ポプテピピック第8話「#8 飯田橋の昇竜 ~復讐のピピ~」を考察

今回はポプテピピック8話の見どころ、面白さの秘密を考察します。毎回、起用される声優が注目されがちな本作ですが、声優以外にも細かい見どころが満載です。

ポプテピピック第8話「#8 飯田橋の昇竜 ~復讐のピピ~」の内容まとめ

キャラクターボイス

Aパート: 諸星すみれ(ポプ子)、田所あずさ (ピピ美)

両者の共演作品:

http://lain.gr.jp/voicedb/individual/costar/2700/cowork/2808/page/6

Bパート:小野坂昌也(ポプ子)、浪川大輔(ピピ美)

両者の共演作品:

http://lain.gr.jp/voicedb/individual/costar/489/cowork/265/page/1

ベーコンムシャムシャくん

「ベーコン食べるの大好き」と自称するベーコンムシャムシャくんが登場。フライパンに油をしき、ベーコンを炒めて食べようとする。フライパン上のベーコンにそのまま手を伸ばしてしまったため、あわややけどしかけてしまう。(A・BパートでCVと作画が異なる)

#8 飯田橋の昇竜 ~復讐のピピ~

綱走(つなはしり)刑務所に収監されている囚人のポプは、同じく囚人のピピと獄中で出会い、兄弟の契りを交す(ただし、酒がないので代わりにレモンをすすった)。当時、広島で急速に勢力を伸ばしていた指定暴力団・竹生会の若頭だったピピの導きで極道となったポプは、対立する組との抗争や暗殺で名を馳せることになった。

警察による暴力団への締め付けが厳しくなる中、竹生会では稼ぎのためにYoutuberに手を出す組員が現れる。Youtuberを「外道」と考えるピピは憤りを募らせるが、後にそれは自身が親父と慕う竹生会会長・飯田橋二七三の指示によるものであった事実を知る。Youtuberに対する姿勢の違いから、ピピは飯田橋に盃を返し、ポプと2人で竹生会を脱退する。

しかしその後、竹生会からの報復によりポプが襲撃、暗殺されてしまう。竹生会によって営まれていたポプの葬儀に姿を現したピピは、「ワシら、どこで道間違ごうたんかのう」と、ポプの棺に問う。

そして、ピピはおもむろにもってきたスーツケースの中から、「ポプテピピックのアンチ」を取り出した。アンチはポプテピピックの単行本を読みながら「サブカル女のこと、嫌いって言っときながら結局サブカル女に媚び売ってるんだよなぁ」と感想を漏らす。その瞬間、死んだはずのポプは目を覚まし、アンチの頭を目掛けて3発の銃弾を発射。ピピは上着をはだけ、中に仕込んでいた大量のダイナマイトを周囲の竹生会構成員に見せつける。2人はそのまま葬儀会場を爆破。オープンカーに乗ってどこへともなく走り去っていった。

ボブネミミッミ「エイサイハラマスコイおどり」

「エイサイハラマスコイおどり」という踊りを考え出したボブ子。「流行るかな」とミミ美に問いかけるが、ミミ美は「流行らんわ」と冷たく突き返してしまう。ショックを受けたボブ子は、電車やフェリーに乗り込んで自由の女神の上まで走り去る。慌てて追いかけたミミ美は「絶対流行る」とボブ子を励ます。自信を取り戻したのか、自由の女神の頂上でボブ子はエイサイハラマスコイおどりを披露した。

お土産

ピピ美からお土産を手渡されたポプ子。最初は「よくお土産屋に売っている中二臭いキーホルダーか」とがっかりした様子だったが、突如キーホルダーが喋りだす。ピピ美のお土産は本物のマジックアイテム「ロードカラミティ」だった。ポプ子は打って変わって感心した態度に。

前髪切りすぎた

前髪を切りすぎてしまったポプ子とピピ美。「自分も(前髪を切りすぎた)」として、ジョン・マクレーン(映画「ダイ・ハード」シリーズの主人公)、アルシンド(サッカー選手)、フランシスコ・ザビエル(宣教師)の3人が名乗り出る。2人はマクレーンとアルシンドを拒絶し、ザビエルだけを受け入れた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3_(%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%89%A9)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%AB

