「NHKバーチャルのど自慢2019」の感想

2019年1月2日、NHK総合テレビにて「バーチャルのど自慢2019」が放送されました。人気のバーチャルYoutuberたちを集め、その歌唱力を競うという内容でしたが、2018年の流行語にも選出されたバーチャルYoutuberがついにNHKに進出を果たしたとしても話題を集めました。この記事では、本番組の内容を私の感想とともに振り返りたいと思います。... 続きを読む

オウンドメディアの立ち上げ・失敗でよくある事例3パターン

ブログなどのWebメディアを使って新規顧客獲得を図る「オウンドメディア戦略」ですが、なかなかうまくいかず失敗してしまうことも多々あります。今回は、そんなオウンドメディアのよくある失敗を3パターンにわけてご紹介しましょう。よくある失敗とその原因・理由を知っておけば、これからオウンドメディアを立ち上げ、運営していく方にとってよい教訓となるはずです。  

失敗パターンその1:企画を練りすぎてスケジュールが遅延する

ここでいう「企画」とは、オウンドメディア全体の方針・戦略という意味でもあり、新しく作成する個別記事の企画という意味でもあります。オウンドメディア全体の企画については、立ち上げ時に検討を行う必要がありますが、ここで少しでも良いメディアを作ろうとするあまり、方針が定まらずなかなかスケジュールが前に進まなくなってしまうことも少なくありません。   同様に、ブログなどに新しい記事を追加する際、企画を練りすぎてしまってスケジュールの遅延を招く場合があります。特に現在は、SNSなどで情報が爆発的に拡散する「バズ」が発生することもあるという点が、状況を複雑にしています。   本来であれば、オウンドメディアは検索エンジンからの流入を増やすのが王道の戦略です。しかし、SNSで記事がバズれば、検索エンジンだけでなくSNSからも大量の読者流入が見込まれます。そのため、「検索エンジンに評価されるだけでなく、SNSで拡散するような面白い記事を作ろう」と考えてしまい、どんどん記事に求める要件が複雑になっていくという事態が発生してしまいがちなのです。  

対策:予算やスケジュールをベースに企画を定める

ひとつ覚えておいてもらいたいことは、オウンドメディアを用いたマーケティングには常に不確実性がつきまとう、ということです。たとえば、どれだけSEO(検索エンジンで上位表示を狙う最適化)を行ったとしても、狙ったキーワードで自社の記事を上位表示できるとは限りません。同様に、SNSで何がバズるのか事前に予測することは非常に困難です。   つまり、今目の前にある記事の企画を完璧にしたところで、それに伴う結果が得られるかどうかは未知数だということです。従って、ある程度の完成度まで企画を仕上げたらスケジュールを前に進め、すぐに次の企画に着手していったほうがいいでしょう。   オウンドメディア全体の企画や、個別の記事企画を行う際は、最初に予算とスケジュールを決定し、それをベースにしていつまでに企画を決めるか、期限を設定しておくと工程の遅延を防げます。   マーケティングは基本的にトライアルアンドエラーの繰り返しです。「トライアル」に完璧を求めていたら、いつまで経っても前には進めません。「完璧でなくとも常に前進していくことが大事」だということを覚えておいてください。  

失敗パターンその2:記事のディレクション(編集作業)でつまづく

記事のディレクション(編集作業)とは、ライター(書き手)が仕上げた記事を定められた仕様に沿うように編集していく作業です。具体的には誤字脱字などの校正やコピペチェック、記事の主張がメディアの方針に沿っているかといった点を確認していきます。   通常は、あらかじめメディア全体で記事の仕様(アウトラインなどとも言います)を決めておき、それに合わせて「このように執筆してください」という形でライターに指示が出されます。従って、ライターが指示を遵守できている限りに置いては編集作業の手間はそれほど大きくはなりません。   しかし、文章で表現できる内容は非常に多岐にわたるため、ときにはライターに正しく意図した指示が伝わらず、無駄なディレクションの手間が増えてしまう場合もあります。たとえば、若い女性向けに化粧品などの商品を紹介するオウンドメディアを運営していたとしましょう。このとき、想定読者に受け入れてもらいやすいように、「記事の口調はソフトでフレンドリーに」といった仕様を定め、ライターに指示を出していたと仮定します。ディレクションでどんな問題が発生する可能性があるでしょうか?   こうしたケースでは、「仕様の意図するところがライターに正しく伝わらない」という可能性があります。「ソフト」、「フレンドリー」といった言葉は、とり方によっていかようにも解釈できるため、依頼者の側が想定していたよりも遥かに砕けた口調で記事が仕上がってくる可能性もあるからです。たとえば、最近の中高生が使っているような若者言葉が使われた、企業ブログとしては好ましくない文章が作られてしまう恐れもあるでしょう。  

