【冒頭 ジャパリバスを運転するサーバル】
ラッキービーストからジャパリバスの運転を勧められたかばんちゃんとサーバル。かばんちゃんは乗り気ではありませんが、興味をそそられたサーバルは・・・。
ラッキービースト(ボス):僕とリンクして、半自動運転してるんだ。手動でも運転できるよ。
かばんちゃん:へぇ~。
ラッキービースト:試しにやってみる?
サーバル:みゃ・・・。
かばんちゃん:ええっ!いいです、いいです・・・。
サーバル:みゃみゃみゃみゃみんみ・・・みゃー!やってみたーい!(運転席に飛び乗る)ボス、これを動かせばいいの?(ハンドルを操作する)みゃあ!みゃあ!・・・うおーっ!!たーのしー!!
かばんちゃん:大丈夫?サーバルちゃん?
サーバル:大丈夫。ん?この足元にあるのはなになに?
かばんちゃん:・・・おぅ!・・・あぁぁ・・・あぁぁぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・!
(ジャパリバスが丸太に衝突し、並べてある丸太がドミノ倒しに。一部の丸太が湖に落下する)
アメリカビーバー:ああっ~~!!
史上初?「乗り物を運転したフレンズ」となったサーバル
5話冒頭、サーバルがジャパリバスを手動運転して思わぬトラブルに展開してしまったシーンを考察します。ジャパリバスは前回少しご紹介したとおり、「AIと連携しての半自動運転」が実現しており基本的にラッキービーストがいれば運転者不要で操縦が可能です。
しかし、今回の湖畔周辺は風光明媚な場所、気候も過ごしやすくラッキービーストが語ったとおりドライブには最適な場所です。そのため、あえて手動で運転してドライブを楽しむこととも想定されていたコースなのでしょう。
とはいえ、かばんちゃんは本来未知のものに対してはじっくりと考えてから行動に移すタイプです。いきなりハンドルを握れと言われて戸惑ってしまったのか遠慮して運転することはありませんでした。対象的に、車の運転に大いに興味を示したのがサーバルです。これまでの考察でも触れてきたとおり、サーバルは「未知の課題に挑戦し、それを乗り越えることにやりがいを感じるタイプ」です。
現在のジャパリパークには、おそらくほとんど乗り物はありません。しかも、運転できる乗り物となるとさらに数は限られるはずです。フレンズの中でも、乗り物に乗った経験があるもの、運転した経験があるものはほとんどいないでしょう。
そうした「いまだかつて誰も経験したことのない課題」は、サーバルにとって非常に興味とやる気をそそられる対象だったはずです。「みゃみゃみゃみゃ・・・みんみー!」と見る見るうちに「やる気」が盛り上がり、すぐさま運転席に飛び移ってしまいました。
「運転する楽しさ」に夢中になるサーバル
こうして、おそらくはジャパリパーク史上初の「フレンズによる車の運転」が開始されることになります。しかし、運転席に移ったサーバルの操縦は極めて適当なものでした。しっかりハンドルを両手で握ればいいものを、指を丸めた(いわゆる猫手)の状態でハンドルを左右に叩くという方法で操縦を始めたのです。
サーバルは物を持つなど特別な事情がない限り、基本的に「手のひらを広げてものに触れる」という行動を取りません。たとえば、1話のBパートで案内板のそばにある「地図が入った箱」に触れるときも猫手の状態で叩くようにして触れていました。これはおそらく元動物であったときの手の形状や使い方の癖が抜けていないからでしょう。
だからといって、まっすぐな道で不必要に左右にハンドルを切る必要は本来ならありません。しかし、サーバルは生まれて初めて自動車に載ったわけですし、「自分がハンドルを切った方向に乗り物が移動していく」という経験をしたのも初めてのはずです。つまり、「運転する楽しさを初めて知って興奮している」状態のはずなので、あまり責めることはできないでしょう。
よくよく考えてみると、サーバルが乗り物を運転するのは初めてではありません。こうざんから下山する際、ロープウェイを漕いでいたのが最初です。ただし、あのロープウェイは決められたコースの上しか走れない上に、ただ漕げば進むというだけで「操縦する楽しさ」を味わうことはできないものでした。
それでもサーバルは本来苦手なはずの長時間の運動である「ロープウェイ漕ぎ」を、「足がパンパンになるまで」続けました。おそらく、足の疲れを忘れるほど楽しくて夢中になってしまったのでしょう。であれば、今回の「自分の操作で向きを変えられる」自動車の運転がどれほど楽しかったのかは想像に難くありません。
湖畔の周辺には障害物になるものやフレンズ、動物の姿もなくサーバルの適当な運転であっても危険は少ないように思われます。もちろん、車道から大きく外れるようなことがあれば危険なはずですが、速度を遅くすればその危険も防げるはずです。
ジャパリバスと丸太の衝突はなぜ起きた?
実際、その後のセリフでサーバルが「足元にあるもの」を気にしている様子があるので、サーバルは単にハンドルを操作しているだけでアクセルとブレーキには触れておらず、加減速は引き続きラッキービーストがコントロールしているのだろうと考えられます。
しかし、その状態もサーバルが「足元にあるもの」に気がついたことで終りを迎えます。そして、自体は思いもよらなかった方向へと転じていくのです。
自動車の運転席の「足元にあるもの」といえば、通常はアクセルとブレーキしか考えられません。今回も特に言及がないのでそうだと考えて間違いないでしょう。
サーバルが「足元にあるもの」に気づいたあとの展開は、
- バスがガタガタと何度か急停止を繰り返す
- 縦に並べてある丸太に衝突する
- ドミノ倒しの要領で丸太が全て倒れる
- 倒れた丸太が横に山積みになっていた丸太にぶつかり、一部が湖畔に落ちてしまう
という流れになりました。劇中では特にこの前後で起きたことについて説明がありませんが、これらの描写から実際にはどんなことが起きたのか考えてみましょう。
サーバルは足元を見ながらブレーキを何度も踏んでいた?
まず、運転中のサーバルが「足元にあるもの」に気が付きます。運転席に飛び乗るなりろくに説明も聞かずハンドルを叩いていたサーバルです。特に描写はないものの、足元に気になるものをみつけたら「とりあえず踏んでみよう」と考えたとしてもおかしくはありません。
ハンドルを握ってではなく、叩いて操作していたサーバルのことです。「足元にあるもの」もおそらくは踏み続けるのではなくトン、トンというふうに何度か軽く叩くようにして踏んだことでしょう。
このときジャパリバスはガクッ、ガクッと一瞬だけスピードを落とし、その後再び進むという動きを小刻みに繰り返しています。実際の車でもこれと似たような挙動を起こす場合があります。たとえばAT車の場合、ギアをドライブに入れるとアクセルを踏まなくても低速で前進する「クリープ現象」を起こしますが、この状態で小刻みにブレーキを踏むと劇中と全く同じような挙動を起こします。
従って、このシーンにおけるサーバルはおそらく「ブレーキを小刻みに踏んでいた」と考えられます。ただし、サーバルが足元に気を取られていたことですでにこのとき車は車道をそれて周囲の草むらの中に入ってしまっていました。そして、その先に並べてある丸太に衝突してしまうことになるのです。
サーバルがジャパリバスをぶつけてしまったことにより、丸太の一部が湖の中に落ちてしまいました。その光景を見て悲鳴を上げたのが5話で登場する新たなフレンズ「アメリカビーバー」です。彼女との出会いについてはまた次回考察していくことにしましょう。