けものフレンズ5話感想その16:かばんちゃんによるビーバーのカウンセリング

諸注意

けものフレンズ5話感想その15:サーバルとかばんちゃんのアドバイスの違い
【Bパート オグロプレーリードッグへのアドバイス】 心配症な性格が災いして家造りが進まないアメリカビー...

【Bパート 作業が進まないビーバー】

焦って作業に失敗するプレーリーにゆっくり落ち着いて作業するように伝えたかばんちゃんは、再びビーバーの様子を見に戻ります。

サーバル:プレーリーってすごいね。

かばんちゃん:ビーバーさんはどうだろう?

サーバル:・・・おーっ!・・・って、さっきとまったく同じ状態だよ!

ビーバー:あわわわわわわわわ・・・。今度こそ失敗できないと思うと、怖くて切れないっす・・・。うう、ううううう・・・。

サーバル:かばんちゃん、何かいい方法ない?

かばんちゃん:そうだなぁ・・・、あっ!小さいのをつくってみたらどうですか?試しに。

ビーバー:小さいのっすか?

かばんちゃん:本物でうまくいくかどうか調べるために、まずこのくらいのサイズでつくって見るんです。

ビーバー:あっ、それいいっすね。やってみるっす。

プレーリーの性格に感心するサーバル

プレーリーの元を去る際、サーバルは「プレーリーにすごいね」とつぶやきます。ですが、よく考えるとこのセリフは少し妙です。プレーリーは自分で掘った穴に埋まって動けなくなっていたばかりか、その後穴掘りを再開しても岩にぶつかってしまい、何もいいところがありませんでした。それなのにプレーリーのどの部分を指して「すごい」と言っていたのでしょうか?

まだ目に見える成果が出ていない分、これはプレーリーの性格を褒めていると解釈するのが自然でしょう。つまり、「何度失敗してもまったくめげず挑戦を繰り返しているのがすごい」と言っているわけです。

もうひとつ注目すべきなのは、このセリフがサーバルのものであるという点でしょう。サーバルはこれらプレーリーの性格的特徴を「自分にない部分」だと考えているからこそ「すごい」と表現しているはずです。

サーバルの過去の行動を振り返ってみると、「セルリアンを見ると逃げるより戦おうとする」、「山登りなど、困難なことにもあえて挑戦しようとする」などの傾向があります。問題に対して前向きに挑戦しようとするサーバルにとって、プレーリーのへこたれないチャレンジ精神は見習うべき対象と写ったのでしょう。

役割分担を始めたサーバルとかばんちゃん

2人がビーバーの元を戻ると、作業はまったく進んでいませんでした。ビーバーの場合は、本人が自分の口で作業が進まない原因を語っているので理由は明らかです。心配症な性格のために木材の加工をスタートすることができないのです。

ここでサーバルは自らアドバイスを送った先ほどとは異なり、かばんちゃんに何か解決する方法を尋ねました。このことからサーバル自身はビーバーの悩みを解決する方法を知らないこと、そしてかばんちゃんのほうがより適した解決法を思いつくであろうとサーバルが考えたことがわかります。

このあたりで、5話におけるサーバルとかばんちゃんの役割がはっきりとしてきました。サーバルはビーバーの「心配性」など、相手の悩みや気持ちに寄り添って共感したり励ましたりするのが得意です。

かばんちゃんの方はというと、プレーリーに対する「崩さないように穴を掘る方法」のように、具体的な課題に対して解決策を提示するようなアドバイスを得意としています。すでに2人での旅をスタートしてから一定の期間が経過しているので、暗黙のうちにお互いの長所を理解して役割分担をしているといった感じでしょうか。

模型づくりはビーバーの心配を和らげるため

かばんちゃんがビーバーに対して行ったアドバイスは、「先に小さいの(模型)をつくる」というものです。ビーバーが作業に着手できていなかったのは、失敗を恐れる心が原因でした。模型づくりは本当の木材を使わないので、失敗しても構わない作業です。「まず模型を作ることで自分のイメージした家の構造と作業工程に間違いがないことを確かめればいい」と考えたのかもしれません。

模型をつくってから家づくりを始めるのには次のような利点があります。

  • 作業工程を実際に確認できる
  • 家の構造に問題がないか確認できる
  • 外部記憶装置として機能する

上2つの利点についてはすでに述べたので、最後の外部記憶装置としての役割をご紹介しましょう。外部記憶装置というと少し大げさですが、ようは「自分のイメージを形にして確かめられる」という意味です。フレンズたちはノートもなければパソコンもありません。「図面」を書くことはできないので、イメージをモノに記憶させるなら「模型」を作るのが最もいい方法だといえるでしょう。

かばんちゃんのこのアドバイスにはもう一つ利点があります。ビーバーは心配症な性格によって作業がうまくいくかというよりも、作業に着手すること自体に躊躇していました。つまり、単純に自信を失っていたのです。

自身を取り戻すには、何か行動を起こして何らかの成果を上げるしかありません。ビーバーの心配を和らげるための「カウンセリング」として、模型作りは有効な施策だったといえるでしょう。

模型作りについてひとつ難点を上げるとすれば、仮に模型が完成したところでそれがイコール家づくりの進展を意味しないということです。この言葉の意味は文章で解説するよりもビーバーの作業がどのように進展したか、次のシーンを見たほうがわかりやすいと思いますので、次回以降の解説で触れていくことにします。