【Bパート 合戦の終わり】
ライオンとヘラジカの一騎打ちは、引き分けという意外な形で終わりました。しかし、まだへいげんでは部下同士の戦いが続いています。ライオンとヘラジカ、かばんちゃんは戦いを終わらせるため部下たちの元へと向かいますが・・・。
(仲良く並んで歩くライオンとヘラジカを見て、あっけにとられる部下たち)
ライオン&ヘラジカ:ハハハハハハッ!
ヘラジカ:それにしてもライオンの試合中の顔よ!
ライオン:そっちこそ!串刺しにされるのかと思った!ハハハッ!
ヘラジカ:皆、ご苦労だったな。今日の合戦は終わりだ。勝負は惜しくも引き分けだったが、私もようやくライオンと一試合できて、とても満足だ。
ライオン:こちらも、今日は楽しかったよ~!そうだ!引き分けだから私たちも城から出るよ。またやろう!
ヘラジカ:私は戦えれば、城なんかどうでも・・・。これならけが人も出ないしな。これ、誰が考えたんだ?
ライオン:さぁ~誰だったかなぁ?(かばんちゃんの方を見る)今度は、どんなルールがいい?そこの君!
かばんちゃん:うぇ?・・・そうですね。手を使わずに、これ(風船)を足で蹴って遊ぶ、とか。
(盛り上がるライオンとヘラジカの部下たち)
部下たちへの結果報告
笑いながら2人で自分たちの元へ歩いてくるライオンとヘラジカを見て、部下たちは唖然とした表情を浮かべています。51回も戦い続けてきた敵同士のリーダーが突然和解したのですから、これは当然だといえるでしょう。
このとき、部下たちの様子を見ると、サーバルをサポートしていたアフリカタテガミヤマアラシも戦闘に参加しているため、すでにヘラジカになりすましていたサーバルの変装は見抜かれた後だったと考えられます。
さらに、ここで画面に写っているフレンズたち(オオアルマジロ、オーロックス、アラビアオリックス、アフリカタテガミヤマアラシ、シロサイ)は全員風船が残っています。少なくとも彼らはまだ生き残っていることになるので、仮にライオンとヘラジカの決着がもう少し長引いたとしても問題はなかったでしょう。
ヘラジカが満足し、合戦が終わる目処が立ったが・・・
今回の合戦の結果が引き分けであったことは、ヘラジカとライオンの口から一同に語られるわけですが、このときヘラジカは「満足だ」と述べています。そもそも合戦が51回も繰り返されたのは、「ヘラジカがライオンと戦いたかったから」というのが理由でした。戦いを始めたヘラジカ本人が「満足」と語っているのですから、これで本当に合戦が終わる目処が付いたわけです。
ここでライオンは、自分たちが城から出ることを提案します。同時に「またやろう」と提案していますが、これはかばんちゃんが考えたルールならけが人の心配がないこと、ヘラジカとの戦いがライオンにとっても楽しいものだったことなどが理由でしょう。
ライオンも初めて「戦いを楽しめた」
ライオンは当初、「合戦をやめたい」と語っていました。これは、ヘラジカとの戦いが彼らにとって「自衛戦争(相手から仕掛けられた戦い)」であって、しかもけが人の出るおそれがある危険があったからです。
ライオンは51回も戦いながら、今回がヘラジカとの初手合であったことからもわかる通り、これまで戦闘に参加することはなかったのでしょう。
それは彼女が「そういうタイプじゃない(戦いが好きじゃない)」ということを示していますが、同時に「戦ったことがないから、戦いの楽しさを知らない」という意味でもあります。今回、初めてヘラジカと戦ったことで、ライオンもヘラジカ同様、戦いの楽しさを知りました。それが「またやろう」というセリフにつながっていると思います。
「楽しむための合戦」の始まり
この言葉を受けたヘラジカは、「城などどうでもいい」と応えていますが、合戦を続けること自体は了解しています。もしかしたら、ライオンは当初「ヘラジカは自分から城を取りたくて合戦を仕掛けているのだろう」と考えていて城から出ていくと提案したのかもしれません。
「これからは楽しむために合戦を続けていく」と、両軍の間で合意が成立しました。それを受けて、ライオンは合戦の更なる新しいルールをかばんちゃんに相談します。ヘラジカにははぐらかしていますが、「かばんちゃんがこの結末の立役者であること」、「今回の合戦のルールの提案者であること」を前提とした発言です。
かばんちゃんが考えたのは、「風船を手を使わずに足で蹴って遊ぶ」という、まるでサッカーのようなルールでした。具体的にどのような合戦になるのかは、また後のストーリーの中で描かれます。
2つの群れ全員が歓迎した結末
新ルールの提案を受け、ライオンとヘラジカ、両方の部下たちも大いに盛り上がります。先ほどまで激しい戦いを続けていた両軍ですが、気持ちはすっかり新しいルールで行われる合戦の方に向いているようです。
ライオンがかばんちゃんに新しいルールはどのようなものがいいか尋ねたとき、同じ画面にオーロックスが映っていますが、今まで劇中で描かれたのとは違う穏やかな表情を見せています。オーロックスにかぎらず、部下たちのすべてが今回の結末を肯定的に受け止めているのは、その後の大盛り上がりからも確認できるところです。
「引き分け」という今回の結末や「これからも合戦を続けていく」という決定自体に不満を持つものは誰もいませんでした。なぜ彼女たちは全会一致でこのような結論を受け入れたのでしょうか?
これからの合戦のあり方
ここで、それぞれの群れの大将と、その部下たちが合戦を続けてきた理由を再度確認しておきましょう。6話で登場するフレンズたちが合戦に取り組んできた理由とスタンスは以下のとおりです。
ライオン:ヘラジカが仕掛けてくるから、仕方なく戦っている。本来は戦いは好きじゃないし、けが人が出るのが心配で早くやめたい。
ライオンの部下:ヘラジカが自分たちの大将を狙っているため、自衛のために戦っている。「大将を守る正義の戦い」なので戦意は旺盛だが、過剰防衛をするつもりはない。
ヘラジカ:ライオンと本気の戦いがしたくて合戦を始めた。強い相手と戦うのが楽しい。戦意は旺盛。
ヘラジカの部下:自分たちの大将が「やるぞ」と言っているので戦っている。「リーダーを助ける戦い」なので戦意は旺盛。
このように見ると、全員それぞれ目的は違うものの、ライオン以外は基本的に戦意は旺盛だったということが確認できます。そのライオンが今回戦う楽しさを覚え、かつ危惧していたけが人の発生もルール変更のお陰で心配しなくていい、ということになれば、合戦を続けることが全会一致で決まったのも何もおかしいことではありません。
ただし、「ライオンと戦う」というヘラジカの目的が達成された以上は、これから先の戦いの目的は大きく変化することになります。これからのへいげんの合戦は「戦いそのものを楽しむため」に行われることになるでしょう。今回のフレンズ立ち全員の合意は「これからも『楽しむために』合戦を続けていこう!」という合意でもあるのです。