けものフレンズ3話感想その17:トキの歌声が変化した本当の理由

諸注意

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けものフレンズ3話感想その16:3話は「サーバルの修行回」だった?
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【Bパート 紅茶を飲む一行とトキの歌】

カフェの目印が完成した直後に、サーバルも崖を登って山頂に到着。タイミングよく電池の充電も完了し、お湯が使えるようになったことから、かばんちゃん、トキ、サーバルの3人はアルパカ・スリから紅茶を振る舞ってもらうことにします。

初めて体験するカフェ、初めて飲む紅茶に興味津々の一同。かばんちゃんとサーバルは紅茶を飲んで落ち着き、うっとりしたような表情を見せます。ところが、紅茶を飲み終わったトキが歌を歌うと言い出して・・・。

初めて飲む紅茶に満足するフレンズたち

アルパカはティーカップに入れられた紅茶を人数分用意し、外のテラスの席で待つ3人に振る舞いました。紅茶をいれているシーンが映らなかったので、私の仮説である「アルパカは給湯器から直接お湯を注いで紅茶を作っている」が本当かどうか確かめることはできませんでした。

3人とも、おそらくティーカップ(というより入れ物に入った飲み物)を飲んだのは初めての経験だったと思います。かばんちゃんとサーバルが紅茶を飲むシーンがアップで描かれますが、2人ともティーカップの持ち手を左手の指で掴んで持っています。もしかしたら、サーバルはかばんちゃんの飲み方を隣で見ながら真似していたのかもしれません。

紅茶を飲んだあとの2人の表情もよく似ています。どちらも両目を閉じ、うっとりとした表情を浮かべています。サーバルは「カフェっていいな」という感想を述べていますが、どこがどういいのかは具体的に明らかにしていません。一方、かばんちゃんは「落ち着くね」とカフェのいいところを具体的に述べています。おそらくサーバルには語彙力がなかったのでしょう。

紅茶を飲み終えたトキが「ここで一曲」と立ち上がった際、サーバルとかばんちゃんは対象的なリアクションを見せます。両手を合わせて「待ってました」とばかりの嬉しそうな表情を見せるかばんちゃんに対して、サーバルは眉をひそめて身を引き、露骨に嫌そうな表情を浮かべます。

以前とは見違えるほど上達したトキの歌

2人はロープウェイ乗り場でトキの歌を聴いており、その際かばんちゃんよりも聴力に優れるサーバルはトキの人間には聴こえない周波数の音にやられ、クラクラしてしまっていたからです。

トキはおもむろにロープウェイ乗り場の手すりの上に立ち、ロープウェイ乗り場で歌ったのと同じ「私はトキ」から始まる歌を歌い始めました。思わず身構えるサーバルですが、トキの歌には以前あったような「超音波」を表すサウンドエフェクトはかかっていません。歌を聞き終えた3人は、皆一同に笑顔で時に拍手を送りました。

アドバイスと紅茶によって歌声が良くなった

トキの歌が以前と比べて変化したのはなぜでしょうか?考えられる理由は2つあります。

  • かばんちゃんのアドバイスによって、歌い方が変わった
  • アルパカの「喉にいい紅茶」の効果で声が良くなった

トキとかばんちゃんは2人で山頂に向かう途中、ロープウェイの支柱の上でジャパリまんを食べて休憩しました。その際、トキはかばんちゃんに「フレンズの姿で上手に歌うコツ」を教えてくれるよう依頼しています。トキの要請を受けたかばんちゃんは、「お腹に力を入れる」というコツを伝授しました。

けものフレンズ3話感想その8:かばんちゃんから歌を教わるトキ
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しかし、劇中での一同はトキの歌の変化を「喉に良い紅茶のおかげ」と解釈しています。その理由は2つあって、ひとつは歌を聴いた後のサーバルの反応です。サーバルは「どうして?さっきよりずっといい声になってる」とトキの歌声の変化に驚いていました。「上手になってる」ではなく、「いい声になってる」と伝えたあたりがいかにもサーバルらしい相手への配慮を感じさせる言葉選びです。(上手になった、といえば「以前は下手だった」と解釈できるため)

このサーバルのセリフがあったからこそ、一同は「トキの歌声が以前と違うのは、『歌声』が変わったからだ」と考えたのです。(トキの歌を初めて聞いたアルパカを除く)

かばんちゃんたちがトキの歌声が変化した理由を「喉に良い紅茶のおかげだ」と考えた2つ目の理由は、その後のアルパカのセリフがあったからです。

アルパカ:さっき、歌を歌うっていってたから、喉に良い紅茶入れてみたんだ。体も温まっていい感じでしょ?

誰でも歌う直前に「喉に良い紅茶」を飲ませられていたのなら、歌声がよくなったのは紅茶の効果だと考えるはずです。しかし、歌声が変わったのが本当に紅茶の力だったのかは疑問が残ります。

紅茶がもたらした真の効果は「体を温める」ことだった?

いくら喉にいい紅茶だとはいっても、本当に1杯飲んだ程度のことで歌声がそこまで大きく変わるものでしょうか?

私はトキの歌声が変化した本当の理由は、「かばんちゃんから教わったコツにより歌い方が変化した」、「紅茶を飲んで体が温まり、声が出しやすくなった」という2つの理由が重なったためだと考えています。

さきほどご説明したとおり、トキはかばんちゃんから「お腹に力を入れる」という歌をうまく歌えるようになるコツを伝授されています。しかし、別行動していたサーバル、山頂についたあとで出会ったアルパカはその事実を知りません。

ですから、サーバルの方は「歌声が変化した」という結果だけを知って不思議に思い、アルパカの方は「自分が喉に良い紅茶を出したおかげだ」と勘違いしてしまったのだではないでしょうか?

しかし、アルパカの紅茶も全く役に立たなかったわけではないと思います。かばんちゃんは「お腹に力を入れる」というコツを教える際、同時に「(標高が高く)寒いから息が苦しい」とも伝えており、それを聞いたトキは「歌う場所が大事ということか」と解釈しています。

カフェはこうざんの山頂にあります。山の上はどこも気圧が低く、温度も低いものです。当然、カフェの周辺も比較的涼しく、場合によっては「歌を歌うには寒すぎる」環境だったかもしれません。

仮にカフェの山頂が寒い環境であったとしても、歌う直前に温かい飲み物を飲んだとしたらどうでしょうか?喉や体が温まり、何も飲まない状態よりも歌いやすいコンディションを作ることができたはずです。