前回記事:アニメ感想「けものフレンズの謎」まとめ:2話「じゃんぐるちほー」
【冒頭部分 ジャパリカフェを目指し、こうざんへ向かうかばんちゃんとサーバル】
2話でジャパリバスの運転席と座席を連結させることに成功した、かばんちゃんとサーバル。手伝ってくれたコツメカワウソ、ジャガーが見守る中、早速バスに乗ろうとしますが、電池がなくなっていることにラッキービースト(ボス)が気が付きます。ラッキービーストによれば「こうざん」の山頂にあるジャパリバスで充電できるとのことですが、2人の前にはほぼ垂直に断崖絶壁がそびえ立っています。
2話の時点とアングルが変わっているものの、「そびえ立つ崖」と「心配そうなかばんちゃん」、「なぜかやる気に満ち溢れた表情のサーバル」が映し出されます。「山頂に向かうのにぴったりのコースがある」というラッキービーストに従い、かばんちゃんとサーバルは鉱山に向かうことになります。
なぜコツメカワウソとジャガーはこうざんへついてこなかったのか?
ここで、ジャガーとコツメカワウソは「バスの元で留守番」を申し出ます。確かに大切な役目ではありますが、これまで一行を助けてくれていた2人が急についてこなくなったのはなぜでしょうか?次のような理由が考えられます。
- その場を離れたくない理由があった
- 手助けが必要になるほどの問題が起きると思わなかった
「その場を離れたくなかった理由」としては、コツメカワウソとジャガーそれぞれが別の理由を抱えていると考えられます。まず、コツメカワウソは最初かばんちゃん・サーバルと出会ったとき、軽く挨拶をしたらすぐに再び遊び始めようとしました。その後も2人についてきたのは、「ジャガーのいかだに乗る」、「ジャパリバスをドッキングさせる」、「橋を架ける」といった自身の興味、関心があることを行っていたからです。
バスで遊びたいから残ったコツメカワウソ
過去の考察で述べたように、コツメカワウソは「道具を使って遊ぶのが好きなフレンズ」です。彼女にとっては、いかだで川に乗ることとも、ジャパリバスを運ぶことも、橋を架けることも、すべて遊びの延長に過ぎません。「電池を充電する」というのは、彼女にとって「道具を使って遊ぶこと」とはみなされないので、単純に興味が惹かれなかったのでしょう。
それよりもむしろ今完成したばかりのジャパリバスに興味があったのだと思います。2話でジャパリバスの「上に乗りたい」と発言していましたし、かばんちゃん、サーバルを見送るときに「遊んどくね」と発言しているからです。
バスの見張りを買って出たジャガー
では、ジャガーが「その場を離れたくなかった理由」はなんでしょうか?ジャガーは「頼まれたら断れない、姉御肌な性格のフレンズ」として描かれています。ですから、「2人がこうざんに行くのなら、誰かがバスを見守らなければいけない」と考え、あえて気を使って残ることを申し出てくれたのだと考えられます。
私はこれらフレンズたちの個人的な理由に加えて、「手助けが必要になるほどの問題が起きると思わなかった」というもうひとつの理由があると思います。ラッキービーストは、じゃんぐるちほーに入るときと同様、頂上までのルートを知っている素振りを見せます。その時点で、もし困難が予想されるのなら、事前にかばんちゃんに伝えていたでしょう。
コツメカワウソもジャガーも、そうした事情を考慮していたとは思いませんが、かばんちゃんもサーバルも特にこれといった素振りを見せることなく、「ちょっと行ってくる」というようなテンションで出発しようとしたため、「すぐ戻ってくるだろう」と気軽に考えたのかもしれません。
ロープウェイが見つからずラッキービーストはフリーズ
ラッキービーストの案内により、かばんちゃんとサーバルはロープウェイの乗り場にたどり着きます。ロープウェイに乗ろうと試みますが、辺りにはロープウェイは見当たらず、ラッキービーストはフリーズしてしまいます。おそらく、ジャングルで地形が変わっていたときや、バスの運転席がなかったときと同様「本来そこにあるべきはずのもの」がないと自動的に検索を開始するよう設定されているのでしょう。そして、いくら検索しても見つからない場合、フリーズしてしまうのだと思われます。
ただし、その後しばらくするとまたしゃべりだしていることから、しばらくすると自動的に機能が復旧するものと思われます。元からそういう風に作られているのか、もしくは一行についてきているラッキービーストが故障しているためにこうした現象が起きているのかはわかりません。
ロープから落下しても傷一つないサーバル
ラッキービーストが動かなくなってしまったため、サーバルとかばんちゃんは頂上に行く方法を自力で考えなくてはならなくなりました。
ここでサーバルは、ロープーウェイのロープに注目します。綱渡りの要領で綱の上を歩き、頂上まで行こうというのです。ロープーウェイ乗り場の地面からロープまでは、ざっと映像で確認したところ3mくらいはあろうかという高さがありますが、なんとこの高さをサーバルは垂直跳びで跳躍し、ロープの上に乗っかってしまいます。
これまでも繰り返し描かれたサーバルのジャンプ力ですが、ここでも他のフレンズやヒトを遥かに上回る身体能力があることが確かめられました。しかし、この方法はすぐに頓挫します。2~3m程度綱渡りをしたところで、バランスを失ったサーバルはロープの上から転落してしまいました。
この場面は、少しヒヤッとするシーンです。サーバルが落下した地点は、すでにロープウェイ乗り場から離れていたため、地面までの距離は3m以上、5m近くはあったはずです。しかし、その後怪我ひとつせず戻ってきていることから、サーバルはやはりジャンプ力以外の身体能力もヒトを遥かに上回っていることがわかります。
落下後のシーンでサーバルをよく見ると、葉っぱが付着しているので草や木がクッションになった可能性もありますが、それでも普通の人間なら大怪我は免れなかったでしょう。
ネコ科の高い身体能力
たとえば、イエネコなども身長の何倍もあるような高さまで平気で登りますし、カーテンレールのように細い足場も苦にしません。もし落下したとしても上手に着地するものです。こうしたことから考えると、ネコ科のサーバルの高い身体能力にもうなずけることでしょう。
ラッキービーストを頼れなくなり、どうやって山を登るか頭を悩ませている2人の前に、新たなフレンズ「トキ」が現れます。トキに関する考察は次の記事で行うことにしましょう。