一般的によく用いられるオウンドメディア戦略の例

現在、Webマーケティングで注目を集めているのが、オウンドメディアを活用した戦略です。どのようにオウンドメディアを使うかは、マーケティングの目的・企業が置かれた状況などによって異なるため一概には言えません。しかし、「他社がどんな戦略でマーケティングをしているのか知りたい」、「オウンドメディアの典型的な使い方を知りたい」という方も多いと思います。

そうした方々のために、「一般的に良くあるオウンドメディア戦略の例」をご紹介しましょう。

第一段階:業界を盛り上げ、人々の注目を集める

オウンドメディアをマーケティングに使うためには、まずオウンドメディアを立ち上げなければいけません。この「メディアをゼロから立ち上げる段階」が、一般的なオウンドメディア戦略の第一段階です。

第一段階の目的は、できるだけ多くの人にメディアを見てもらうこと。そのためには、自社の製品やサービスを積極的にPRするよりも、自社が属する業界全体を盛り上げるために情報提供を行うという姿勢のほうがいいでしょう。たとえば、健康食品を販売している企業がオウンドメディアを立ち上げるなら、「健康に関するお役立ち情報を提供するサイト」というような形でメディアを作るのが有効です。最初から自社商品を積極的にPRしても、すぐに買いたいと思ってくれる人は少ないでしょう。しかし、「健康に興味がある人」の数は多いはずなので、そこをターゲットにしたほうが、集客数を増やせるはずです。

立ち上げがうまくいかず、アクセスを集められずに挫折してしまう企業も少なくありません。なにしろ新規にメディアを立ち上げるわけですから、最初は閲覧者がゼロの状態からのスタートです。最初はとにかくコンテンツをたくさん公開し、目立つことが大事です。検索流入が増えにくい時期なので、PPC広告を併用してアクセスを増やすのもいいでしょう。

第二段階:オウンドメディアで集めた見込み客にマーケティングを行う

第一段階が成功していれば、オウンドメディアに一定のアクセスが生じているはずです。そうなったら次は第二段階へ移行しましょう。この時点でメディアにアクセスしてくる人は、いわば「見込み客」となります。たとえば先ほどの「健康お役立ち情報サイト」の場合であれば、「健康に関心が強い人」がアクセスしてきていることでしょう。この人たちの中から「自社の商品・サービスに興味を持ってくれる人」を峻別するのが、第二段階の目的です。

具体的な手段としては、メディア内にバナーを設置し、そこから売りたい商品を紹介するランディングページに飛ばす仕組みを作る、といった方法が考えられます。見込み客がどの程度バナーをクリックしてくれるかは、公開してみるまでわかりません。記事の内容やバナーのキャッチコピー、画像などが見込み客に受け入れられるかどうかが鍵を握ります。

第三段階:オウンドメディアを資産として活用する

オウンドメディアを用いてマーケティングができたわけですから、一応第二段階でオウンドメディアを用いたマーケティング戦略の目的は達成できます。しかし、せっかくオウンドメディアという「資産」ができたのに、それだけで終わらせてしまうのはもったいないことです。第三段階では、オウンドメディアをほかの方法でも活用していきましょう。

たとえば、メディア来訪者のデータ(年齢・性別・地域など)をアンケートなどの手段によって取得し、新商品開発に活かすこともできます。また、オウンドメディアに広告枠を設置し、有料で他社に提供するといった新規事業を始めることも可能です。このように、オウンドメディアの活用法は非常に多岐にわたります。第三段階まで進んで初めて、オウンドメディアの真価を発揮できるといっても過言ではありません。

今回ご紹介した「一般的なオウンドメディア戦略」を振り返ってみましょう。

  • 第一段階:業界を盛り上げ、人々の注目を集める
  • 第二段階:オウンドメディアで集めた見込み客にマーケティングを行う
  • 第三段階:オウンドメディアを資産として活用する

これらはすべて、オウンドメディア戦略の基本とも言える形です。ぜひ覚えておきましょう。