けものフレンズ4話感想その16:地下迷宮の構造と非常口、溶岩の謎

諸注意

けものフレンズ4話感想その15:語られなかったツチノコの秘められた能力
前回記事: 【Bパート 赤外線で危険を回避するツチノコ】 遺跡の奥へと進むかばんちゃんたちの前に...

【Bパート 迷路の構造と塞がれた非常口】

セルリアンを避けるのに役だつピット器官を持ち、出口の方向がわかるツチノコの先導で、かばんちゃんたちは遺跡(地下迷宮)の出口を探します。

サーバル:それにしても広いね。なんのためにあるんだろう?

ツチノコ:くっ・・・それを調べてる!

(溶岩に塞がれた非常口を見つける)

サーバル:あれ?ここ、通れないの?

ツチノコ:たぶんここから出られたんだろうが、ここまで溶岩に塞がれているとダメだな。

サーバル:ようがん?

ツチノコ:くっ・・・図書館で聞け!

明らかになった地下迷宮の全容

今回考察するのは、ツチノコがピット器官について語った直後のシーンに当たります。ここでかなり画面が引いたアングルになり、地下迷宮の全容が初めて視聴者に示されることになりました。

地下迷宮というだけあって、全体は広く、木の板によって人工的な迷路が作られています。中には櫓にように高さがあり、上に登って周囲を見渡せるようになっている構造物もあります。迷路の周りは土、あるいは岩のようなもので覆われており、地下の一部を掘削して空間を作り、その後木材で人工的な迷路を作ったと考えられます。

天井と床、そして空間の外部と接する場所はレンガらしきもので覆われているのも確認できました。ツチノコとかばんちゃんたちはこのシーンで、一度迷路の端の方(外界との境目)あたりに行き、その後姿が見えなくなってから迷路の奥の方に再び姿を表します。

劇中では、迷路は一部破損している様子が見受けられます。おそらくツチノコは木の壁が壊れている部分を通って迷路の端に移動し、そのまま出口がある奥の方に進んでから再び壁の穴を通って出口付近まで移動したのではないでしょうか。つまり、壁が壊れているところを利用してショートカットしたのではないか、ということです。

ツチノコがサーバルに冷たい理由

次は、迷路を移動する間のサーバルとツチノコの会話を考察します。サーバルは遺跡について「一体何のためにある施設なのか?」と疑問を呈しました。サーバルは今まで「人工的な迷路=人を迷わせるための施設」など見たこともないはずなので当然の疑問だといえます。

しかし、ツチノコはいかにも面倒くさそうに「それを調べてる」と応えました。ピット器官について丁寧に説明していたのは大きな違いです。この差は一体どこから来るのでしょうか?

前回の考察の中で、「今までの2人の言動から、ツチノコの中でサーバルとかばんちゃんに対する信頼度の差が生じた」と説明しました。つまり、ツチノコの中でかばんちゃん=まあまあ頭が良くて話が通じそうなやつ、サーバル=うっかりもので頭も悪そうなやつというキャラクター像ができあがってしまっているのではないか、という意味です。

ツチノコにしてみれば「遺跡=はるか昔に作られたもの。作られた意図を含めて謎が多いもの」という当たり前のことも理解できないサーバルにイライラしていたのでしょう。

溶岩で塞がれた非常口と誘導灯の存在

臭いの方向がわかる「ヤコブソン器官」を持つツチノコのおかげで、3人はいともあっさり外へと続く出口までたどり着くことができました。しかし、その出口は周辺を黒い岩のようなもので塞がれ、通ることのできる隙間はなくなっていたのです。

出口を塞いでいる岩のようなものについて、ツチノコは「溶岩」だと断言しています。このことから「ツチノコは他の場所でも溶岩を見た経験がある」ということ、そして「そのものが溶岩だという知識をどこか得た」という2つの情報が得られました。

ツチノコがどこで溶岩の知識を得たのか、という点については、直後のセリフから「図書館」だと類推できます。ここでもやはり溶岩とは何か尋ねてくるサーバルに対して面倒くさそうに応えています。おそらくは「溶岩とは何か説明してもいいが、こいつに言っても理解できないだろう」と考えたのでしょう。

このツチノコが最初に見つけた出口には、ほかにも気になるポイントがあります。それは上の方に非常口を示すマークがついているという点です。このマークは正確には非常口の存在を示す誘導灯であり、こうした人型の絵文字のことは「ピクトグラム」といいます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%B8%B8%E5%8F%A3

Wikipediaによると、非常口の誘導灯(ピクトグラム)については以下のような記述があります。

日本では、非常口を示すピクトグラムは消防法施行規則に基づいた消防庁告示「誘導灯及び誘導標識の基準」で定められている[1]

ピクトグラムの周囲が緑地の標識と、白地の標識の2種類があり、緑地のものが「非常口そのもの」に設置される。白地のものは廊下・通路に設けられるもので、「非常口がある方向」を示しているにすぎないため、すぐ近くに出口があるとは限らない。

非常口を示す誘導灯のマークは、国によって違います。しかし、けものフレンズの4話で描かれたマークは日本で使われているマークと同じものです。従ってジャパリパークは日本の何処かにある可能性が高いといえます。(台湾のように、日本とよく似た非常口の誘導灯を示すマークを使っている国もあります。)

また、上述したように非常口の誘導灯は「非常口そのもの」を示す緑地のものと、「非常口がある方向」を示す白地のものの2種類があります。今回劇中で登場したものは緑地であり、「この場所が非常口である」と示しているといえるでしょう。

溶岩は一体どこからきたのか?

非常口については、最も大きいとも言える3つ目の謎があります。それは、「なぜ非常口が溶岩で塞がれていたのか?」という点です。溶岩は一般的に噴火口の周辺にしか存在しません。場合によっては火口から山の下方に流れ落ちたり、また過去に生じてその地下に堆積した溶岩が地殻変動などによって地表に姿を表すこともあるでしょう。

しかし、今回の溶岩は明らかに「人工物である迷路ができた後、そこを塞ぐように何処かから流れ込み固まった」としか見えないような描かれ方をされています。

現実世界にも、ダナキル砂漠のように「近くに火山がある砂漠」は存在します。しかし、少なくとも4話のこの時点まででこの周辺に火山がある描写はなく、一体どこからこの大漁の溶岩がやってきたのかは完全な謎です。

http://www.saiyu.co.jp/feature/danakil/

この溶岩の正体は、後のストーリーの中で判明します。詳しくは、そのときにまた考察することにしましょう。