オウンドメディアの成功パターンその2「ブランド訴求型」

オウンドメディアには、いくつかの成功パターンがあります。今回は代表的なオウンドメディアの成功パターンのひとつである「ブランド訴求型」についてご紹介したいと思います。

ブランド訴求型オウンドメディアの特長と事例

ブランド訴求型オウンドメディアの事例を見ながら、どのようなものか解説していきましょう

コカ・コーラ ジャーニー

皆さんご存知の、コカ・コーラ社が運営するウェブマガジンです。主にコカコーラのブランド価値を高めるのを目的に運営されており、「コカコーラとアート」、「コカコーラと合う食事」などさまざまな題材を取り上げてコカコーラ社製品の魅力をPRしています。「自社商品のPRのためだけにウェブマガジンをひとつ運営している」ってすごいことですよね!

ブランド訴求型オウンドメディアのメリット

なんといっても、企業が保有しているブランドの価値が高まることです。コカコーラやミッキーマウス、マリオなどのように「誰でも知っているキャラクター、ブランド」をPRすれば多くの人が興味を持ってみてくれる可能性が高くなります。さらにブランドの価値を深掘りし、ブランドの歴史やほかのメディアとのタイアップ、「料理・アート・健康・イベント」など、異なるジャンルのものと組み合わせてさまざまな場所でブランド価値の浸透を狙っていきます。

ブランドを横方向に広げていくだけでなく、「価値を高めていく」ことが、ひいては商品の売上げアップや企業認知度の向上につながる、という考え方です。

元々「認知度の高いブランド」と相性がいい

自社にすでに多くの人からよく知られているブランドがあるのなら、それを利用してすぐにブランド訴求型オウンドメディアを立ち上げることもできます。たとえば、業界シェアトップの企業であれば「業界シェアトップの企業のA社が◯◯に挑戦してみた」といった形でコンテンツを作ればいいわけです。すでにブランドを認知している人であれば「A社がなにか変わったことをしてるな、見てみよう」というふうにコンテンツを見てくれるでしょう。

ブランドを持っていない場合にはできない手法

ここまでの話でおわかりかもしれませんが、ブランド訴求型オウンドメディアは「すでに多くの人から認知されたブランドがあること」を前提に成り立っています。ですから、社会から一般的に認知されていない、知名度の低い企業にはできません。

ブランド訴求型オウンドメディアができるか、できないかは、「自社の名前を出したとき、どれだけの人が興味を持ってくれるか?」を基準に考えましょう。たとえば、仕事の知り合いに「ウチの会社がこういうイベントをやるんですが、来てみませんか?」、「ウチの社長の◯◯が、こんな話をするんですが聞きに来ませんか?」と誘うシーンを想像してみて下さい。果たして、どれだけの人が来てくれそうなイメージが浮かんだでしょうか?

「あの会社が何かやるなら行ってみよう」

「あの社長の話なら聞いてみたい」

そんなふうに思わせるものが、イコール、ブランドの価値なのです。もし自社のブランド価値が低い場合は、別の成功パターンを目指すほうがいいと思います。

最後に、ブランド訴求型マーケティングを成功させる秘訣を振り返っておきましょう。

  • すでに大勢に認知されたブランドが存在している
  • そのブランドをテーマにしたメディアを立ち上げる
  • コンテンツは「ブランド × 多くの人が興味を持ちそうな、別ジャンルのもの(美容・健康・料理・育児など)を組み合わせてつくる

多くの企業にとって、ブランド訴求型オウンドメディアはハードルの高いものかもしれません。しかし、「ブランド価値を高める」ということはマーケティングの究極的な課題でもあります。

「自社の名前を出すだけで人が集まってくれる」

そんな理想的な状態を作り出すために、不可欠な手法でもあるのです。