けものフレンズ4話感想その12:ほかのフレンズとツチノコが決定的に違う点

諸注意

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けものフレンズ4話感想その11:ツチノコの登場と地下迷宮への挑戦
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【Bパート ツチノコとの初会話】

遺跡の中に入ったかばんちゃんとサーバル。しかし、その直後2人が入ってきた入口は閉ざされてしまいました。2人は新たなフレンズ「ツチノコ」と遭遇します。

かばんちゃん:うええ・・・。

ツチノコ:そこ閉めたのか、コノヤロー!

サーバル:ええ?ご、ごめん!?あと、君は・・・?

ツチノコ:見ればわかるだろツチノコだよ!

サーバル:見えないよ!どういうことなの?ここは?

ツチノコ:クソッ!あの扉が閉まると簡単に出られなくなるからわざわざ挟んどいたのに・・・。

サーバル:なんで出てこないの?

ツチノコ:落ち着くんだよ!とにかく俺は他をあたる。お前らもおとなしく出口にいけ。

サーバル:出口ってどっち?

ツチノコ:知らん。俺もこれから探す。ま、セルリアンに気をつけることだな。

ツチノコは遺跡に何度も調査に来ていた?

出会った瞬間はお互いに驚いて逃げ出してしまったので、今回がかばんちゃん、サーバルがツチノコと初めてまともな会話を交わすシーンになります。

ツチノコは早速、サーバルが入口の扉を閉めてしまったことを咎めます。その後のセリフで「入口が閉まると簡単に出られなくなる」と言っていることから、ツチノコがこの遺跡に入るのは初めてではないことがわかります。

おそらく、ツチノコは過去にこの遺跡に入った経験があり、そのときに入口の扉が閉まると簡単に出られなくなること、扉さえ閉まらなければ入口から簡単に出られることなどを知っていたのでしょう。

UMA(未確認生物)をモデルにしたフレンズ

ツチノコは謎の多いフレンズですので、何回かに分けて考察していきたいと思います。まずは現時点でツチノコについてわかっていることを考えていきましょう。

最初に気になるのは「元動物がUMA(未確認生物)である」という点。今までアニメに登場したフレンズは皆現存する生物のフレンズばかりで、UMAや空想上の動物は含まれていませんでした。したがって、ツチノコはどのようにしてフレンズ化したのか、ほかのフレンズと同じような方法でフレンズ化したのか少なくとも現時点ではわからないといえます。

(アニメに先立って作られたゲーム版ではツチノコや四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)のフレンズも登場していますが、今回は基本的にアニメ本編を情報源として考えていくべきでしょう)

人前に出るのが苦手で、隠れていると落ち着く性格

後に本人の口からはっきり語られますが、ツチノコは「暗がりでも周囲を見分ける能力」を持っています。つまり、照明が付く前にかばんちゃんとサーバルの姿を確認できていたはずですが、それなのに大声を出して2人から離れ、物陰に隠れるなどしていることから「人前に出るのが苦手」な性格であることがわかります。

物陰に隠れ、サーバルの問いかけに対してもしばらく身を隠したままでしたし「(隠れている方が)落ち着く」とも語っています。UMA=見つかったことがない、人目を避けているという元動物の特徴が性格として反映されているのかもしれません。

ツチノコについては、行動の面でもいくつか気になる点があります。そもそも、なぜこの遺跡にいる(しかも、おそらくは複数回訪れている)のでしょうか?ツチノコは日本のUMAであり、砂漠地方で暮らしている動物ではありません。したがって、わざわざ他所のちほーからここにやってきていると考えられます。

「下駄は体の一部ではない」と自覚している

もう一つ、ツチノコについてほかのフレンズと決定的に違う部分があります。それは自分が履いている下駄を「体の一部ではない=履物である」と認識していることです。

後々ストーリーの中で描かれることですが、フレンズは基本的に自分が着ている服を「体の一部」だと認識しています。つまり、「脱いだり着たりできる」という認識がないのです。詳しくは、フレンズが「服を脱ぐ」話に入ったところで再び考察したいと思いますが、「大半のフレンズは服を体の一部だと思っている」ということだけ覚えておいてください。

しかし、ツチノコは明らかに下駄を「体の一部ではない」と理解しています。そうでなければ「入口の扉が閉まらないよう、ストッパーとして挟んでおく」という発想はできません。この時点でツチノコが今まで登場したフレンズとは違い「ある程度ジャパリパークやフレンズに関する知識を持っている」ということがわかります。

ツチノコは何度も質問してくるサーバルを煙たそうにあしらっています。サーバルのことが嫌いというわけではなく、単に人とコミュニケーションをとること自体が苦手なのでしょう。

Bパートのテーマは「迷路からの脱出」

「出口を探して外に出ろ」、「セルリアンに気をつけろ」というセリフからも、やはりツチノコがこの遺跡に入るのは初めてではないと推測できます。しかし、ツチノコ自身が出口の場所を知らないと語っていることから、「今までどうやって外に出ていたのか」という疑問は残ります。

考えられるのは、「どこかに出口があるのは知っているが、そこまでどうやって行くのか詳しい経路はわからない」という意味かもしれません。後に明らかになるように、かばんちゃんたちが入ってしまった遺跡は地下迷宮=迷路です。したがって、過去にツチノコがこの遺跡に入ったときも「四苦八苦してなんとか脱出した。しかし、経路が複雑すぎて今は覚えていない」ということなのかもしれません。

出口を探すなら、ひとりで探すより協力するほうが楽になると思いますが、コミュニケーションに苦手意識があるためか、ツチノコは2人と別行動をとろうとします。それを引き止めるかばんちゃんとの掛け合いは次回の考察で取り上げたいと思います。