コンテンツマーケティングとは、「コンテンツ」を用いて集客を行うマーケティング手法のことです。デジタルマーケティングの業界では一般的な手法として定着しており、さまざまな企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいます。具体的にどのようなものかご紹介しましょう。
コンテンツマーケティングが求められるようになった背景
インターネットが発達すると、ネットを通じた集客=デジタルマーケティングが行われるようになりました。たとえば、次のようなマーケティングが盛んに行われています。
- ニュースサイトにバナー広告を貼る
- 検索エンジンで、特定のキーワードで検索したときに表示される広告を貼る
- 自社サービスの利用者に向けて、別の商品をセールスするメールを送る
今や、Web上でページを閲覧していると広告を見ない日はありません。また、何らかのサイトの会員になると、必ず商品やサービスを紹介するニュースレターが送られてきます。
しかし、こうした光景が当たり前になったことで、消費者はこれらの広告を無視するようになりました。Webブラウザには広告を非表示にするプラグインを入れ、ニュースレターは受信しない設定にする。それが当たり前になったのです。企業からしてみれば、今までのデジタルマーケティングのやり方が通じなくなってしまったということです。コンテンツマーケティングは、このような背景を受けて誕生しました。
コンテンツを使って集客する
コンテンツマーケティングでは、広告を直接人々に見せようとするのではなく、コンテンツを使ってまず見込み客を集めます。コンテンツとは、直訳すると「中身」のこと。たとえば、以下のようなものがコンテンツに相当します。
- 有名なキャラクターやブランドなど
- 記事などの読み物
- 動画・画像など
ディズニーランドがほかのテーマパークと異なるのは、そこを訪れる人はミッキーマウスやミニーマウスに会いたくてわざわざ足を運んでいる、という点です。つまりディズニーは、アトラクションそのものではなくディズニーキャラクターの「世界観」というコンテンツによって集客を行っているといえます。このように「売りたいもの、アピールしたいものを直接宣伝しようとするのではなく、見込み客が実際に魅力を感じるもの=コンテンツを使って集客する」のがコンテンツマーケティングの特徴です。
コンテンツマーケティングの基本は「メディアを使った集客」
デジタル上のコンテンツマーケティングの例としては、次のようなものがあります。
- 「健康商品」を売るために「健康情報メディア」を運営して集客する
- 「注文住宅」を売るために「住宅情報メディア」を運営して集客する
- 「有料広告枠」を売るために「動画共有サイト」を運営して集客する
このように、何らかのメディアを運営して集客するのがコンテンツマーケティングの基本的なやり方です。もちろん、他の方法もありますが、多くの企業はメディアを使った集客を行っています。
たとえば「健康情報メディア」に集まってきた人は、健康に関するコンテンツに興味がある人である可能性が高いといえます。つまり、健康に関心が強いわけですから、健康商品に興味を持ってくれる可能性も高い、といえるわけです。このように、コンテンツと同じジャンルの商品・サービスを紹介することで、商品購入の可能性を高められるのがコンテンツマーケティングのメリットです。
「セールスされている感」を与えない
コンテンツマーケティングのいいところは「セールスされている感」がない、という点でしょう。多くの人が訪問販売を嫌がるのは、「セールスされている感」が強いからだといえます。玄関の前で営業マンが盛んに自社商品の売り込みをしていたら「早く帰ってくれ」と誰もが思うでしょう。
ところが、コンテンツマーケティングはそうではありません。たとえば「住宅情報メディア」を見に来た人は「自分たちは住宅メーカーに見込み客として集客されている」という印象は持たないはずです。単に「ネットで検索していたら、に目当ての記事があったから見に来た」と自覚しているでしょう。そのため訪問販売の営業マンに抱くような悪印象を、見込み客に与えずに済むのです。
このように、コンテンツマーケティングはデジタルマーケティング業界の変化から生まれ、今までのデジタルマーケティングにはなかったメリットが注目されて定着しています。現在は動画など、新しいコンテンツのジャンルも登場しているので、今後ますます発展が期待される分野です。