【Bパート セルリアンからの逃亡】
地下迷宮の中で出口を探すかばんちゃんたちですが、ツチノコが見つけた出口は溶岩に塞がれていたため別の出口を探すことになりました。その途中、何かに気づいたツチノコが足を止めます。
サーバル:ん?
ツチノコ:いるな・・・。
(かばんちゃんも迷路の壁の反対側にいるセルリアンに気づく)
かばんちゃん:うわっ!
ツチノコ:あまり近づくな・・・。数、いるぞ。
サーバル:ヘーキヘーキ、壁の向こうだし。それに私のツメでやっつけちゃうよ。
(セルリアン、壁の隙間から透過してくる)
かばんちゃん&ツチノコ:うわあああ!うしろうしろ!
サーバル:・・・ういやぁぁぁぁ!
3人:ギャーーーー!!!
(走ってセルリアンから逃げ出す3人)
ツチノコ:なにやってやがんだ!お前は!
サーバル:ごめんごめんごめん!・・・どうしようかばんちゃん!
かばんちゃん:うええええ!!
ツチノコ:・・・橋の右端を歩け!右!
サーバル:えっ?
かばんちゃん:はい!
(石橋がかかっていて、その先が行き止まりになっている空間に出る。3人は橋の右側を通って反対側へ。)
サーバル:ええっ!行き止まりだよ!
サーバル:うわーっ!きたきたきたきた!
かばんちゃん:うわあああ!
(合計6体のセルリアンが橋の上に乗ると、橋が崩落してセルリアンは皆したに落下する)
サーバル&かばんちゃん:うわあ・・・。
かばんちゃん:落ちてたら・・・落ちてたら今頃・・・。
今回取り上げるのは、比較的長いアクションシーンです。大きく分けて「サーバルの不注意からセルリアンに襲われるシーン」、「走りながらセルリアンを何とかする方法を考えるシーン」、「橋に誘導しセルリアンを落下させるシーン」の3つに分かれています。
サーバルには「自分の力を過信する」傾向がある
外の空気の臭いを判別できるツチノコは、出口を探す3人の中で先導する立場にありました。そのツチノコが突如歩みを止めたため、かばんちゃんとサーバルは不思議に思います。よく見ると、前方にある壁の隙間からピンク色の巨大なものが見えます。かばんちゃんとサーバルもそれがセルリアンであることに気が付きました。
1話で登場しサーバルが退治した小型のセルリアン、そしてかばんちゃんとサーバルが協力して倒したゲートのセルリアンに続いて、セルリアンは三度目の登場となります。前に登場した2体とは異なり、体色はピンク色、フレンズたちよりも一回り大きいサイズをしています。このように、セルリアンにも様々なタイプが居ると思われますが、それぞれの違いははっきりしていません。
ツチノコに「近づくな」と警告されたにもかかわらず、サーバルは不用意にもセルリアンに近づいてしまいます。サーバルが近づいたことでセルリアンがこちらに気づき、壁が倒されて追いかけられてしまうわけですが、このあたりは「未知の問題を解決することにやりがいを感じる」というサーバルの性格が裏目に出る結果となりました。
サーバルはほかのフレンズから「ドジ・トラブルメーカー」などと呼ばれています。おそらく今回のように未知の問題に遭遇したとき、相手を舐めてかかって結果失敗することが多いのでしょう。「自分の力を過信する傾向がある」と言い換えたほうがいいかもしれません。
サーバルのせいで、かばんちゃんたち3人は合計6体の比較的大型なセルリアンから追いかけられてしまうことになりました。サーバルはかばんちゃんに相談しますが、とっさのことなのでかばんちゃんも良い方策が浮かびません。
これまでかばんちゃんはさまざまなシーンで知恵を発揮し、問題を解決してきました。しかし、4話Aパートで砂嵐に遭遇したときのように、「突然の危機」に対しては弱いところがあります。ある程度落ち着いて考えられる状況でない限り、知恵を出すのが難しいタイプなのでしょう。
かばんちゃんですら焦っているような差し迫った状況で、ツチノコだけは終始冷静でした。2人に対し「橋の右側を歩け」とセルリアンから逃れる方法を指示します。その瞬間は何のことかわからなかった2人ですが、ツチノコの先導により橋がかかっている空間に出たことで意図を察します。
3人はツチノコの指示通り、橋の右側を歩いて反対側へと渡ります。行き先が行き止まりなため、サーバルは不安を感じますがセルリアンが橋の上に迫ったところで橋が崩落。セルリアンはみな橋の下の空間に転落して行きました。
ツチノコはなぜ橋の構造を知っていたのか?
ここで疑問なのは、「なぜツチノコは橋の構造(右を通れば安全で、荷重がかかりすぎると崩落する)を知っていたのか?」という点でしょう。考えられるのは次の2つの理由です。
- 過去に遺跡を調査したときに調べていた
- ピット器官などの感覚器官により、橋の構造がわかっていた
劇中では、3人が事前に橋のある空間を通った描写はありません。従って、ツチノコは以前遺跡を調査しにやってきたときにあの空間も調べ、そのときに橋の構造を知っていたと考えると辻褄が合います。(もしくは、描写されていないだけで3人であの空間に一度迷い込んでいたのかもしれません)
ツチノコは下駄の音の違いから橋の構造を知っていた?
仮にツチノコが一度橋のある部屋に入ったことがあったとしても、「橋がどのくらいの重さで崩れそうか」、「比較的安全なのはどの位置か」といった情報をどうやって得たのかは疑問が残ります。
この点については、ツチノコのフレンズとしての能力がヒントになります。ツチノコはUMAなのでこれまでと同様ヘビ類の基本的な能力をベースにして考えてみましょう。過去の考察でご紹介してきたとおり、ツチノコには離れた場所の温度を見分ける「ピット器官」が備わっています。それによって石橋の分厚い場所や老朽化して壊れやすくなっているところを見分けていた可能性はあります。
もう一つの可能性として、ヘビ類特有の「地面の振動を感知する能力」を使ったとも考えられます。下記のリンク先によると、ヘビは音を聞くのはあまり得意ではなく、そのかわりに地面の振動を感知する能力に優れているとのことです。
http://www.geocities.co.jp/Outdoors-Mountain/2000/hebi-seitai.html
聴覚が弱い変わりに皮膚から伝わる地面の振動などは良く感じるようです。地面から伝わる人やネズミの歩く振動音は皮膚で感じていま
す。特に頭部は効果的に敵や獲物の足音(振動)を感じる事ができます。ただ人はゴム底のくつをはいてそ-っと近づけばきずかれにくい
ので容易に捕らえられます。
けものフレンズに登場するツチノコは下駄を履いており、歩くとカラカラと音がします。あの下駄を履いたまま一度でもあの橋の上を通ったことがあるのなら、音(地面からの振動)の違いによって老朽化によって崩れやすくなっている場所や、そうでない場所を探り当てることができたはずです。
音の違いによって亀裂を発見する方法は、「打音検査」として実際トンネルの安全性チェックなどで用いられています。
https://kotobank.jp/word/%E6%89%93%E9%9F%B3%E6%A4%9C%E6%9F%BB-681902
ツチノコの活躍により、3人は見事窮地を脱することができました。3人はここである発見をすることになるのですが、その続きはまた次回の考察で明らかにして行きたいと思います。