オウンドメディア制作の流れ

オウンドメディアを制作してWebマーケティングに活用する場合、どのような手順で進めていけばいいのでしょうか?

今回は一般的なオウンドメディア制作の流れをご説明したいと思います。

1.マーケティング戦略の策定

まず、どのような目的のためにオウンドメディアを作るのか、ベースとなる戦略を策定します。一般的な方法としては「マーケティング・ミックス」、「4P」などがありますが、どちらもゼロからWebマーケティングを始める企業には馴染みがないため、難しいものです。

コンサルティング会社に戦略策定サポートを依頼する、といった方法もありますが、あえて厳密な戦略を決めずにメディアを立ち上げてしまうのもいいでしょう。マーケティング初心者の方は、そもそもオウンドメディアというものがどういうものかわかっていません。そのような状態で厳密な戦略を立てても、実現できない「絵に描いた餅」になってしまう可能性もあるからです。ただし、戦略を厳密に決めない場合でも最低限「読者にこういうことを訴えたい」という主張は決めておいたほうがいいでしょう。

2.メディア構成を決める

続いて、設定したマーケティング戦略をメディアという形に落とし込んでいきましょう。具体的には、企業情報ページ、お問い合わせフォームといった最低限必要なものから、「このカテゴリの記事を何記事」というふうに記事構成の配分も決める必要があります。

メディア構成を決めるときは、競合他社のメディアや成功しているオウンドメディアなど、目標とするものを決めてそれをモデルして構成を決めるのもいいでしょう。ただし、理想をあまり高く設定して挫折しない要注意が必要です。最初は「全体500記事を1年で作る」というふうに、ボリュームと達成期間の目標を立ててスタートするとあとがスムーズです。

3.記事キーワードを設定する

オウンドメディアでは、基本的な流入経路が検索エンジンになります。よって、どのような検索キーワードを設定するかが成功の鍵を握ります。具体的には、Googleキーワードプランナーなどのツールを使って「集めたい見込み客が興味を持ちそうなキーワード」を絞り込んでいきましょう。

設定したキーワードは、記事制作時に文章中に組み込まなければなりません。また、先に設定したメディア構成の中に自然と組み込めるようなキーワードである必要があります。そう考えるとキーワード選びは非常に重要な工程だとわかるでしょう。

4.記事を制作する

キーワードが決まったらいよいよ記事を制作します。自社内で書くか、それとも外部のライターへ委託するか選ばなければなりません。自社内で書く場合、誰が書くのか、記事制作に当てる時間をどのように確保するのかが問題になります。外注する場合は、コンテンツのクオリティをどのように高めるかが重要です。コストを抑えれば多くの記事を安く調達できますが、その分クオリティが低下しメディアの評価が下がってしまうでしょう。コストとクオリティのバランスを上手くとっていく必要があります。

5.成果把握を行い、メディアを改善する

記事が揃うと自然とメディアへのアクセスが増え、本格的にオウンドメディアとして機能し始めます。そうなったら、オウンドメディアにGoogleAnalyticsなどのアクセス解析ツールを導入して、メディアの成果把握を行いましょう。どのような記事がユーザーの興味を引くのか、どんな情報をユーザーが求めているのか、といった点を分析して、その後の記事の改善につなげていきます。

以上が一般的なオウンドメディア制作の流れです。最後にもう一度振り返っておきましょう。

  1. マーケティング戦略の策定
  2. メディア構成を決める
  3. 記事キーワードを設定する
  4. 記事を制作する
  5. 成果把握を行い、メディアを改善する

ここからは、私が実際にライター・コンサルタントとして、オウンドメディア制作に立ち会った際の経験をお話しましょう。皆さんは以上の流れの1~5のうち、特にどこが大変だとイメージされるでしょうか?

私が今までに接してきたクライアントの多くは、「4.記事を制作する」の時点でつまずいています。1~3は、すでにホームページを持っているIT関連企業であれば、ほぼ問題なく突破できるでしょう。IT企業でなくても、外部のWeb制作会社・SEO会社などのサポートを受ければ可能です。

ところが、いざ記事を制作する段階になると状況は変わります。ホームページを自作できるようなIT関連企業ですら、「社内で記事制作の経験がない」という会社がたくさんあるからです。そのため、多くのクライアントは外部への委託を考えますが、その方法も簡単ではありません。オウンドメディア制作には、その企業が属する業界・製品などに対する幅広い知識が必要だからです。なかなか書き手が見つからず、挫折してしまうというケースが少なくありません。

「4.記事を制作する」段階で挫折してしまうと、メディアの成果を把握するステップまで進めません。そうなると「あのオウンドメディアっていうのはどうなってるんだ?成果は上がってるのか?」などと上司から突き上げを受けたとき、明確に回答できずに予算を切られてしまうという展開が多いのです。

このように、オウンドメディア制作においては「記事制作」がボトルネックとなるケースが非常に多いといえます。今からオウンドメディアを立ち上げようと考えている方は注意しておきましょう。