前回記事:【3話 その4】アニメ感想「けものフレンズの謎」:フレンズとしてのトキの特徴
【Aパート ラッキービーストによるトキ解説後編】
トキ:あなた、私のこと詳しいのね。
かばんちゃん:あっ、これ僕じゃなくてラッキーさんが・・・。
トキ:もしかして、私のファン?
かばんちゃん:えっ、ファン?あっ、はい。素敵だと思います!
トキ:うふっ・・・。大事な私のファン、落とさないようにしなくっちゃね。
かばんちゃん:はい、ありがとうございます!
前回の記事で紹介しましたが、再起動したラッキービーストが行ったトキの解説を、トキは「かばんちゃんが話した」と勘違いしてしまいます。このことがちょっとした波乱を招くのですが・・・。
トキがラッキービーストの声をかばんちゃんと聞き間違えた理由
トキがラッキービーストの声をかばんちゃんの声と間違えた理由は明らかです。前回の考察によればラッキービーストが再起動したのは空を飛んでいる最中のはずなので、それまでトキはラッキービーストの声を聞く機会がありません。サーバルとかばんちゃんの会話から「普段喋らないはずのラッキービーストが話す」とは聞いていたはずですが、実際に喋る場面を見ていなかったわけですから、自分が抱えているかばんちゃんが話したと考えるのは自然なことです。
しかし、このシーンはあえて深読みすることもできます。ラッキービーストのCVは、EDでもクエスチョンマークで表記されており、誰か明らかにされていません。最終話に当たる12話で、ようやく誰か判明します。詳細な解説は後々改めて行うとして結論だけを述べますが、ラッキービーストのCVとかばんちゃんの声は、同じ声優である内田彩さんが演じています。従って、「同じ声だから聞き間違えた」と解釈することもできるのです。
トキはなぜ歌うのか?
「かばんちゃんが自分=トキのことに詳しい」と勘違いしたトキは、「ひょってして私のファン?」とかばんちゃんに尋ねます。それに対するかばんちゃんの返事は「えっ、ファン?あっ、はい。素敵だと思います」というものでした。
このシーンは、けものフレンズで「ファン」という単語が初めて登場したシーンのはずですが、「トラブルメーカー」などに代表されるように、劇中では重要でない単語はたとえ未知のものであっても「意味が通じているもの」として扱われています。そうでないと、そもそもフレンズ同士で会話が成立するわけがありません。従って、かばんちゃんは次のようなことを考えて返事したと考えられます。
えっ、ファン?(ラッキーさんの言ったことは別として、僕はトキさんのファンなんだろうか?)
あっ、はい。(そう言われれば、トキさんの歌う姿は好きだからファンと言えばファンだな)
素敵だと思います。(羽をふさふささせながら歌う姿が)
かばんちゃんが自分のファンだとわかると、トキは明らかに機嫌が良くなります。この時点では、トキのキャラクター像はまだ完全に明らかになっているわけではありません。現時点でわかっているのは「動物からフレンズになってまだ間もなく、体の変化に戸惑っている」というキャラクター性です。
今回の会話での反応から、それに加えて「自分のファンを増やすことが、歌う目的のひとつである」という仮説が成り立ちます。トキが「なぜ歌うのか?」という点については、現時点では未だ明らかになっていません。歌詞の中で「仲間を探している」と言っているので、「歌声で仲間を呼び寄せようとしてる」可能性があります。しかし、それなら明らかに異種族であるかばんちゃんやサーバルに歌を聞かせる理由がありません。
最初に、ロープウェイ乗り場で歌を聞かせたときは、しきりに歌の感想を求め、「誰かに聴いてもらえるといい」と述べていました。このことからも「自分の歌を喜んで聞いてくれるファンを増やしたい」というのが歌を歌う大きな理由になっているのは間違いないでしょう。
自分のファンができたことに喜ぶトキですが、ラッキービーストのさらなる発言がきっかけでちょっとした騒動が起きてしまいます。そのシーンの考察は次の記事で行いたいと思います。