前回記事:【2話 その1】アニメ感想「けものフレンズの謎」:ラッキービースト(ボス)による世界観説明
【Aパート冒頭 帽子に反応するラッキービースト(ボス)】
かばんちゃんにジャパリパークの説明を行うラッキービースト(ボス)ですが、かばんちゃんは途中で疲れて眠ってしまいます。かばんちゃんの帽子(についている緑色の羽)を見たラッキービーストの目が緑色に輝くと、それまでとは違う声でしゃべり始めます。
目が緑色に光っている状態のラッキービーストは、通常のロボットっぽい声とは異なり、人間のような流暢な声で話します。また、このときに語ったセリフは、まるでマイクテストをしているかのような音声でした。これらのことから、「ラッキービーストにはボイスレコーダーのような機能が備わっており、何者かが録音した音声が誤って再生された」ということが推測できます。
問題は、「なぜ帽子に反応して音声が再生されたのか」、「いつ、誰が、何の目的で音声を録音したのか?」といった点です。これらは現時点ではまだ情報が少なく、推測することはできません。
サーバルとは全く会話しないラッキービースト
先に眠ってしまったかばんちゃんの体を横たえ、サーバルはラッキービーストに話しかけます。
サーバル:でもびっくりしたよー。ボスが喋れたなんて。初めて聞いたけど、不思議な声してるんだね。みんなボスとお話したいと思うよ。なんで今まで喋らなかったの?
ラッキービースト:・・・。
サーバル:ねえなんか言ってよ!
ラッキービーストは、サーバルとは全く会話をしようとしません。今後、けものフレンズは主要登場キャラ3人のうち、2人が「全く会話をしない」状態で進んでいきます。これは極めて不自然なことです。
なぜ会話できないのか?してはいけないのか?
ラッキービーストが、サーバルと会話しない理由は2種類考えられます。ひとつは、「物語上、会話をしない理由」、もうひとつは「演出上、会話をしない設定にされた理由」です。
先に、「物語上、会話をしない理由」から考えてみましょう。そのためには、まず「ラッキービーストとはどういう存在か?」を考えなければいけません。以前の考察で述べた通り、「ラッキー(従僕)」という名前から「ヒトに奉仕するロボット」である可能性が考えられます。そのため、「ヒト以外の存在とは会話しないよう作られているのではないか」という理由が推測できます。
続いて、「演出上、会話をしない設定にされた理由」を考えてみましょう。仮に、ラッキービーストがサーバルと会話できたとしたら、どうなっていたでしょうか?サーバルは「なぜ今まで喋らなかったのか?」と理由を尋ねています。もし会話ができたとしたら、その答えを喋ってしまっているはずですから、逆にいえば「喋らない理由がストーリー上重要な意味を持っているので、現時点で明かすわけには行かなかった」と考えられるでしょう。
あるいは、この時点でサーバルと会話すること自体には問題はない可能性もあります。しかし、この後のストーリーの中で「サーバル(あるいは、かばんちゃん以外の登場人物)から尋ねられるとまずいことがある」とも考えられます。
ラッキービーストは、2人をバスに乗せるために出てきた?
どんなキャラクターにも、必ず存在意義があります。ラッキービーストというキャラを登場させた以上、その裏には何らかの理由があるはずです。ストーリー上のラッキービーストの存在意義については、過去の記事においても考察しましたが、もしラッキービーストに「喋らせたくないこと」があるのなら、最初から登場させなければいいだけです。
つまり、「ラッキービーストは出したかった(何らかの目的があった)が、喋らせたくないことはあった」と考えられます。では、「ラッキービーストを出さねばならなかった理由」と、「喋らせたくないこと」とは何でしょうか?
ラッキービーストを出さねばならなかった理由について、以前の考察では「ロボットキャラが持つ一般的な役割ではないか?」と考察していました。ロボットキャラの一般的な役割とは、「機械的なリアクションを利用した伏線のほのめかし」などです。しかし、ここまでくるともっと明確な理由がわかってきます。
率直に言えば、「ラッキービーストを登場させた理由」は、「2人をバスに乗せたかったから」だと考えられます。今後のストーリーの中で、バスはパークを移動するための主要な手段として使われます。バスに乗ろうとしたのは「ラッキービーストが『バスで移動しよう』といったから」というのがそもそもの理由でした。そうでなければ、2人はバスに乗ることはなかったでしょうし、バスの存在すら知らなかったかもしれません。
つまり、「バス」という存在は単なる乗り物・移動手段というだけではないということになります。ストーリーの中で、2人がバスに乗るということは必然であり、「決して欠かすことのできないイベントだった」といえるでしょう。ではなぜそうまでして2人がバスに乗らなければならなかったのか、次回以降の考察の中で謎に迫っていきたいと思います。
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