対策:仕様は明確に言語化でき、解釈に違いが生じないように決める

先ほどご紹介した例の問題点は、「仕様に解釈の幅が存在する」という点です。たとえば、家やビルなどの建築物や、プログラミングによって作られるソフトウェアなどの仕様は、作り手の解釈によって左右されません。どこをどのような寸法にするのか、どんな材料を使うのかといった点が明確に、誤解の余地なく定められています。オウンドメディアの記事仕様も同じようにして設定するべきです。   では、先ほどの「若い女性向け化粧品メディア」の場合は、どのように記事仕様を設定すればよかったのでしょうか?「若い女性に受け入れられやすいような口調の記事」を作りたいのであれば、たとえば「語尾はですます調にする」、「1記事中に3~4回、末尾に♪や☆などの記号を仕様する」といった仕様にする方法が考えられます。こういった具体的な書き方の指示であれば、人によって解釈に違いは生じません。「若い女性にとってのソフトでフレンドリーな記事」というイメージを、発注者の側が明確に定義した上で指示を出す必要があったわけです。  

失敗パターンその3:ライターのマネジメントでつまづく

すでに述べてきたとおり、オウンドメディアの運営では記事の仕様を決めた上で外部のライターに記事作成を発注をするのが一般的なやり方です。このとき、ライターのマネジメント(管理)に失敗して運営が頓挫してしまう場合があります。   たとえば、月に30件・1日に1件のペースで記事を公開していくオウンドメディアを運営しているとしましょう。その場合、毎月30件の新規記事を作成しなければなりません。ではこのとき、何人のライターにそれぞれ何件記事作成を依頼し、いつまでに提出するよう指示を出せばいいでしょうか?   理論上は、30人のライターを雇って1件ずつ記事作成を依頼しても、1人のライターに30件の記事作成を依頼してもスケジュールを守ることは可能です。しかし、実際にやってみるとそううまくことは運びません。「ライター」といっても、そのスキルや得意ジャンルはひとによって千差万別、求める報酬額もそれぞれ異なります。限られた予算の中で最適な人員配置を行うのは簡単ではありません。   「できるだけお金をかけず、安定的に、スケジュールを守って記事作成を進めたい」というのがオウンドメディア運営者の共通する願いだと思いますが、そのレベルまで考える以前にメディア運営が暗礁に乗り上げてしまうこともあります。「ニッチなジャンルなので、書き手が1人も見つからない」、「書き手の人数は確保できたが、仕上がった記事を確認したら全部イメージとはかけ離れた仕上がりだった」という事態は非常によくある話です。広告代理店や編集プロダクションなど、普段からライターのマネジメントを業務にしている方であれば、「あるある」とうなずいていただけるのではないでしょうか。  

対策:メディア運営を中断し、ノウハウを持ったプロに相談する

ライターのマネジメントは非常に難しい作業です。一朝一夕に解決する簡単な方法ははっきりいってありませんが、予算とスケジュール、人員に余裕を持って進めれば問題が生じても対応する余力を残しておけるでしょう。   正直にいって、この点で問題を抱えてしまった場合、解決するのは極めて難しいと言えます。ライターのマネジメントノウハウを持った広告代理店や編集プロダクションに相談するか、オウンドメディアの運営自体を一旦休止し、ゆっくりと対策を練ったほうがいいでしょう。ライターのマネジメントに問題を抱えたままメディア運営を続けると、さらに問題が根深くなり、より解決するのが難しくなります。慢性的に予算の不足とスケジュールの遅延に悩まされる、やっかいなメディアが生まれてしまうかもしれません。  

 3つの失敗はどれが一番厄介?

今回は、オウンドメディアの立ち上げや運営中によく遭遇する失敗例として、3つのパターンをご紹介してきました。私自身は、お伝えした3パターンそれぞれの解決難易度は次の順番になると思っています。   3.ライターのマネジメントでつまずく 2.記事のディレクション(編集作業)でつまずく 1.企画を練りすぎてスケジュールが遅延する   ちょうど、3→2→1のパターンで、後から紹介した失敗のほうがより解決が困難だと考えています。現在、自力でオウンドメディアの運営に取り組んでいる企業や団体の方は、これらの失敗に直面したら、まずはご紹介した対策を試してみてください。   1はおそらく、やり方を間違えなければ自力で解決することも不可能ではないはずです。2についても、ある程度オウンドメディア運営の経験を積んでいれば自力で解決できるでしょう。3については、どうしてもある程度の知見がないと解決するのが難しいので、無理をせず専門の会社にサポートを依頼したほうがいいでしょう。   私自身は、個人としてコンテンツマーケティングのコンサルティング業を営み、また編集プロダクションにディレクター・ライターとして所属し、クライアントからの依頼を受けてこれらの問題解決に取り組んでいます。もし、この記事を読んで思い当たる部分があり、話を聞いてみたいという方がいたら、気軽にご相談ください。... 続きを読む

