近年はブログやTwitterなどで、個人も簡単に情報発信できる時代です。そういった背景もあり、多くの人が「上手に文章を書きたい」という想いを持っていると思います。しかし、文章力をあげるのは簡単ではありません。そこで今回は、実際にプロのライターが行っている文章の書き方の中から、特にテクニックをひとつご紹介しましょう。
表現力がなくても、上手な文章は書ける
私はプロのライターですが、他の人と比べてさほど文章が上手だとは思っていません。私が考える「文章が上手な人」とは、おそらく小説や作家のような、オリジナリティの高い表現や語彙を使いこなせる人のことでしょう。私の書く文章は基本的にはワンパターンですし、独自色の強い表現もほとんどありません。世の中の大半の人も私と同様、文章に特別な表現力は持っていないと思います。
文章の表現力をあげるのは簡単ではありません。先天的に優れた表現力を持つ人もいれば、長い間文章を書き続けて表現力を磨いた人もいるでしょう。しかし、今現在特別な文章表現力を持っていなくても、上手な文章を書くことは可能です。
ブログなどに求められる「最低限の表現力」とは?
文章に高い表現力が求められるのは、小説など、書き手のの個性を強く表現する必要がある創作物をつくるときだけです。逆にいえば、ブログやTwitterなどで「自分が思ったことや伝えたいことを正確に伝えたい場合」には、高い表現力は必要ありません。必要最低限の表現力さえあれば言いたいことは伝わります。あとはその自分の得意な、シンプルな表現を場合に合わせて使い分けていけばいいのです。
そのように考えると、ブログやSNSで必要とされる「最低限の表現力」とはどのようなものかわかってきます。文章の形が基本的にはワンパターンになるわけですから、そのワンパターンの文章を「ワンパターンだと思わせない」ようなテクニックがあればいい、ということになります。今回はそのために私がよく使っているテクニックをご紹介しましょう。
文章にリズムを付けるテクニック「語尾を1文ごとに変える」
まずは、次の例文をみてください。
例文1
今日、前々から気になっていた喫茶店に行きました。コーヒーとケーキのセットを頼みました。味は美味しかったのですが、ティータイムの時間帯だったので店内が混んでいてゆっくりできませんでした。「今度は空いている時間に行って、ゆっくり過ごそう」と思いました。
いかがでしょうか?「小学生が書いたような文章だな」という印象を持たれたのではないか、と思います。上の例文のよくないところは「同じ語尾を繰り返している」というところです。同じ語尾を連続して使うと文にリズムが生まれにくく、ワンパターンな印象を与えてしまいます。では、例文1の語尾を変えることを意図して書き直した、例文2を見てみましょう。
例文2
今日、前々から気になっていた喫茶店に行きました。入店して、コーヒーとケーキのセットを注文。存分に味を堪能しました。ところが、私が入店したのはちょうどティータイムの時間帯だったんです。店内はほかのお客さんでぎっしり。おかげでゆっくり過ごすことはできませんでした。今度は空いている時間に行って、ゆっくり過ごすことにします。
いかがでしょうか?まだ色々おかしいところはありますが、前の文章よりはだいぶ魅力的になったと思います。
このように、同じ語尾を続けないようにするだけで、文章にリズムが生まれ単調な印象がなくなります。このテクニックは、誰にでも簡単に使えるので、文章の書き方に悩んでいる方はぜひ試してみてください。