けものフレンズ9話感想その3:かばんちゃん、サーバルと初めての雪

諸注意

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【Aパート 初めての雪にはしゃぐ2人】

雪上移動用のキャタピラーを取り付けたジャパリバスは、雪道をどんどん先に進んでいきます。

ラッキービースト:ゆきやまちほーは冷帯、寒帯の気候になるよ。樹木が見られるギリギリの温度だね。
寒いのに強い針葉樹林がほとんどだよ。このあたりは降水量もあるから、雪がたくさんあるね。

サーバル:私、雪って初めて!触ってみたい!

かばんちゃん:あっ、触ってみたいね!

ラッキービースト:わかった。(ジャパリバスを停車させる)

サーバル:(そばにある雪山まで駆けていく)うわぁーー!うう・・・冷たっ、わーっ!冷たい、冷たい!

かばんちゃん:不思議・・・。(雪を握って固めようとする)

サーバル:わーい!(雪を手のひらですくい、放り投げる)

かばんちゃん:キレイだね。

サーバル:おっ?あそこの白いのは何?(近く山から立ち上る蒸気に気がつく)

かばんちゃん:本当だね。

ラッキービースト(ボス):あれは源泉だね。あそこで出たお湯を麓の源泉まで引いてるんだよ。

かばんちゃん:おゆ?

サーバル:なにそれなにそれ!見てみたい!

ラッキービースト:ちょっと見ていこうか。

ゆきやまちほーの属する冷帯・寒帯の特徴

今回も前回に引き続き、ラッキービーストによるゆきやまちほーの解説がメインになります。まずはラッキービーストが語った「冷帯・寒帯」について確認してみましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%9C%E5%AF%92%E5%B8%AF

冷帯はまたの名を亜寒帯とも呼ばれ、次のような特徴があります。

樹林気候の中では、寒暖の差が最も大きい気候である。シベリア東部内陸部などでは夏は暑く冬になると氷雪気候並みもしくはそれ以下の寒さになるところがあり、世界的な年較差をなしている。
樹木の生育及び夏季の農業が可能なため冬季の寒さ対策により人間は居住可能。

ラッキービーストが語っているとおり、樹木が生育できる限界の温度の気候帯です。今回のストーリーの中で重要なことは、「寒暖の差が激しい」ということと「寒さ対策をすれば人間も居住可能」という点でしょう。特に後者はヒトの住んでいるところを探しているかばんちゃんにとっては重要な情報です。

続いて、寒帯の特徴を見てみましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%92%E5%B8%AF

寒帯は最暖月平均気温が0℃以上10℃未満のツンドラ気候(ET)と0℃未満の氷雪気候(EF)に分けられる。

ツンドラ気候帯ではコケなどの植物が生育可能であるが、氷雪気候帯では植物の生育は基本的に不可能である。
いずれにせよ農業にはまったく適しておらず、トナカイの遊牧、狩猟・海洋漁業(カナダ原産のラブラドール・レトリバーはラブラドール半島北部で魚網の牽引や脱落魚の回収を業としていた)と鉱業のみに適する。鉱物資源としてはグリーンランドの金やモリブデン、スウェーデンの鉄、アラスカの石油などが挙げられる。

今回のゆきやまちほーにツンドラ気候と寒帯気候のどちらか、あるいは両方が含まれているのかはわかりません。しかし、どちらにしてもかばんちゃんやサーバルにとっては暮らすことはほぼ不可能な気候帯だと言っていいでしょう。

なぜなら、フレンズたちはジャパリまんしか食べないため狩猟は行いませんし、鉱業を営むことができるような設備もジャパリパーク内には存在しません。仮に狩猟や鉱業といった活動ができたとしても人間社会のように商業の発達していないジャパリパークではそれで生活していくことはやはり不可能だと考えられます。

実はサーバルは雪を恐れていた?

気候帯から雪に話が及んだところで、かばんちゃんとサーバルが「雪を触ってみたい」と発言しました。かばんちゃんとサーバルが雪を見るのも初めての経験ですから、興味をもつのも自然だと言えるでしょう。

このとき、雪に触るときのサーバルのリアクションは極めて細かく描写されています。ジャパリバスが停車すると、そばに止めてある雪山に駆け寄り、まず手の先でそっと雪に触れようとしました。

このとき疑問なのは、なぜ地面にはたくさん雪が積もっているのにそれを触らず、わざわざそばの雪山まで走っていったのかという点です。思い返してみると、ジャパリバスに雪道用のキャタピラーをつけたときも状況から考えてサーバルとかばんちゃんが手伝ったと思われますが、そのときも周囲に雪はたくさん積もっていたはずです。それなのにサーバルはそうした雪を触ろうとはせず、わざわざ雪山まで走っていったのはなぜでしょうか?

考えられるのは、「サーバルは本当は雪を恐れていた」ということです。ゆきやまちほーに入ってから、周囲にたくさんある雪に興味を持ってはいたものの、同時に未知のものに対する恐怖心が内面に存在していたため、自分から率先して触るのを躊躇していたのではないか、と考えられます。

しかし、恐怖心と同時に興味もあったため、ラッキービーストの言葉をきっかけに「かばんちゃんと一緒に触ってみよう」と考えたのではないでしょうか。わざわざ雪山に積もっているものを触ろうとしたのも、「雪を触る」ということに対してある程度身構えていたために、立って集中した状態で触りたかったと考えると合点がいきます。

実際、サーバルは雪を触るとき、慎重に手を伸ばし、手が雪に触れた瞬間、「冷たっ」と警戒するような声をあげました。その後すぐにいつものテンションに戻り、無邪気に「つめたーい!」と言っていますが、これは隣りにいるかばんちゃんが不安を覚えないようにするための気づかいではなかったでしょうか。

一方、かばんちゃんの方はと言うと、初めて見る雪に対する警戒心はあまりありません。雪に対しても、サーバルは冷たさに注目していたのに対して、「手で握ると固まる」という特性に注目している点が印象的です。その後、サーバルが手のひらですくって空中に放り投げた雪を見て、中を舞う雪の美しさにも言及しています。

源泉を見に行ったことが思わぬ悲劇の原因に・・・

ここで、サーバルが近くの山から立ち上る水蒸気に気が付きました。3人の中で最も視力に優れているサーバルが気がついたのは自然な成り行きだといえます。ラッキービーストの説明により、それは「麓の温泉で使われているお湯の源泉」であることが判明しました。

3人は折角の機会なので、源泉を見に行くことになりますが、これが思わぬ展開につながってしまいます。ついにゆきやまちほーの厳しい自然が3人に牙をむくことになるのです。