けものフレンズ3話感想その11:電池の充電とアルパカのお茶のいれ方

 

前回記事:

けものフレンズ3話感想その10:ジャパリカフェがきれいな理由とアルパカ・スリの性格

 

【Bパート 電池を充電するかばんちゃん】

「電池を充電する場所を探している」というかばんちゃんの話を聞き、アルパカ・スリはカフェの屋上に2人を案内します。屋上にはソーラーパネルらしきものが備え付けられており、ラッキービースト(ボス)によって電池がセットされました。1時間ほどで充電が完了するという話を聞き、店内で充電が終わるのを待つことになります。

 

屋上から店内に戻ってきたかばんちゃんは、店内の照明が消えていることに気が付きました。アルパカによれば「電池を充電している間、店内のほかの電気製品は使えなくなる」とのこと。それでも「お客さん全然こないから大丈夫」と明るく振る舞うアルパカでした。

 

これまでラッキービースト(ボス)の説明でしかわからなかった「ジャパリバスの充電設備」が初めて視聴者の前に登場するシーンです。

 

ジャパリカフェにとっても重要な発電設備

アルパカは、かばんちゃんから電池が充電できる場所を尋ねられると、それが「屋上」であることに即座に気が付きました。これは普段から屋上の設備に注意を払っている証でしょう。

 

電池の充電を初めた直後に判明するように、カフェの給湯設備や証明といった電気が必要な機械類は、屋上のソーラーパネルから供給される電力によって動いています。アルパカはすでに一定の期間このジャパリカフェを運営しているのでしょうから、そういった仕組みは体感的に理解しているはずです(あるいは、図書館で博士に教えてもらったのかもしれません)。

 

発電設備からアニメの時間経過を考察できるか?

1~2話までの描写から、ジャパリパークは「かつて人間向けのテーマパークであった」ことがわかっています。アルパカが言うように、ソーラーパネルと電池の充電器、およびジャパリカフェ本体を作ったのはフレンズではなく、パークを整備した人間の手によるものでしょう。

 

ちなみに、「グリーンエネルギーナビ」の下記ページによれば、太陽光発電設備は「メンテナンス不要で20年動かせる」とのことです。

 

https://www.green-energynavi.com/library/articles/maintenance.html

 

仮にジャパリカフェの太陽光発電設備が作られてから20年以内であれば、メンテナンスがなくとも動作しているのは合点がいきます。ここから、「けものフレンズのアニメは、ジャパリパークから人がいなくなってから20年以内の出来事」と考察することも可能ですが、ことはそう単純ではありません。

 

なぜなら、太陽光発電が動いているとはいっても以下のような可能性も考えられるからです。

 

  • 現在よりも化学が発達した世界の話で、メンテナンスまでの期間が長い
  • 耐用年数は過ぎているが、故障がないので問題なく動いている
  • ラッキービーストが定期的に整備しているので、メンテナンスは行われている

 

以上のような可能性が考えられるので、このシーンをヒントにけものフレンズの時系列変化を推測するのは難しいと考えられます。

 

ただし、ラッキービーストについては「バスや遊園地、ロッジの外観などは整備していなかった」ことから、太陽光発電設備のように精密な機器の整備を行う機能はないのかもしれません。

 

そもそも、ひとりで屋上に登れるのかという点も疑問です。

 

以下の会話は、電池を充電器にセットした一行が階段を降りてくるシーンのセリフです。

 

かばんちゃん:あれ?ちょっと暗くなりました?

アルパカ:あー、それね。

トキ:紅茶っていうの、飲んでみたいわ。

アルパカ:あー、それがさっきの線を抜いたらお湯が止まっちゃうんだ。

かばんちゃん:ごめんなさい。大丈夫なんですか?

アルパカ:大丈夫、大丈夫。お客さん全然こないから。あーその「充電」?が終わったら一杯入れるよ。

 

照明をオフにすることで「電気が使えない」ことをビジュアルで表現

かばんちゃんは店内の照明が消えたことに即座に気が付きます。この点は私が過去の考察の中で紹介したとおり、「外見的な特徴(特に、他社との差異)に関心が強い」というかばんちゃんのキャラクター性を強く反映しています。

 

「室内が暗くなった」という点が視聴者にもわかりやすいように、屋上にいく前と後とでは「室内灯の明かりが消えている」というビジュアル的な変化があります。もし、「電気は普段じゃパリカフェで使われている」ということを表現したいのであれば、単にトキに「紅茶が飲みたい」と言わせ、アルパカに「充電中は電気が使えない」と答えさせるだけでもよかったはずです。

 

しかし、おそらくそれでは視聴者にわかりづらいと考えたのでしょう。かばんちゃんが室内が暗くなったのに気がつくという演出が加わったのはよりビジュアル的な若いやすさを追求したからだと考えられます。

 

アルパカが言った「さっきの線」とは何か?

アルパカはかばんちゃんの問いかけに答えようとしますが、答える前にトキが「紅茶を飲んでみたい」と言ってきました。アルパカからの回答は、2人の疑問両方に対する答えになっています。充電すると電気が使えなくなり、それによって「店内の照明は消え」、「お湯は出せなくなってしまう」のです。

 

アルパカは「さっきの線」を抜いたからお湯が使えなくなったと言っていますが、「さっきの線」とはなんでしょうか?直前のシーンを見返しても何らかの線を抜く描写はありません。

 

屋上のシーンを見返すと、ソーラーパネルと充電器、そして充電器とジャパリカフェがそれぞれ配線で接続されていることが確認できます。充電器からジャパリカフェ側に伸びた配線は、おそらく室内で使う機械設備につながっていると考えられるため、アルパカのセリフにあるのは「ラッキービーストが充電のためにその配線を一時的に切った」という意味でしょう。

 

給湯器から直接お湯を注いで紅茶を作っている?

アルパカのセリフにはもう1点気になる部分があります。それは「電気が使えないとお湯が出せなくなる」という部分です。

 

一般的な家庭であれば、電気が使えなくても紅茶を飲むことは難しくありません。ガスがあるならコンロを使ってお湯を沸かせばいいからです。このことからジャパリカフェにはガスを供給する設備は備わってないことがわかります。

 

また、お湯を「出す」と表現している点も気になります。我々の社会では仮にガス設備のない「オール電化」の家であっても、紅茶を飲むのに「お湯を出す」という表現はしないはずです。たとえば、ケトルなど電気の熱でお湯を作れる機会を利用し、水を暖めることでお湯にして使うのが一般的でしょう。

 

念のため映像を確認すると、ポットのようなものが2つと金属の手鍋がひとつ見えます。コンロのようなものは確認できず、またお湯が出てくるらしき蛇口も見えません。

 

このことから、もしかするとアルパカは「電気給湯器から出てくる温水の温度を上げて、それを直接注いで紅茶を作っているのではないか?」と考えることもできます。我々人間が考えるとちょっと豪快な方法ですが、自力でお湯を作り出す方法すら知らないであろうフレンズにとっては、そのほうが簡単なやり方なのかもしれません。

 

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Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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