オウンドメディアには、中身=コンテンツが必要です。多くの場合、コンテンツは記事、つまりは文章になります。オウンドメディアの記事は、なんでもいいからとにかくたくさん文字を書けばいいというものではありません。今回は、オウンドメディアの記事とはどのようなものなのか解説していきましょう。
オウンドメディアの記事は設計図を元に作られる
一言で言うと、オウンドメディアの記事とは「工業製品」です。たとえば、車やパソコン、家電製品などをイメージしてもらうといいでしょう。ああした工業製品は、一般的には設計図を元にして制作されます。オウンドメディアの記事もそれと同様に、あらかじめ設計図を作り、その設計図の内容を元にして制作されるものです。
オウンドメディアは、何らかの目的のために立ち上げられ、運営されます。だいたいは「企業の認知度を上げたい」、「顧客との間に新しい接点を持ちたい」といった理由でしょう。記事は、その目的を達成するための手段です。「企業の認知度を上げる」のが目的であれば、「A社のゆるキャラ◯◯ちゃんが、ゆるキャラグランプリに参加したよ」といった記事を書いて公開すればいいわけです。この場合、ゆるキャラの活動を知らせることが、企業の認知度アップにつながるだろう、という目算で記事を書くことになるでしょう。
言い換えると、「オウンドメディアの目的と合致しない記事はつくる意味がない」ともいえます。たとえば普通、「美容オウンドメディア」に「住宅の悩み事解決記事」は作らないでしょう。このようにオウンドメディアの記事制作では「目的・テーマに合致した内容とはどのようなものか」をあらかじめ吟味し、その上で記事を作ります。
記事の設計図のサンプル
記事の設計図とは具体的にどのようなものかサンプルをご紹介しましょう。たとえば、次のようなものが記事の設計図になります。
記事仕様書
キーワード:オウンドメディア,成功
文字数:1300~2000文字
記事構成:
リード文:オウンドメディアの記事とはどのようなものか解説する
見出し1.オウンドメディアの記事は設計図をもとに作られる
本文1.オウンドメディアの記事は設計図をもとに作られるので、工業製品に似ている。
見出し2.記事の設計図のサンプル
本文2.よくある記事の設計図=記事仕様書のサンプルとして、キーワード、文章構成を紹介。
見出し3.設計図があれば書き手の負担も減り、メディアの安定運用につながる
本文3.記事仕様書があるとチェックが楽になり、書き手も楽になることを伝える
まとめ.全体の要点をまとめ、「記事仕様書をつくるべき」という結論に導く
記事の設計図のことを「記事仕様書」と呼びます。このように記事仕様書は記事の文章構成を定義し、どんな記事を作るのかを具体的に指示するものです。よくある文章構成は、最初にリード文があり、続いて見出しが3~4前後と最後にまとめの1文といった形でしょう。ほかにも検索エンジンで上位表示を狙うキーワードなども指定します。
設計図があれば書き手の負担も減り、メディアの安定運用につながる
記事仕様書を作ってから記事を書くと、記事のクオリティを公開前にチェックできるようになるんです。記事仕様書がないと、記事をチェックしようにも「何を基準にチェックしたらいいか」わかりません。ただ、チェックする人の感性に任せたままチェックしていては、OK・NGのチェックが曖昧になってしまいます。そうした記事作成は書き手に多大な負担がかかるため、そのうち誰も書きたいという人がいなくなってしまうでしょう。
最後に今回の流れを振り返っておきましょう。
- オウンドメディアの記事には「目的」がある
- 目的を果たすために望ましい文章の形を、設計図として事前に定義しておく
- 設計図=記事仕様書があると、文章のクオリティを事前にチェックする基準になる
- 記事仕様書があることで、ライターの負荷が下がり記事が書きやすくなる
以上のような理由から、私はオウンドメディアの記事は「工業製品と同じようなもの」だと考えています。
一般的に、オウンドメディアの記事は書き手の感性に任せて作られる「クリエイティブの産物」だと思われがちです。しかし、マーケティングの手段であるオウンドメディアは、本来そうした不安定な記事の集合であるべきではありません。明確な目的と意図があって作られたコンテンツがあってこそ、本来の目的を果たすことができるのです。