広告代理店やSEO会社がやっているブログ記事の作り方

新規顧客の獲得、見込み客の集客のためにブログなどのメディアを運営する企業は少なくありません。通常は広告代理店などに依頼してメディア運営を行うことが多いですが、なかには完全に自力でのメディア運営に挑戦している企業や団体も存在します。そうした企業・団体の方の参考のために、今回は広告代理店やSEO(検索エンジン最適化)会社がどのようにブログの記事を作っているのか、一般的な作り方をご紹介しましょう。  

キーワードを決定する

ブログに限らず、Webメディアの大半はGoogleやYahooなどの検索エンジン経由で閲覧者を獲得しています。試しに、自分が検索エンジンで調べ物をする場合のことを考えてみてください。たとえば、「渋谷で人気のラーメン屋さん」について調べるケースを想定してみましょう。おそらく、「渋谷 ラーメン屋」といったようなキーワードを入力して検索を行うのではないでしょうか。   このように、検索エンジンの利用者は、調べたいことに関連するキーワードを入力して検索を行います。ブログの記事を一人でも多くの閲覧者に観てもらうためには、ひとつひとつの記事に対して任意のキーワードを設定する必要があるのです。  

どんなキーワードを設定するべきか?

多くの企業やブログは、見込み客や新規顧客獲得のためにブログを運営しているはずです。したがって、将来自社の商品やサービスを購入してくれそうな人が検索してくれるであろうキーワードを選び、それを元に記事を作成することになります。   たとえば、飲食店が集客のためにブログを運営するようなケースであれば「最寄り駅の名前 + 提供する料理のジャンル名(ラーメン、カレー、寿司など)」を設定するといいでしょう。実際には、ブログには複数の記事を作成することになるので、複数のキーワード候補を用意しておかなければなりません。  

集客が期待できるキーワードで上位表示するテクニック

ブログの1記事に対して最低ひとつのキーワードを設定するとしたら、少なくとも作成する記事数と同じだけのキーワードを用意しなくてはなりません。検索者数が多いキーワードで、記事を検索結果の上位に表示させることができれば、より効果的にブログの閲覧者を増やすことが可能です。こうした「検索エンジンで上位表示を狙うためのテクニック」のことをSEO(検索エンジン最適化)」といいます。   広告代理店やSEO会社は、このSEOができるという点をウリにしています。多くの企業や団体がブログの記事作成を代理店に依頼するのは、少しでも上位表示できる記事を作り、ライバルに差をつけるためです。   しかし、SEOは別段難しいテクノロジーが必要なわけでも、特殊な経験を積んでなければできないわけでもありません。ここでは、一般的な広告代理店やSEO会社が、どうやって特定のキーワードでの上位表示を可能にしているのかご紹介しましょう。   SEOの具体的なテクニックは、何も秘密にされているわけではなく、検索エンジンを使って調べれば無数に出てきます。しかし、「ブログの運営自体が初めて」という企業・団体の方にとっては、「いろいろありすぎて何をやったらいいのかわからない」というふうに見えてしまうかもしれません。   実際には、広告代理店やSEO会社が使っているテクニックは非常にシンプルなものです。会社によってもそれほど大きな違いはありません。コンテンツマーケティングの業界でスタンダードな方法をご紹介したいと思います。  

広告代理店やSEO会社の一般的なブログ記事の作り方

SEOツールを使い、キーワード候補を選出する

SEOツールとは、記事のキーワード候補となる単語の組み合わせを抽出できるツールのことです。自社で開発した特殊なツールを用いている広告代理店もありますが、Googleの「キーワードプランナー」と、Yahooが提供する「キーワードアドバイスツール」を利用するケースがほとんどです。   https://adwords.google.co.jp/KeywordPlanner https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/ss_navi14.html   各ツールの操作方法の詳細はここでは省きますが、どちらのツールも基本的にやることは変わりません。「月間の検索数が一定以上の単語の組み合わせを抽出する」というものです。自社の商品やサービスに関連する単語や、見込み客が検索しそうな悩み事、困り事に関連する単語を入力し、キーワードの候補と検索数を複数ピックアップします。   それらのキーワードはあとでチェックしやすいように、エクセルなどに一覧表としてまとめておきます。多くの場合、キーワードとして選ぶのは月間検索数が100~5000前後の単語です。もっと検索数が多いキーワードはいくらでもありますが、検索数が多いほど競争が激しく、上位表示が難しくなります。ですから、適度な範囲のキーワードを選ぶ必要があるのです。  

