オウンドメディアの成功パターンその1「課題解決型」

すでにオウンドメディアがマーケティングに活用され始めてから年月が経ち、さまざまな成功パターンがわかるようになってきました。今回ご少尉解するのは、オウンドメディアの成功パターンの中でも代表的なもののひとつである「課題解決型オウンドメディア」です。

課題解決型オウンドメディアの特長と事例

課題解決型オウンドメディアの実例をご紹介しましょう。

回答者全員がお坊さんのQ&Aサイト「hasunoha(ハスノハ)」

こちらは、「日々の悩み事にお坊さんが回答する」というユニークなオウンドメディアです。Yahoo!知恵袋のようにQuestion(質問)に対してAnswer(回答)を提示するQ&Aサイトの構造になっています。2017年現在、質問の数は29000件以上。テーマがユニークでありながらFacebookで6000件以上のいいねを獲得しており、多くの人に支持されています。

課題解決型オウンドメディアのメリット

課題解決型オウンドメディアを閲覧してくる人は、何らかの「困り事」を抱えていると考えられます。メディアにアクセスしてくるのは課題に対する「解決法」があるのではないか、と期待しているからです。つまり、今すぐに解決法を知りたい、という切実な理由が検索をする原動力になっているのです。

検索を行う明確な理由があるので、多くの人が共通して抱えていそうな課題をメディアのテーマにすれば、多くの人に閲覧してもらえるでしょう。たとえば、「美容・健康・育児・転職」といった課題が考えられます。

広告クリック率が高いのも利点のひとつ

私が過去に携わったオウンドメディアも、課題解決型のものが多くありました。当時の経験を元に言うと、課題解決型オウンドメディアは「CTR(バナー広告のクリック率)が高い」という特徴があります。

たとえば、メディア中にGoogle AdSenseなどの「クリック課金型広告」を張った場合、通常は「1PVに対して0.3クリック」と言われています。しかし、私が過去に携わった課題解決型オウンドメディアでは、このCTRが4倍程度にまで増えました。これは、「課題を解決したい」という欲求が強いために、広告をクリックすることに対する心理的な抵抗感が薄れているためだと考えられます。

課題解決型オウンドメディアを運営する場合の注意点

課題解決型オウンドメディアを上手に運営していくには、想定読者が抱えている課題を入念にリサーチしなければなりません。誰も困っていないことに対して解決法を提示しても意味がないからです。一般的な方法としてはGoogleキーワードプランナーを活用してキーワードを絞り込み、「そのキーワードで検索している人はどんなことで困っているのか」を逆算する、といったやり方があります。

そのようにしてひとつずつ、キーワードと課題を選定していくと、自然とメディアの全体像が見えてきます。このように全体のプランニングをしっかり行ってからメディアを作ると、コンテンツ制作がスムーズに行くでしょう。

逆に、入念なプランニングを行わずに課題解決型オウンドメディアをつくるのはおすすめできません。読者が抱えている困り事を想定するのが難しい業界の場合、課題解決型はあまり適した選択肢とはいえないでしょう。課題を想定して解決法を考える、というやり方ができなくなってしまうからです。

課題解決型オウンドメディア成功のポイントは以下のとおりです。

  • 事前に読者が抱える課題を入念にプランニングする
  • 課題に対する解決法をリストアップする
  • 課題と解決法を合わせてメディアの全体像を設計し、その後コンテンツを制作する

これらの点に注意して、課題解決型オウンドメディアの制作にチャレンジしてみてください。