ライティングは「構成指示書」が9割

以前、オウンドメディアの記事は「工業製品である」という記事の中で、「記事仕様書(構成指示書)」についてお話しました。ライティングの仕上がりは、構成指示書のでき次第であるといっても過言ではありません。良い構成指示書とはどのようなものか学び、記事の質をあげる参考にして下さい。

 

構成指示書は、広告代理店が作るか、ライターが作るかの2通り

構成指示書の作り方は、通常2パターンに分かれます。「広告代理店が作ってライターに渡す」か、「執筆担当のライターが自分で制作する」かです。まれに「クライアントが制作し、代理店を通じてライターに渡す」というパターンもあります。

 

構成指示書をうまく作れない広告代理店も多い

まず、広告代理店が制作するパターンについてご説明していきましょう。この場合、代理店が構成指示書をつくる目的は「クライアントに注文通りの記事を作ったと証明するため」です。広告代理店は、オウンドメディアやホームページの記事を作りたいクライアントから注文を受けて、ライターに記事制作の依頼を出します。このとき、クライアントからの要望を要約する形で構成指示書をつくるのです。

 

このやり方は、広告代理店がライティングに関する経験が薄い場合問題となります。なぜなら、ライティングのためのインプットとして構成指示書が不十分なものになっている可能性もあるからです。「代理店はプロなんだから、そんなこと起きないだろう」と思うかもしれませんが、意外に広告代理店はライティングのことを全く知らないケースも少なくありません。この理由についてはまたの機会にお話したいと思います。

 

ともかく、ライティングに関する知識の薄い代理店が多いということは、構成指示書のクオリティが下がり、その結果、できあがる記事のクオリティも下がる、という事態に陥ることも多いと言えるでしょう。正直言って、こうした事態を完全に防ぐのは難しいといえます。リスクを減らすには、複数の代理店に記事制作を依頼し、クオリティが高い記事を上げてくる代理店にのみ継続して発注する、といった発注方法が有効です。

 

ライターが構成指示書を作ると、ライティング単価が高くなりやすい

では、ライターが構成指示書を作る場合はどうなるのでしょうか?ライターと一口に言っても、実際には主婦や学生のアルバイトレベルの人から、専業のプロまで幅広い層の人々がいます。構成指示書を作れるのは、このうち専業のプロレベルの人々だけでしょう。実際、構成指示書を作れる実力があるということは、実質的に編集者・校正者としての仕事もできるレベルの実力があるといえます。

 

このやり方の問題点は、ライティング単価が高くなりやすいということです。スキルの高いライターに高度な仕事を頼むわけですから、ある意味では当然ですね。しかし、記事あたりのコストが増えるとオウンドメディアの運営が難しくなるので、こちらの方法を取りたくても取れない、というクライアントも少なくありません。

 

現実的には、まず代理店が構成指示書を作り、その後メディアのクオリティを上げるために構成指示書から作る実力を持ったライターを雇う、というやり方で進めていくのがいいでしょう。

 

 

私は専業ライターで、仕事の上でも構成指示書を作った経験があるので、個人的には構成指示書はライターが作ったほうがいい、と考えています。しかし、オウンドメディアは通常アクセスが集まるのに時間がかかる上に、なかなか売上増への貢献が見えにくいものです。よって、メディア運営担当者が、上司などから「記事1件作るのにこれだけのコストをかける価値があるのか?」と問われたとき、社内への説明ができず、仕方なく安価な方法を取る、という問題もあるようです。

 

構成指示書がライティングの質を決める」のと同じように、記事の質がメディアの質を決めます。これを頭ではわかっていても、なかなか実行に移せないクライアントは少なくありません。オウンドメディアの運営をいかに早期に利益増に結び付けられるかが、その後のマーケティングの展開を大きく左右するのです。

 

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コンテンツの魅どころ

Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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