キーワードを組み合わせて記事に落としこむ

検索エンジンからの集客を目指すには、最低でも、1記事に対してひとつのキーワードを設定する必要があります。たとえば先程の例のように「渋谷 ラーメン」というキーワードを記事に設定したのなら、タイトルや見出し、本文の中に「渋谷」と「ラーメン」という単語が組み込まれるようにしてどのような記事を作るか企画していきます。   これだけでもSEOとしては十分なのですが、もっと手の混んだ方法を用いている広告代理店もあります。たとえば、検索数の多い単語と少ない単語を組み合わせ、ひとつの記事内に入れ込むといった方法です。そうすることで複数のキーワードでの上位表示が狙えるため、トータルでの流入数増やすことができるというわけです。ほかにも、SEOのテクニックとして「競合サイトに含まれているキーワードを分析する」といった手法を用いている代理店も存在します。   ただし、キーワードを盛り込めば盛り込むほど記事の構成は複雑になり、ライティングの難易度が上がります。そのため、私はこういった複雑な方法はあまりおすすめしません。少なくとも、一般的な企業や団体が自力でブログを運営する場合には「1記事1キーワード」を設定するだけでも十分だと思います。  

記事作成をライターに指示する

「キーワードを記事に入れ込む」という作業を経ると、自動的に記事のタイトルや見出しなどが決定されます。広告代理店やSEO会社は、こうして決まったタイトルや見出しを記事の仕様として、外部のライターや編集プロダクションなどに記事作成を依頼します。   あとは、仕上がった記事を確認、クライアントチェックなどを経て公開して終了です。

 広告代理店の作り方を真似する際の注意点

広告代理店が実際に行っている記事の作り方からは、多くのことを学ぶことができます。ブログの主な集客経路である検索エンジンからの流入を増やすためにSEOを実施すると、その過程で記事に使用するキーワードが決定されます。そして、キーワードを記事に入れ込む段階でタイトルや主要な見出しなどが決定され、そこから記事本文の大まかな流れも決まってくることになります。このような作り方でブログ記事を作っていけば、最終的には書き手に執筆の指示を出すだけで記事を仕上げることが可能です。   広告代理店が使っているSEOのテクニックは、すでにご紹介したようにそれほど難しいものではありません。最初は時間がかかるかもしれませんが、自力で行うことも不可能ではないでしょう。   ただし、注意しなければならない点もあります。それは、「記事の仕様が決まっても、それが書ける書き手(ライター)が見つかるかどうかはまったく別問題」だということです。   ご説明してきたように、広告代理店のブログ記事の作り方は、純粋に「どうやったら検索エンジンで上位表示が狙えるか」という点からスタートしています。タイトルや見出しもそういった観点から作り出された「理想の記事の形」に過ぎません。ですから、単純にその方法をなぞっただけでは実際に記事を執筆したときに「話の流れが矛盾なくつながるか」、「読んでいて面白いストーリーに仕上がるか」といった観点はまったく無視されてしまうのです。   もちろん、多くの広告代理店は記事を公開する前にそういった話の流れやストーリーの面白さといった観点からのチェックも行います。しかし、記事の仕様が決定された段階で仕事はライターの手に移るため、仕上がった記事をチェックし修正することによってしか対応することはできないのです。   ライターとのコミュニケーションが上手く行かなかったり、根本的にライターの技量・知識が不足している場合は、理想としている記事を完成できない場合もあります。そのため、ブログ記事づくりの難しさを知っている広告代理店ほど、ライターのスキルを重視しているのです。  

理想を追い求めると、いつまで経っても記事ができあがらない

私は今回の記事の中で「代理店に依頼せず、自力でブログ記事を作るなら、1記事1キーワードで十分」と説明してきました。その理由は、「それ以上キーワードを盛り込んでしまうと記事作成の難易度が上がってしまいかけなくなっていしまうから」です。   企業や団体の方が、代理店に頼らず自力でブログ運営を行うときは、あまりよくばらずシンプルな記事を作るようにしましょう。そうしないと、集客を行うどころか記事がなかなか仕上がらず、せっかくのブログ記事も「絵に書いた餅」になってしまいます。「理想の記事をひとつ仕上げるよりも、普通の記事を10個でも作るほうがいい」と覚えておいてください。... 続きを読む

コンテンツマーケティングにおける「記事」とはどんなものか?

ブログなど、「記事」をコンテンツの主体とするメディアはネット上に少なくありません。コンテンツマーケティングによく用いられるオウンドメディアはもちろん、ニュースサイトやアフィリエイト用の集客サイトなども、基本的に記事がなければ成立しないものです。   しかし、記事コンテンツとはどういったものかをよく理解せずにこうしたメディアの運営を始めてしまうと、「そもそも運営しているメディアがうまくいっているのか?」、「どこをどう変えたら成果を改善できるのか?」がわからなくなってしまいます。   そこで今回は、コンテンツマーケティングにおける「記事」とは一体どんな要素からできているのか、それぞれの要素はどのような意味を持っているのかについてご説明したいと思います。  

記事コンテンツを構成する3つの要素とは?

