【Bパート パークにおけるヒトとロボット】
フレンズたちの会話によって、新たな発見や今まではよくわからなかった謎が明らかにされていきます。今度は、ギンギツネとキンシコウ、博士と助手らが会話しています。
ギンギツネ:かばんの話を聞くに、ヒトが積極的にセルリアン対策に動いていたみたい。
ワシミミズク(助手):なるほど、それでヒトの近くにセルリアンが。
アフリカオオコノハズク(博士):むしろ「セルリアンの近くにヒトが」ということですね。
キンシコウ:パークを守ろうとしたその気持ち、わかる気がします。
リカオン:ボスは大丈夫だったんですか?
サーバル:うん、なんかすごくちっちゃくなっちゃったけど平気みたい。でも相変わらず私とは喋ってくれないんだよ~。
スナネコ:本当にサーバルと喋ったのですか?
サーバル:ホントだよ!ヒトに危害がどうのしたら喋っていいとかって・・・。
かばんちゃん:あっ、サーバルちゃん、僕に「食べちゃうぞ」って言ってみて。
サーバル:えっ?なんで?食べないよ?
かばんちゃん:ちょっと思いついたんだ。
サーバル:じゃあ・・・うー、がおーっ!食べちゃうぞー!
かばんちゃん:食べないでくださーい!
ラッキービースト(ボス)サーバル、食べちゃダメだよ。
フレンズたち:サーバルに喋った!
かばんちゃん:こうすればお話できるんじゃない?
サーバル:やったー!
「ヒトが残したもの」を受け継いだフレンズたち
ギンギツネとキンシコウ、博士・助手らは「ヒトのそばにセルリアンがいることが多かった」という謎について会話していました。まずギンギツネがかばんちゃんから聞いた話として、「ヒトが積極的にセルリアン対策に動いていた」と3人に伝えています。これはおそらく、ラッキービーストの録画で知ったミライさんの行動についてのことを語っているのでしょう。
今回はなんとか超巨大セルリアンを退けることができましたが、サンドスターの出る山がある限り、何かの拍子に再度フィルターが崩れて超巨大セルリアンが姿を表さないとは限りません。フィルターとサンドスター・ロウの関係などはほかのフレンズたちとも共有しておくほうが懸命です。
博士と助手は、「この島の長」を自称し、フレンズたちに様々な知恵を与える存在です。彼女たちの知識は基本的にジャパリ図書館に蓄えられたヒトの書物に由来しており、ラッキービーストとともに、ジャパリパークの管理を引き継いでいる立場だといえるでしょう。同じように、「セルリアンと戦いフレンズを守る」という使命を持ったセルリアンハンターのキンシコウも、かつてヒトが担っていた仕事を受け継ぐフレンズだといえるでしょう。
ギンギツネは彼女たちと違い、特別な役割を帯びているわけではありませんが、「温泉」というヒトが残した施設の中でもかなり複雑な設備に日常的に触れていました。ヒトが今までパークに対してどのような貢献をしてきたのか、実を持って知っていたはずです。
サーバルがかばんちゃんという個人を通じて「ヒト」という動物を知ったように、彼女たちもまた「かばんちゃん」がヒトの代表的な存在だと思っています。かばんちゃんがパークやフレンズたちにどう接していたのか見ていれば、「ヒトがセルリアン対策に動いていた」という事実もすんなり受け入れることができたことでしょう。
サーバルと会話するラッキービースト
かばんちゃんの周囲にいるフレンズたちは、現在のラッキービーストの状態について話し合っていました。サーバルが「小さくなってしまったが問題ない」と説明すると、フレンズたちの感心はすぐに「ラッキービーストがサーバルと会話した」という部分に移ります。
特にからかい半分、冷やかし半分といった形で疑問を呈したのがスナネコです。彼女は4話「さばくちほー」で登場したときも「喋るボス」に興味を示しており、その時と同じように珍しい現象に興味を持ったのでしょう。ちなみに4話でも「ラッキービーストはかばんちゃんとしか喋らない」という話をサーバルから聞いています。
かばんちゃんの思いつきにより、サーバルがかばんちゃんを襲うふりをして「ヒトの緊急事態対応時のみ、フレンズに干渉できる」という条件をみたすことで、みんなの前でサーバルとも会話できることが証明されました。周囲にいたフレンズたちは皆驚いていましたが、どういう理屈で会話ができたのか理解したのは、おそらくヒグマとツチノコくらいだったでしょう。
かばんちゃんの存在がフレンズにも、ロボットにも変化を与えた
非常に限定的かつ、あまり融通の効かない方法ではありますが、この方法によってラッキービーストは、フレンズとも会話できるようになったわけです。この方法は言うまでもなく、かばんちゃんがその場にいなければ使えません。ラッキービーストが腕時計型のデバイスとなって、かばんちゃんに装着されたことと考えると、象徴的な意味合いを感じさせます。
ラッキービーストはヒトに作られたロボットです。ヒトによって与えられたことをこなすのが役割で、自分自身でその生き方を決めることはできません。ラッキービーストは「パークガイド」という役割を与えられながら、ヒトが定めたルールによってフレンズと自由に会話することは禁じられていました。「かばんちゃん」というヒトが新たに出現したことによって、この役割に変化が加えられ、フレンズとも会話できるようになったわけです。
かばんちゃんの誕生により、パークは大きな影響を受けました。様々なフレンズたちの生き方や考え方が変化し、おまけにロボットまで、その存在意義が変えられてしまったのです。かばんちゃんは「旅の中でいろんなフレンズに出会って助けてもらった」と語っていますが、かばんちゃんが多くのフレンズを救い、影響を及ぼしたのもまた否定できない事実だといえるでしょう。