薬事法対策の表現から学ぶ、言葉の選び方

医薬品や健康食品の宣伝のために使われる表現は、薬事法によって制限が加えられています。しかし、商品の魅力を伝えるためには、うまく制限をかいくぐれる言葉を見つけなければいけません。今回は、薬事法対策の表現から魅力的な言葉選びのテクニックを学んでみましょう。

薬事法による広告の表現制限について

薬事法は医薬品等の品質や有効性、安全性を確保することなどを目的とした法律です。薬事法によって表現に制限が加えられるのは「医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器」の4つ。健康食品やサプリメントのように、4つの対象に該当しないものは薬事法による表現制限はありません。しかし、対象外のものであっても「医薬品にしか許されていない表現」などを使ってしまうと薬事法に抵触してしまう恐れがあります。

薬事法の制限は非常に細かいので、ここで具体的な制限内容には触れないことにします。気になる方は下記リンクなどを参照してください。

参考:薬事法マーケティングの教科書

薬事法の制限について、詳しい解説があります。

表現に制限があっても、伝え方次第でカバーできる

薬事法の制限をうまく回避しつつ、商品の魅力を伝えている広告の例をご紹介しましょう。

小林製薬の健康食品「ノコギリヤシEX」

小林製薬のノコギリヤシEXは、ノコギリヤシエキスを主成分とした健康食品です。ノコギリヤシ(ノコギリパルメット)は、前立腺肥大症(排尿障害を伴う)や、男性型脱毛症の治療薬として研究が進められています。しかし、ノコギリヤシEXは健康食品なので、「前立腺肥大に効果がある」といった表現をすることができません。

そこで、小林製薬がどのように商品を紹介しているか、リンク先を見てみてください。まず「水分をとると夜中に何度も・・・という中高年男性に」というキャッチコピーが目に入ってきます。

「水分をとると夜中に何度も・・・」この後に続く言葉はなんでしょうか?人間が水分をたくさん取ると、必然的に回数が増える行為がありますが、それが何なのかについてはあえて説明していません。「このコピーを見た人が、何を連想しようと自由」という体裁を取っているのです。

また、「中高年男性に」という部分は、この健康食品が主に中高年男性を対象としたものであることを示しています。前立腺肥大症は中高年に多い疾患です。しかし、この「ノコギリヤシEXが中高年を対象とした商品である」ということと、「前立腺肥大症は中高年に多い」ということは、全く独立した2つの事実です。それぞれに何らかの関連性を見出すかどうかは「商品を買う人次第」という体裁を取っています。

もし、小林製薬に「この健康食品は何のためのものですか?どんな効果があるのですか?」と尋ねられたら、おそらく「栄養補給のためのものです。摂取すると気分が良くなります」といった答え方をするでしょう。

このように、たとえ表現方法に何らかの制限が加えられていても、制限をかいくぐって商品の魅力を伝える方法はあります。薬事法に限らず、広告では利用できる言葉に制限があるケースが少なくありません。そんなときは今回の事例を参考に、「限られた言葉の中でどういう伝え方ができるか」考えてみてください。

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