コンテンツマーケティングとは、「コンテンツ(中身)」によって集客を行うWebマーケティングの一般的な方法です。コンテンツにはいくつかの種類がありますが、主要なものとしては記事・画像(写真・イラスト)・動画などがあります。   ここでいうコンテンツとは、「Webサイトを訪れる人が、それを目的に訪問してくれる対象」、つまりは「サイトの中身」のことを意味しています。たとえば、Yahooニュースを見る人は、「ニュース記事」というコンテンツを見たくて訪問しているわけですし、Youtubeのような動画サイトであれば「動画」がコンテンツ(サイトの中身)です。   今回はそうしたコンテンツの中でも、記事に絞ってご説明していきたいと思います。記事といえば、さきほど例に上げた「ニュース記事」のようなものや、何らかの商品やサービスの説明文、あるいはネット掲示板やTwitterなどの口コミをまとめた文章などがありますが、どれも主体となっているのは文章です。そのため、「記事を構成する要素は文章だけ」と考えている方も少なくないのではないでしょうか。   しかし、それは例えるなら、「人間を構成する要素は体重だけ」というようなものです。この世に体重をもたない人間はおよそ存在しないでしょう。しかし、だからといって人間は体重だけによって形作られているわけでは決してありません。同じように、記事を構成する主な要素は次の3つがあります。  

1.レイアウト

レイアウトとは、Webサイトを形づくる各要素の配置のことです。たとえば、一般的なWebサイトは当ブログのように、最上部に「ヘッダー」と呼ばれる領域がありその下にサイトの主要なコンテンツに飛べる「メニューバー」があります。さらに、サイトの主要部分は2つか3つの列(カラム)にわかれ、記事を表示する領域とその他のリンクや広告を表示する領域などに分かれているケースがほとんどです。   「レイアウトとはWebサイトを構成する要素の一つかもしれないが、記事を構成する要素ではないのでは?」と考えた方もいるかもしれません。つまり、「Webサイト(メディア)」という大きなものの中に、記事(文章)という小さな要素が入れ込まれている、という捉え方です。このように考えればレイアウトはあくまでも「サイトのレイアウト」であり、「記事のレイアウト」とはなりません。   しかし、たとえば雑誌のような紙媒体のメディアをイメージしてみてください。紙メディアにはどれも「表紙」や「裏表紙」、「目次」などがあります。さらにその中はいくつかの項目に分けられており、段組みや写真が載せられる領域に分けられています。これらもWeb同様、雑誌のレイアウトにあたるわけですが、これが雑誌の中に載せられる文章と無関係だと言えるでしょうか?   仮に、雑誌の中で何らかのコーナーに記事を作成するとしましょう。当然見出しの大きさやタイトルの表示位置といったレイアウトを決めなければなりませんが、そこに記述する内容はレイアウトに対応した形で決まるはずです。   たとえば「タイトルの大きさがこのくらいだから、タイトルはこのくらいの文字数で収まるように決めよう」といった具合です。つまり、レイアウトによって文章の内容が左右されることになります。したがって、レイアウトもまた記事コンテンツのあり方を決定する構成要素のひとつである、と捉えたほうがより正確だと言えるのです。  

2.素材

ここでいう「素材」とは、画像や写真、矢印などの記号やインフォグラフィック(抽象的な記号で描かれたイメージ図)が当たります。これらの素材は文章と文章の間などに挿入され、文章とともに必要な情報を読み手に伝えるのが役割です。   もしかしたら、再びレイアウトと同様の疑問がわいてくる方もいるかもしれません。つまり、「素材は文章とは全く無関係の場所から調達することもある(例:フリーの画像サイトから記事用の画像をダウンロードして使用する場合など)。素材=記事を構成する要素とはいえないのではないか」という捉え方です。   しかし、このような場合であっても、用いる素材は当然記事の内容と関連のあるもの、もしくは必然性のあるものが選ばれるでしょう。したがって、素材もまたレイアウト同様、「記事内の文章と相互に関係している=記事コンテンツを構成する要素である」といえます。  

3.文章

記事コンテンツの構成要素として、最もイメージしやすいであろう「文章」について最後にご紹介しましょう。文章には本文だけでなく、見出しや検索エンジンに表示される要約文(メタディスクリプション)、タイトルやまとめなども含まれます。   文章の内容は、素材やレイアウトによって相互に影響を受けます。たとえば、「この部分は画像を使ったほうが説明しやすいから、文章では軽く説明するだけに留める」、「このレイアウトだと、ここで改行したほうがスマートフォンで見やすいから、改行を入れる」といった具合です。  

