。
そんなとき、サンルーフから身を乗り出していたサーバルが、行く手を遮る大きな砂嵐を発見しました。
さばくちほーの入口にやってきた一行
2話のラストシーンは、ジャパリバスに乗ってじゃんぐるちほーを後にする3人の様子が描かれていました。すでに日が落ちようとしていたことから、適当なところで車を止めて一泊したと考えられます。夜間はかばんちゃんに「ガイド」ができないため、ラッキービーストが走行を続ける理由がないからです。
ラッキービーストが「そろそろさばくちほーだよ」と言っていることから、走行している場所はじゃんぐるちほーとさばくちほーの境目付近であると考えられます。実際、3話開始直後の路面はまだ安定した土の地面ですが、その後すぐに不安定な砂の路面に変わっています。これは別のちほーに入ったため、サンドスターの影響で環境が変わったのだと推測できます。
実はサンルーフがついていたジャパリバス
このとき、ラッキービーストは2人に「上の窓」から周囲を見ることを勧めます。かばんちゃんもサーバルもこのとき初めて、ジャパリバスに上の窓がついていることに気がつきました。
車の天井についている窓は、一般にはサンルーフ、ムーンルーフ、ポップアップルーフなどと呼ばれます。(ここではサンルーフと統一して書きます)
実はラッキービーストはサーバルを無視していない?
サンルーフから身を乗り出した2人の目に飛び込んできたのは、周囲の地面が砂に覆われたさばくちほーの景色でした。さらにその先にはゴツゴツした岩肌の山や丘のようなものも確認できます。
「砂がとっても多いね」と感想を漏らすサーバルに、ラッキービーストはさばくちほーの特徴を説明します。このシーン、セリフの流れだけを見ているとラッキービーストがサーバルの問いかけに答えているようにも見えますが、「かばんちゃんに新しく入るちほーの特徴を説明しようとしていた」と考えたとしてもおかしい部分はありません。
(本来のガイドの対象である)「かばんちゃんが一緒にいたから、ラッキービーストがサーバルの問いかけに答えた」、「サーバルは無視してかばんちゃんに説明しようとしていただけ」、「サーバルの問いかけに答えつつ、『かばんちゃんに対する説明にもなっている言い方』にした」などの可能性があります。
このように、ラッキービーストは必ずしもフレンズ(特に、一緒にいる時間が長いサーバル)を無視しているわけではなく「答えられるときには問いかけに答えるようにしている」とも取れます。ただし、確定的な表現はなく視聴者のとり方次第でどちらとも解釈できるようになっているといえるでしょう。
けものフレンズにおける「さばくちほー」の解説
ラッキービーストが説明したさばくちほーの特徴は以下のとおりです。
- 雨が極端に少なく、砂・岩石が多い
- 植物はとても少ない
- 「砂漠」といっても種類がいろいろあり、(ここのように)砂ばかりのところは少ない
比較のために、Wikipediaの「砂漠」の項目も調べてみました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E6%BC%A0
砂漠の降水量については、Wikiにも「非常に少ない」との記述があります。また、注目すべきは次のような説明があることです。
「砂漠」という表記からの連想もあり、一般的には見渡す限り砂地が広がって風紋を織りなしている情景がよく想像されるが、実際には岩石に覆われた荒涼たる地域が主であり、砂に覆われた地域は全体の20%ほどに過ぎない。
この部分は、「砂漠と言ってもいろいろ種類があり、砂ばかりのところは少ない」というラッキービーストの説明とも合致しています。このように、けものフレンズでは動物だけでなく、それが暮らす環境についても単に一般的なイメージを表現するばかりでなく、実際のものに近い環境を表現しようとする努力が見て取れます。こうした細かいこだわりが多くのファンの心をつかんでいる魅力のひとつだといえるでしょう。
ちなみに、Wikiによれば砂漠には以下のような種類があります。
岩盤砂漠・・・岩盤がそのまま地面に露出したもの
礫砂漠・・・礫(2mm以上の粒)で地面が覆われているもの
土砂漠・・・土や粘土で地面が覆われているもの
砂砂漠・・・砂地や砂丘が一面に広がっているもの
我々が一般にイメージする砂漠と言えばこの中でも「砂砂漠」だと思いますが、さばくちほーだからといって「単純に砂砂漠を描いておしまい」にしないのがけものフレンズのいいところです。
乗り物の揺れに弱いかばんちゃんと強いサーバル
次のシーンに切り替わると、なぜかサンルーフに身を乗り出しているのはサーバルだけになり、かばんちゃんは座席に戻っているのが確認できます。せっかく新しいちほーに入ったのに、すぐに座席に帰ってしまうとは知的好奇心旺盛なはずのかばんちゃんらしくない行動です。
しかし、その理由はすぐに判明します。さばくちほーに入ったことで路面が砂丘になってしまったため、ジャパリバスがガタガタ揺れる不安定な状態に陥ってしまったのです。かばんちゃんも「この道、大丈夫ですか?」とラッキービーストに確認しており、不安定な状態でサンルーフに立ち続けるのが困難だったのだろうと推測できます。
一方のサーバルはと言うと、上半身全体を前のめりにジャパリバスの上に乗り出し、さらに周囲の変化を楽しんでいます。サーバルに対しては、この程度の車体の揺れではまったく苦にならないということでしょう。dアニメストアのキャラクターインタビューでは「昼はバスの走行中に寝ることもある」と語っていることから、乗り物の揺れにはかなり強いことがわかります。
ラッキービーストはかばんちゃんの問いかけに「図書館はさばくちほーを抜ければすぐだよ。運転は任せて」と答え、そのまま先に進むと宣言します。屋根の上にいるサーバルは、いち早くバスの進行方向に現れたある「異常」に気がつくのですが・・・。ここから先のAパートについては、次回の記事で考察していきたいと思います。