オウンドメディアは個人のマーケティングにも有効

オウンドメディアというと、一見企業のマーケティングのために使われるものと思ってしまいがちですが、実は個人のマーケティングにとっても役に立つものです。今回は、私自身の経験を踏まえてオウンドメディアが個人のマーケティングに役立った事例をご紹介しましょう。

個人ライターが仕事を得るには、過去実績が重要

私はマーケターですが、それと同時に個人ライターでもあります。個人ライターは通常、広告代理店などに営業をかけて仕事をもらいます。このとき、ものをいうのがライターとしての実績です。通常ライターは職務経歴書や履歴書などをつくって己の実績をアピールしながら営業をすることになります。

職務経歴書などの書類のほか、過去に作った記事そのものも実績の証として認められます。通常、ライターが作った記事は無記名になることが多く、かつ著作権をクライアントに譲渡するケースがほとんどです。しかし、実績として単に紹介するだけならほとんどの場合問題にならないでしょう。

過去実績を提示しても、クライアントはジャンルくらいしか見ない

しかし、こうした書類や過去制作記事による実績紹介には難点もあります。多くの場合、代理店は記事の中身を見てこちらの実力を判断してはくれない、ということです。ライターの書類審査はたいてい、クライアントと直接会わずに行われます。その段階では、クライアントにとってこちらがどれだけ役に立つ人材かはわかりません。そのような状態でひとつひとつの実績を事細かにチェックしてくれるクライアントはそう多くないのです。

では、何のために実績を公開させるかといえば、それは「どんなジャンルに対応できるか」をチェックするためです。逆にいえば、クライアントは実績を見せても、ジャンルくらいしか見てくれません。そのような状態では「この人は他のライターとは違う!」と思ってもらうことはできないでしょう。

オウンドメディアが個人のPRに役立つのは「クライアントと会えたとき」

このような場合に役に立つのがオウンドメディアです。ライターの仕事応募は書類選考を通過すると、リモートの仕事でない場合は面接に映ります。このあたりは普通の就職などと同じですね。つまり、クライアントと直接あって話す機械が生まれるんです。このときは、通常1対1で話すことになるので、過去の実績もじっくり見てもらえるチャンスがあります。

面接のタイミングならば、過去の実績としてオウンドメディアの記事を紹介すれば詳しくみてもらうことができるでしょう。もちろん、面接とはいえ時間は限られていますから、ひとつひとつの記事をじっくり読んでもらう暇はありません。しかし、広告代理店の社員ならタイトルや見出しをサラッと見ただけでも、そのライターがどれくらいの実力を持っているのかはある程度想像がつきます。「こやつ、できる・・・!」と思わせたら大成功。そうでなくても、相手に自分を印象づけるのは難しくないでしょう。

リモートの仕事のように、面接なしに採用の可否が決められる場合もありますが、そのような場合でも電話での面談がある場合は同じようにオウンドメディアを使った個人PRができる可能性があります。

オウンドメディアは通常のアフィリエイト記事やブログ記事よりも、制作に高度なライティングテクニックが求められます。その分、ライターにとってはぜひともPRしたい、確かな実績になるといえるのです。