レイアウト・素材・文章の相互依存がもたらす問題

今回、記事コンテンツを構成する3要素について、「これらはすべて相互に影響を与え合う存在である」と繰り返しご説明してきました。この点を理解していないと、コンテンツマーケティングを行うにあたって大きな問題が生じてしまいます。   たとえば、「企業が集客のためにブログ(オウンドメディア)を運営しているが、その成果に満足が言っていない場合」を考えてみてください。成果に満足していないのであれば、いろいろな改善方法が考えられると思いますが、「記事の仕様を見直す」という方法を選んだ場合、「これら3要素のうち、どれをどう変えるのか」という点が問題になります。   仮にレイアウトに変更を加えると、素材や文字が崩れてしまうかもしれません。「2カラムでの表示に最適化された素材と文章の配置だったのに、デザインを変えてしまったせいで表示が崩れてしまった」というようなパターンです。その場合、既存記事の素材と文章をすべて修正しなければならないでしょう。   では、素材を変更したとしたらどうでしょうか?たとえば、「今までは写真を使っていたが、より親しみやすいようにイラストに変えた」というパターンです。このような場合、レイアウトは大きく変わらないはずですが、文章に修正が必要になることも考えられます。「写真の印象に合うようにお硬い口調の文章にしていたが、イラストに合わせて砕けた感じに書き換えないと違和感がある」というようなときは、記事の書き直しが必要です。   同様に、文章を修正する場合もレイアウトや画像の修正が必要になる場合があります。「説明が不足していると思われる箇所に加筆したが、言葉だけではわかりにくいので画像を追加することになり、素材の配置に合わせたレイアウトの変更も必要になってしまった」というようなパターンが考えられるでしょう。  

記事コンテンツ修正の手間が大きく拡大する恐れがある

このように、レイアウト・素材・文字の3つが関連し影響を与えあっていることによって、部分的な要素の修正が全体にどんな影響を及ぼすのか想像するのは非常に困難です。「ちょっとした微修正で終わらせるつもりが、思わぬ影響が派生して結果的に大きな手間がかかってしまった」などという事態も十分起こりえます。   しかも、これだけのリスクを背負って記事コンテンツの修正を行ったところで、それがどれだけ成果に結びつくかは全くの未知数です。マーケティングは基本的に試行錯誤の連続なので、改善のための試みがうまくいくかどうかはやってみるまでわかりません。科学の実験と同じで成功するためには何度も繰り返し、微修正を続けていく必要があるのです。  

記事コンテンツに修正を加える場合のポイント

記事コンテンツは、「レイアウト・素材・文章」という3つの要素から成り立っています。コンテンツマーケティングの成果を改善するための手段として、これらのいずれかに手を加える場合がありますが、そのときはほかの2つの要素にも修正の手間が発生してしまうかもしれません。そのため、ちょっとした微修正のはずが大きな手間になってしまう可能性があります。   3要素の相互依存の関係は、記事コンテンツの宿命なので決して避けることはできません。リスクを避けるために重要なポイントは以下の3つです。  
  • 可能な限り1度に行う修正は小規模に留める
  • 大きな修正を行う場合は慎重に計画し、実行する際は細かく分割して行う
  • 各要素の修正作業は、タスクを細分化してひとつずつ確実に行う
  記事コンテンツの修正は、慎重に行わなければメディアの価値を大きく低下させてしまいます。作業を楽に進めるためにも、できるだけ各工程を細分化し、ひとつひとつ着実に進めていく必要があるのです。... 続きを読む

オウンドメディアにおける一般的な記事作成の流れ

近年は、ものやサービスを購入する際、あらかじめネットで下調べをしてから購入するのが当たり前になってきました。そのため、多くの企業がオウンドメディア(自社の運営メディア)を持ち、自社ブランドの認知拡大に役立てています。   オウンドメディアは、基本的にコンテンツ(記事)の集合体です。オウンドメディアを立ち上げ、運営していくためには、継続的に一定量の記事を作成し続ける仕組みを構築しなければなりません。そこで今回は、一般的なオウンドメディアではどのような流れで記事作成を進めているのがご説明したいと思います。    

オウンドメディアの記事制作に関わる3つの主体

オウンドメディアの記事作成には、次の3つの主体が関わります。  

①メディア運営者

オウンドメディアを必要とし、立ち上げ・運用を行う企業です。

②広告代理店・Web制作会社

メディア運営者からの依頼を受けて、実際のオウンドメディア運営業務を主導する存在です。

③ライター

メディア運営者、または広告代理店からの依頼を受けて、記事のライティングを行う存在です。  

記事作成の流れと必要な工程

オウンドメディアの一般的な記事作成の流れと、その過程で必要になる各工程を順番にご紹介しましょう。それぞれの工程によって担当する主体が異なります。  

1.オウンドメディア全体のプランニング

  • メディアの運営方針を決定する
  • 大まかなメディアデザイン、記事のイメージを決定する
  • 予算・スケジュールを決定する
  主な担当:メディア運営者   オウンドメディアの立ち上げは、そもそも何の目的でどういったメディアを作るのかを考えるところからスタートします。それらが決まったら、具体的にどんな記事・カテゴリーが必要か、メディアのデザインはどうするのかといった部分も決定し、それらの作業をどういったスケジュールで進めていくのか、予算配分を含めて計画を立てます。これらはメディアの立ち上げを目指す運営者自身が決めなくてはなりません。   中には、「とにかくネットを使った集客を始めてみたくてオウンドメディアを立ち上げたいが、やったことがないので何から手を付けたらいいのかわからない」というメディア運営者もいます。そういった企業が自力でオウンドメディアを立ち上げるのは困難です。なので、そうした企業は広告代理店やWeb制作会社などに相談しながらこれらのプロセスを進めることもあります。  
オウンドメディア制作の流れ
 

