【冒頭 へいげんからしんりんちほーへ】
ハシビロコウから聞いたヒトの話を確かめるため、そしてかばんちゃんが何の動物なのかを聞くために、かばんちゃんとサーバルはへいげんを離れ、しんりんちほーにある図書館へ向かいます。
(それぞれ、別れの言葉をかけるへいげんのフレンズたち)
サーバル:はぁ~、今度のちほーは大変だったね。
かばんちゃん:僕も、まさか戦ったりするなんて。
サーバル:でも、これで図書館に行けるね!
かばんちゃん:うん!
サーバル:かばんちゃんは、どんなところに住んでた子なのかなぁ。楽しみだなぁ。
かばんちゃん:なんか、すごく暗いところだったり、寒いところだったらごめんね。
サーバル:私、暗いところも見えるから大丈夫。寒いところは入り口までだけにしようかなぁ。
かばんちゃん:ひどいよ~。
(笑い合う2人)
かばんちゃんヒト説の補足
へいげんでであったフレンズたちに別れを告げたかばんちゃんとサーバルは、ジャパリバスに乗り込みます。6話では冒頭でラッキービースト(ボス)がフリーズして以来、ほぼ出番がなかったジャパリバスですが、ようやく復活したことになります。
前回の考察でご紹介した、ハシビロコウがヒトの特徴について話したシーンで「(ヒトの特徴は)道具を使うこと」と語る場面がありますが、ここで背景にジャパリバスが映っているのが確認できます。つまり、「乗り物に乗る」ということがすでにヒトの特徴であった、という事実が劇中で暗に示されていたことになります。
かばんちゃんは、へいげんで自分が戦う羽目になったことについて語っていますが、「武器を使う」という点も実はヒトの特徴のひとつです。しかし、けものフレンズの劇中に限ってはこの点はむしろ逆で、武器を持つフレンズが多い中でかばんちゃんは武器ももたず、爪や牙といった体に備わった武器もありません。この点は「かばんちゃんヒト説」にとってはマイナスの要因だといえるでしょう。
かばんちゃんの不安を取り除くサーバルの気づかい
次の話題は、「かばんちゃんが住んでいたのはどんなところなのか?」というものでした。この発言をしたのはサーバルですが、必ずしもかばんちゃんがヒトであることを前提としていない会話なのに注目です。
まだどんな動物かよくわからないヒトについて語るよりも、これから判明するであろう「かばんちゃんが住むのに適したところ」に話題を向けたほうがかばんちゃんもリラックスできるであろうという、サーバルなりの気遣いかもしれません。
かばんちゃんは、「暗いところや寒いところだったらごめんね」と応えています。これは、本気でそんな場所だったらどうしよう、と心配しているというよりも、自分をリラックスさせようとしてくれたサーバルに対して、冗談で応えようとしていると見たほうがいいでしょう。いわば、その後に続くサーバルの台詞に対する「ネタ振り」をしたわけです。
危機を乗り越えさらに高まった2人の信頼関係
このセリフには、言外に「たとえ行くのが困難な場所だったとしても、サーバルならきっとついてきてくれるだろう」というかばんちゃんの強い信頼が伺えます。だからこそサーバルも「暗いところは大丈夫だけど、寒いところは入り口まで」と冗談で返しています。お互いに相手を思いやっていることが分かり、心が通じ合っていることを確かめあったことが、最後の2人の笑い声につながっているのです。