けものフレンズ10話感想その10:アミメキリンが見た、ヤギではない謎の影

諸注意

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【Bパート 再び目撃された謎の影】

客室からいつの間にかいなくなっていたサーバルを探しに行き、新たなミライさんのメッセージを聞いたかばんちゃん。次の日の朝、再び謎の影が現れたとの情報を耳にします。

アリツカゲラ:今度はキリンさんが見たんだそうです。

サーバル:えーっ!大丈夫だった?

かばんちゃん:どんなでしたか?

アミメキリン:白くて、モヤモヤしていて、生きている感じがしなかった。うう・・・これは怪事件だわ・・。

アリツカゲラ:やはりセルリアンなのではと・・・。

サーバル:でも、白いもやもやしたセルリアンなんていたの?

アリツカゲラ:たまに新種って話も聞きますからね。

アミメキリン:それが、シルエットはフレンズそのものだったの。そこがどうにも怖くて。

アリツカゲラ:ええ!じゃあ、やっぱり誰かいるんでしょうか?

サーバル:誰?またオオカミさんじゃないの?

タイリクオオカミ:違うよ・・・フフフ。

サーバル:誰かが森に隠れていたずらしてるんじゃ・・・。

けものフレンズミステリーが本格的に始まる

雨が振り、ロッジに足止めされて2日目の夜が明けました。以前の考察でお伝えしたとおり、雨が降ったことによってロッジは擬似的にクローズドサークルの条件を満たすことになります。「作家」のタイリクオオカミと、「名探偵」を名乗るアミメキリンも登場し、展開はますますミステリー作品に近いものとなっていきます。

10話の中で、かばんちゃんたちが遭遇する謎とは、ロッジに現れ、アリツカゲラによって目撃された怪しい影の存在です。この影については、現在以下のようなことがわかっています。

木の枝から別の枝へ一瞬で移動するほどのスピードがある

確実にわかっているのはこの1点だけで、それ以外に関しては完全に謎に包まれていました。今回、アミメキリンが再度影を目撃したことによって、新たに次の情報が得られました。

白くてモヤモヤしている

シルエットは完全にフレンズ

だいぶ情報が得られてきましたが、これだけではまだ正体を特定するには情報が足りません。そこで今回は、「容疑者」たちの過去の振る舞いを振り返ってみることにしましょう。

2日目の夜における「容疑者」たちの言動

容疑者とは、劇中に登場したフレンズである「かばんちゃん・サーバル・アリツカゲラ・タイリクオオカミ・アミメキリン」の5人です。この10話が推理可能なミステリーものであるとするなら、視聴者は与えられたヒントによって犯人を特定することができるはずです。

もちろん、このほかにも新たな登場人物が出てくる可能性もあります。そして、これら5人にラッキービースト(ボス)を加えてもいいでしょう。どちらにしろ、彼女たち「容疑者」の行動を振り返ることで新たな手がかりが得られるかもしれません。

まず、かばんちゃんとサーバルについてです。かばんちゃんは物語そのものの主人公であり、サーバルも準主役級のポジションですが、ミステリーものではこういったポジションにある人物が犯人であることもよくあります。

2日目の夜において、サーバルはひとりベッドから姿を消しました。その後、ロッジの廊下でかばんちゃんに発見されるまでの間、何をしていたのかははっきりしません。一方、かばんちゃんはいなくなったサーバルをラッキービーストとともに探しに行っています。サーバルについては、「ベッドを抜け出してから、かばんちゃんと再開するまでの行動」に謎が残りますが、かばんちゃんについては、「ミライさんのメッセージを廊下で聞いた」という点が事件に何らかの影響を及ぼしている可能性はあります。

続いて、アリツカゲラについてですが、不思議なことにまったく描写がありません。実は、彼女は1日目の夜についても同じようにまったく描写がなく、行動が完全に謎に包まれています。怪しい影を目撃したという「消灯前の見回り」についても、それを行っているという描写そのものがないのです。

これまでの考察において、視聴者を惑わす「ミスリード役」ではないかと考えたタイリクオオカミはどうでしょうか?彼女については、ベッドの上で眠っている様子が描写されていますが、それ以外には特にこれと言った情報がありません。

最後のアミメキリンですが、これはベッドに座って眠っているときに目を覚ます様子が確認できます。このシーンについて、過去の考察では「キリンの眠りが短時間であることを現しているのではないか」と捉えてきましたが、今回の展開と合わせて考えると、彼女はこのときに何かに気がついて目を覚まし、そのときに「影」を発見したのではないかとも考えられます。

ただし、アリツカゲラと同じく、影そのものを見ている描写が描かれていないのは気がかりです。

影の正体は、見れば一発でわかるもの?

以上の点をまとめると、「容疑者」たちの行動で現在までに気になる点は以下のとおりです。

サーバルが夜、ひとりで何をしていたか?

かばんちゃんがミライさんのメッセージを聞いたこととの関連は?

アリツカゲラ、アミメキリンも「影」を見た瞬間が描写されないのはなぜか?

サーバルの行動に関しては、すでにかなりバレバレですが、このあとまもなく明かされるので特に気にする必要はないでしょう。2番目のミライさんのメッセージに関してですが、あのタイミングでメッセージが再生されたということは、それは影の騒ぎと何らかの関連があると考えられます。特に、1話めの夜にもかばんちゃんとサーバルがミライさんのメッセージを聞いていて、しかもそのシーンの直後、「謎の数秒の間」がわざわざ描かれていることからもミライさんと影の関連性は非常に色濃く示唆されています。

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3番目の「影を見たシーンが描写されない」という点はある意味ではもっとも重要な情報であるといえるかもしれません。ミステリー漫画などでは、犯人が姿を現すシーンは必ず描かれ、しかもインパクトのある描写があることも珍しくありません。それなのに今回まったく描かれないのはどういうわけなのでしょうか?

考えられるのは、「影の正体を見せてしまうと、すぐに謎が解けてしまう」、あるいは「影を見たシーンを描いてしまうと、すぐに謎が解けてしまう」という理由でしょう。つまり、影の外見的な特徴そのもの、あるいは、影を見る状況(場所、タイミング)がわかれば、かなり謎の解決は近づくと考えられます。今後はそうしたシーンがないか、注目して見ていくことにしましょう。

サーバルも謎解きにやる気を出してきたか?

最後にもう一つ気になる点として、サーバルの言動が挙げられます。謎の影が再びアミメキリンによって目撃され「姿形がフレンズそのものだった」という証言が得られたため、アリツカゲラとサーバルは犯人の正体をフレンズではないかと考え始めました。

このとき、5人の中でも特にサーバル「オオカミのいたずらではないか」、「一体誰がこんなことをしたのか」としきりに疑いを強めています。オオカミを疑ったことについては、すでに何度もからかわれたことに対する憤りもあったのでしょうが、ここに来て急にサーバルが「犯人探し」に積極的になってきているのが印象的です。

すでに何度もご紹介してきたとおり、サーバルは「未知の課題をクリアすることに燃えるタイプ」です。元々論理的な思考が得意なタイプではないので、どちらかというと体を使う課題に対して積極的なのがいつものパターンなのですが、なかなか謎が明らかにならないことでしびれを切らしてきたのかもしれません。

サーバルの、新たな「乗り越えるべき課題」のターゲットとして、今回の「謎の影の正体を突き止める」というものに照準が合わせられたのでないか、と考えられます。

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