2.コンテンツ作成の準備

  • オウンドメディアの文章・素材・デザインを決定する
  • 記事を企画し、仕様を決定する
  • 記事のディレクション・ライターのマネジメントを行う
  主な担当:広告代理店・Web制作会社   オウンドメディアの方針が決まったら、続いてコンテンツ(記事)とデザインを決定します。基本的にオウンドメディアを構成する要素は「文章・素材・レイアウト」の3つ。これらの仕様を順番に決定していくことになります。   文章であれば、「見出しの数はいくつか」、「全体の文字数をいくつにするか」、「まとめ文の書き方はどうするか、というふうに、定義するべきことは多岐にわたります。素材であれば、「写真を用いるのかイラストを用いるのか」、「有料と無料、どちらの画像を用いるのか」、「グラフや統計データなどの引用元はどうするか」といった点を定義しなければなりません。レイアウトは、トップページのレイアウトやヘッダー・フッターのデザイン、記事のカテゴリ分けや個別記事のデザイン(3カラム・2カラム)などの点を決定します。   もうひとつ広告代理店・Web制作会社の重要な役割に、記事のディレクションとライターのマネジメントがあります。記事はこれらの企業が雇うライターによって作成されることになりますが、作成された記事が仕様に則っているかチェックするのがディレクションです。   ライターのマネジメントとは、ライターへの指示やスケジュール管理などの一連の業務のことを指します。私はこれがオウンドメディア運営において最も重要な工程だと考えています。  

3.記事(コンテンツ)作成

  • 定められた仕様・スケジュールに従って記事を作成する
主な担当:ライター   オウンドメディアを構成する記事を作成するのがライターの仕事です。作成する記事はどんなものでもいいと言うわけではなく、これ以前の工程ですでに決定された仕様に合わせた記事を、スケジュールに合わせて作成しなければなりません。ライターの役割はシンプルではありますが、必要なスキルを備えた人員でなければこなすことのできない仕事です。   ここまでで、「メディア運営者、広告代理店・Web制作会社、ライター」という、オウンドメディア運営に関連する3つの主体それぞれの役割をご紹介してきました。実際には、こうした役割分担はあくまでも一般的なものにすぎません。   たとえば、「広告代理店が自社PRのためにオウンドメディアを運営する場合」は、メディア運営者自身が広告代理店が果たす役割も兼任することになります。また、「広告代理店が社内にライターを抱えている場合」などは、広告代理店がライターの役割までをカバーすることになるでしょう。このように、記事作成の各工程をどの主体がこなすかは、状況により多少異なる場合もあります。  

ここまでは、担当別に各工程をぶつ切りにしてみてきたので、今度はオウンドメディアの記事作成のスタートから終わりまでを一連の流れとして再確認してみましょう。  

オウンドメディア立ち上げ時期の記事作成

立ち上げ時期には、ある程度まとまった数量のコンテンツを一気に作り、オウンドメディアを充実させた状態で公開するのが一般的です。よくある流れは次のようになります。  

1.オウンドメディア全体のプランニング

  • メディアの運営方針を決定する
  • 大まかなメディアデザイン、記事のイメージを決定する
  • 予算・スケジュールを決定する
 

2.コンテンツ作成の準備

  • オウンドメディアの文章・素材・デザインを決定する
  • 記事を企画し、仕様を決定する
  • 記事のディレクション・ライターのマネジメントを行う

3.記事(コンテンツ)作成

  • 定められた仕様・スケジュールに従って記事を作成する
  立ち上げ時期にはこれら、ご紹介してきた記事作成の流れを一通り続けてこなすことになります。作成する記事の数量はメディア運営者の予算、想定されるメディアボリュームなどにより異なりますが、20~50記事程度をまとめて作り、それ以上の記事が必要の場合はメディアを公開した後、定期的に追加していくケースが多いです。  

オウンドメディア運営期の記事作成

すでに公開されているオウンドメディアに記事を追加して公開する場合は、必要に応じて適時追加する方法と、「毎月30記事」というように定期的に一定数量の記事を追加していく方法の2種類があります。メディアの性質や目的に応じてどちらの方法を用いるか決まりますが、記事作成に必要な工程自体はそう大きく変わりません。  

