【Aパート PPP(ペパプ)メンバーとかばんちゃんたちとの出会い】
練習でうまくできなかったところを反省するPPP(ペパプ)メンバーですが、イワビーとジェーン、コウテイは不安を口にします。プリンセスは彼女たちへのアドバイスを行い、元気づけようとします。
コウテイペンギン(コウテイ):プリンセスはすごいな。振り付けも完璧だし、生き生き踊る。
ジェンツーペンギン(ジェーン):歌声もとっても素敵です!
イワトビペンギン(イワビー):よーし!もういっちょ練習するかー!
サーバル:ねぇねぇ。
プリンセス:ん?はーい。
サーバル:PPP(ペパプ)スペシャル練習見学ってここ?
ジェーン:あっ、博士の知り合い?(プラチナチケットを見る)
コウテイ:どうぞ、博士にはライブの準備でお世話になったからね。
サーバル:わーい!はじめまして、私はサーバル。
プリンセス:プリンセスよ。ようこそ、じっくり見ていくといいわ。
イワビー:ん?なんだ?他にもいるのか?
サーバル:マーゲイ、入りなよ。
マーゲイ:ちょ、ちょっと待って・・・。直に話せるなんて・・・緊張して・・・あっ、いい匂いがする・・・。ハッ!
PPP5人:うふふふふふ・・・。
マーゲイ:か、わ、い、い!(鼻血を出して倒れる)
サーバル:あーっ!
かばんちゃん:マーゲイさーん!
メンバーの人望を一心に集めるプリンセス
前回から引き続き、練習に勤しむPPPメンバーの様子を見ていきましょう。練習の辛さや自信の無さから挫けそうになるほかのメンバーをプリンセスは必死で励まします。そんな彼女の姿に元気づけられたのか、他のメンバーも練習へのやる気を取り戻したようでした。
このシーンでわかるのは他のメンバーは皆プリンセスに対して強い信頼感を抱いているということです。リーダーのコウテイは自分よりもプリンセスのほうがリーダーに相応しいのではと発言していますし、その後振り付けの完璧さを褒めちぎっています。同様に、ジェーンもプリンセスの歌声に尊敬の念を抱いているようです。
プリンセスはほかの5人をリードする立場にありますが、これは決して彼女の独りよがりによるものではありません。他のメンバーから確かな信頼があることを前提とした上でさまざまなアドバイスを行っていることがわかります。
サーバルの登場までにどの程度の時間が過ぎたか?
練習を再開しようとするPPPの元に、思わぬ来訪者がやってきました。PPPプラチナチケットを引っさげたサーバルたちです。いきなり現れたサーバルでしたが、プラチナチケットはそもそもPPPから博士たちにプレゼントされたもの。チケットを見るなりすぐに事情を察し、暖かく受け入れてくれました。
ここで少し疑問なのは、「立ち上げのお披露目からどのくらいの時間が経過したのか?」という点です。立ち上げのお披露目が終わってからのPPPメンバー登場シーンは次のように分けられます。
①緊張した様子で楽屋に帰ってくるPPPメンバーたち
②本番に向けて練習を開始する
③休憩して反省会をしていると、サーバルが訪ねてくる
このとき、注意してみていてもらうとわかるのですが、①と②のシーンでは床の状態が変化しています。従って、①のシーンは「楽屋裏で立ち上げのお披露目の反省をしているシーン」、②はその後「練習場で本番に向けて練習をしているシーン」と考えるのが自然でしょう。
場面転換に関してはこれで間違いないと思われるのですが、問題は①と②のシーンで「どのくらいの時間が経過しているのか?」のかがわからないということです。他に判断材料がないため、「立ち上げのお披露目が終わった後、そのまま練習を開始した」という可能性もあれば、「描かれているのは別の日に練習している様子である」という可能性もあります。
なぜこのように時間経過がはっきりしない理由は以下の3つです。
劇中で時間経過がほとんど描写されない
サーバルたちが訪ねてきたタイミングが不明である
サーバルたちがきてから、本番までの時間経過がわかりにくい
ここまでの考察ですでにご紹介してきたように、PPPは「今日(サーバルたちがみずべちほーを訪れた日)に立ち上げのお披露目を行い、その翌週にライブを行う予定であった」はずです。
従って、PPPメンバーがライブに向けて練習している今のシーンは「まだライブの前」であることは間違いありません。しかし、前後の時間経過を推測できる材料が劇中にほぼ存在しないため、サーバルたちがいつごろ練習見学に訪れたのかわからないのです。
練習場という密室でストーリーが進む8話の特殊性
この時間経過をさらにわかりにくいものにしているのは、この後のストーリーの描き方です。サーバルたちがPPPの練習見学にきたあと、8話ではライブのシーンまでが続けて描かれます。
しかし、その間に描かれるほぼすべてのシーンがこの練習場での出来事なので、「ライブまでの間にどの程度の時間が経過したのか」が非常にわかりにくくなっているのです。たとえるのなら、窓のない密室に入れられた状態で「この部屋に入れられてからどのくらいの時間が経過したか正確に答えろ」といわれているようなものです。
結局のところ、かばんちゃんたちがどの程度の期間PPPメンバーと一緒にいたのかは判然としません。
アイドルとファンが生み出す新たな展開
最後に、念願のPPPと直に話せる機会を得たマーゲイのリアクションについて考えてみましょう。マーゲイは明らかに「アイドルオタク」としてデザインされたキャラクターです。けものフレンズの世界には基本的に女のフレンズしか登場しないため、女性アイドルに夢中になる熱狂的な女性ファンという構図になっていますが、現実にもこういったファンは存在するので特段不自然というわけでもありません。
これまでけものフレンズの中では、いくつかの関係性が描かれてきました。かばんちゃんとサーバルの特殊な関係を別にするのであれば、
①カフェの主人とお客:アルパカ・スリとトキ
②同じ家で暮らす同居人:アメリカビーバーとオグロプレーリードッグ
③群れの大将と部下:ライオン、ヘラジカと群れの仲間たち
④博士と助手:アフリカオオコノハズクとワシミミズク
といった例があります。今回、この構図に新たに「アイドルとファン」という関係性が加わることになりました。彼女たちの関係が今後どのように描かれていくのか、注目していきましょう。