2017年6月7日、所要で京王線・小田急多摩センター駅周辺まで行ってきました。何気なく辺りを歩いていると、近くの土手に2頭のヤギがいるのを発見しました。「なぜこんなところにヤギが?」と気になり思わず写真を取ってしまいました。
調べてみると、多摩市ではヤギを活用した除草を2016年から行っているようです。
以上のサイトで詳しく詳細が書かれていますが、多摩市が「ヤギ除草」を行う目的は、
- 草刈機などの騒音がなく静か
- 草の処分が不要なので環境に優しい
- 急斜面など人が除草しにくい部分の除草に適している
- ヤギがいることで周囲の人に癒やしを与える
といった効果を期待しているようです。せっかくですから、「ヤギ除草」に学んで「ヤギをマーケティングに活用する方法」を考えてみましょう。
ヤギを活用したマーケティング
実は、ヤギ除草もその一部においてはヤギをマーケティング的に活用しています。実際、多摩センターにも
多摩センターまで、ヤギたちに会いに行ってみませんか?
とあり、あわよくばヤギを集客に活用したい意図が見て取れます。
ヤギを見て癒やされるのは、近隣住民ばかりとは限りません。それこそ、動物園などと同じように「ヤギを目当てに多摩センターを訪れる人」も期待できるはずです。もちろん、そう仕向けるためには相応の準備を行う必要はありますが。
動物を使ったマーケティングは珍しくない
動物をマーケティングに活用している事例は決して珍しくありません。「女性・子ども・動物」は「広告の三要素」とも呼ばれており、「これらを使った広告は必ずヒットする』と言われることもあります。
近年メディアなどで取り上げられた事例としては以下の様なものがあります。
こちらは栃木県にある居酒屋ですが、「料理をサルが運んでくれる」という点が外国人観光客を中心に人気となり、SNSで知名度がアップしテレビなどで何度も紹介されました。
旅館の中には、「看板猫」を使って集客に活用しているところもあります。今では温泉に浸かるのではなく「看板猫に会う」ことを目的に宿を訪れるお客のほうが多くなってしまったところもあるとか。
動物を使ったマーケティングのポイント
- 「動物に会いたい」という新たな訪問の動機を生み出せる
- 動物を映した画像や動画などが、SNSで拡散することが期待できる
- 動物を通じて今までは気づけなかった潜在的な需要に気づける場合がある
ヤギを始め、動物をマーケティングに活用すると以上のような利点があります。多摩センターの場合はあくまでも「除草」がヤギの仕事であり、マーケティングには積極的に活用していないようでしたが、私はとてももったいないことだと思います。
動物によるマーケティングは、意図せず始まる場合も多い
このヤギたちが除草しているのは急な斜面であり、注意していないと見落としてしまうことも十分に考えられます。仮にマーケティングとしての意図を全く考えないとしても、「市民に対して行政の取り組みをプレゼンする」という観点から言えば、もっと「ここにヤギがいる」という点を積極的にPRしてもいいでしょう。
先にご紹介した「猿がいる居酒屋」や「看板猫がいる旅館」も、最初からマーケティングを目的に動物を負いていたわけではありません。最初からいた動物をたまたま一部の人が見つけ、SNSで拡散した結果人気に火がついたのです。
知名度アップの種は、一体どこにひそんでいるかわかりません。もし魅力的なコンテンツを持っているのなら、その存在をPRして多くの人に「存在を知ってもらう」ことが何より大事なのです。