絆創膏

膝を擦りむいてしまったピピ美。本人はいたって冷静だが、目の当たりにしたポプ子は大きく動揺してしまう。絆創膏を貼ろうとするが、焦るあまり手付きがおぼつかず、最終的には自分が大きく回転してしまった。ピピ美は「そうはならんやろ」とつぶやき、制服のリボンで膝を縛って応急処置を施す。

ボブネミミッミ「行動力の化身」

ミュージックビデオ(MV)を自作したというボブ子を「行動力の化身」と称えるミミ美。しかし、ポプ子が作ったMVの出来は非常にひどいものだった。思わず「今すぐそのテープ焼き捨てて!」と言ってしまったミミ美だったが、ボブ子は「わかった」と即答。言葉通り火中にテープを投げ込む。ミミ美は改めてボブ子を「行動力の化身」と称えた。

POP TEAM 8BIT(格闘ゲームのパロディ)

「GUILTY GEAR XX」を思わせる2D格闘ゲームのような世界で戦うポプ子とピピ美。さまざまな格闘ゲームのパロディ技を繰り出しあい、最後はピピ美が勝利を収める。

https://ja.wikipedia.org/wiki/GUILTY_GEAR_XX

ポプテピピック昔ばなし

佐藤美代氏によるサンドアートで、「まんが日本昔ばなし」のパロディが描かれる。

「花咲かじいさん」に扮したポプ子は、枯れ木に向かって粉末を投げかけ、きれいな花を咲かせる。しかし、ポプ子が投げていたのは灰ではなく小麦粉だった。「騙された」と笑いながら逃げるポプ子を、木が必死に追いかける。

http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=21

より具体的な流れを確認したい方は、本編視聴するかこちらのリンク先を参考にしてください。

http://anicobin.ldblog.jp/archives/53032359.html

パロディの元ネタに関する詳細な解説は、以下のリンク先が参考になります。

http://mr-bluesky.hatenablog.jp/entry/2018/02/25/203940

https://matome.naver.jp/odai/2151951656444952001

ポプテピピック8話のポイント

8話のテーマは「オーバーリアクション」か?

私はポプテピピック8話のネタのテーマは、「オーバーリアクション」だと考えています。ほかの表現としては「狂気」という言葉を選んでもいいのかもしれません。どちらにしても「本来、それほど大騒ぎするようなことではないものに、大きな反応を示している様子」を描いたネタをチョイスしていると思います。

アニメオリジナルパートである「#8 飯田橋の昇竜 ~復讐のピピ~」は、Youtuberという犯罪でも何でもない行為をピピが問題視したことから悲劇が始まりました。従って「ワシら、どこで道間違ごうたんかのう」というピピのつぶやきは、本来Youtuberを問題視した自身の行動に対して向けられるべきものだったといえます。

その後、死んだはずのポプはアンチに対する怒りから目を覚ましていますが、このシーンもまたポプテピピックという作品自体、あるいは主役の2人に対する皮肉になっています。なぜなら、「サブカル女を嫌いながらも媚を売っている(好悪よりも利益を優先している)」というアンチの指摘が正しいとすれば、「Youtuberを外道と認識しながら利益のために黙認している竹生会」を批判する資格が2人にはないはずだからです。

ポプテピピック8話の演出意図を考察

しょうもないネタを面白く描く

オーバーリアクションが今回のテーマだとすると、ネタそのものの内容は「しょうもないことであればあるほど」面白くなります。「騒ぐほどのことではないものに騒ぐ」というのがオーバーリアクションの本質である以上、普通だったら大騒ぎしないような内容に対して騒ぐことに意味があるからです。

「ベーコンムシャムシャくん」や「花咲かじいさん」のネタなどは、とてもわかりやすい例でしょう。ムシャムシャくんは、いかに好物とはいえ落ち着いて食べたらよかっただけですし、小麦粉を撒いて花が咲いたからといって、誰も困る人はいません。

8話は「リアクション」で笑いを取りにいっている

ネタそのものは本来「つまらない」はずのものですから、それを笑いに変えるのはキャラクターたちの「リアクション」の力です。実際、8話をご覧になった方は自分が笑ったポイントを思い出してみてください。おそらくネタそのものではなく、それを演じるキャラの描画や、声優の演技などのリアクションが面白かったのではないでしょうか。

このように、一見同じような内容を繰り返しているように見えても、実際には毎回違うポイント、違う方法で笑いを取る工夫が見られるのが、ポプテピピックという作品の特徴だと言えるでしょう。