1.オウンドメディア全体のプランニング

  • メディアの運営方針を決定する
  • 大まかなメディアデザイン、記事のイメージを決定する
  • 予算・スケジュールを決定する

2.コンテンツ作成の準備

  • オウンドメディアの文章・素材・デザインを決定する
  • 記事を企画し、仕様を決定する
  • 記事のディレクション・ライターのマネジメントを行う

3.記事(コンテンツ)作成

定められた仕様・スケジュールに従って記事を作成する
  打ち消し線が書いてあるところは、運用機には不要になる工程です。たとえば、メディアの運営方針などは一度決定してしまえば再度決め直す必要はないので、運営期には「1.オウンドメディア全体のプランニング」の工程がまるごと不要になります。同様に、サイトのレイアウトや入れ込む素材の仕様決定なども必要ないので、「2.コンテンツ作成の準備」もデザイン関連の工程をやりなおす必要はありません。   ただし、青字で書いた「予算・スケジュールの決定」だけは例外で、「すでに公開しているメディアに適時コンテンツを追加する場合」は、予算とスケジュールを決めてから記事作成を行う必要があります。「定期的にコンテンツを追加する場合」には、予算とスケジュールを月単位であらかじめ決定しておけばいいので、この工程は不要です。   メディア全体のプランニングに関連する業務、及びメディアのデザインに関わる工程は、記事作成に関する限り「立ち上げ時期に一度行えばOK」ということになります。ただし、「想定しているほど読者が集まらないので、メディアのあり方自体をもう一度見直したい」という場合や、「サイトが見づらいと感じるので、デザインを見直したい」というような場合はその限りではありません。ですが、今回はあくまで「オウンドメディアの記事作成に必要な工程」を前提とした説明を行っているので、それらの説明は省かせてもらいます。  

まとめ:オウンドメディアは運営体制と時期により、記事作成の流れが異なる

今回ご説明してきた内容を要約すると以下のようになります。  
  • オウンドメディアの記事作成に関わる主体は「メディア運営者」、「広告代理店・Web制作会社」、「ライター」の3つ。
 
  • 記事作成は、「全体のプランニング → コンテンツ作成の準備 → 記事(コンテンツ)作成」という流れで進めていく。
 
  • どの工程をどの主体が担当するかによって「運営体制」が決まる。
 
  • メディアの立ち上げ期には、メディア全体のプランニングや、コンテンツのデザイン仕様決定などの工程が必要だが、運営がスタートすれば記事作成に関連する業務だけでOKになる。
オウンドメディアの記事作成を行ったことない方は、メディアを作るにしてもどう進めたらいいのか、具体的なイメージが全く浮かんでこないかもしれません。しかし、このような説明を受ければ、必要な作業が頭の中にイメージできるのではないでしょうか。オウンドメディアを成功させるためには、こうした全体の流れをよく理解しておき、各工程の実態と意味を掴んでおくことが大切です。... 続きを読む

ユニバーサルデザインの商品例:進化したボンカレーのパッケージ

日本初のレトルト食品である「ボンカレー」は、日本人ならまず知らない人はいないおなじみの商品です。しかし、そのパッケージは現在進化し、電子レンジ調理可能なユニバーサルデザインの作りに進化しています。身近なユニバーサルデザイン商品の例としてボンカレーのパッケージをご紹介しましょう。  

ユニバーサルデザインとは?

先に、ユニバーサルデザインとはなにか確認しておきたいと思います。ユニバーサルデザインとは、簡単に言うと「誰にとっても使いやすいデザイン」のことです。   https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3  

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインと似た意味の言葉に、「バリアフリー」があります。バリアフリーとは、「障害者などの社会的弱者にとって障害となる要素を取り除いたもの」を指す言葉です。バリアフリーがあくまでも、「対象者にとっての障害の有無」を問題にしているのに対して、ユニバーサルデザインは「すべての人にとっての使いやすさ」を問うものであるという点に違いがあります。  

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインは、1980年ごろ、アメリカの学者ロナルド・メイス氏によって提唱されました。メイス氏は車椅子を必要とする障害者でしたが、障害者を特別扱いしかねないバリアフリーに替えるため、ユニバーサルデザインの考えを生み出したと言われています。   http://www.city.fukutsu.lg.jp/ud/about/top.html   また、ユニバーサルデザインには、メイス氏を中心とする複数の学者によってまとめられた次の7つの原則があります。   1.誰でも公平に使用できること。(EQUITABLE USE) 2.使用法に柔軟性があること。(FLEXIBILITY IN USE) 3.直感的に使用法が理解できること(SIMPLE AND INTUITIVE USE) 4.必要な情報がわかりやすいこと(PERCEPTIBLE INFORMATION) 5.使用法が失敗しづらく、大きな事故に繋がりにくいこと(TOLERANCE FOR ERROR) 6.大きな力や体への過度な負担を必要としないこと(LOW PHYSICAL EFFORT) 7.使用するために十分な大きさ・広さが確保されること(SIZE AND SPACE FOR APPROACH AND USE)   このように、ユニバーサルデザインは国籍・年齢・性別といった属性の違いによらず、使いやすいものを作ろうという考え方に基づいて生まれた概念です。従って、属性が異なる多くの人が利用する可能性がある公共物や、広く大衆向けに作られている消費財などによく用いられます。   一般的な例は次のリンク先でいくつか紹介されているので、気になる方は見てみてください。   https://www.city.koriyama.fukushima.jp/150300/shisaku/minomawari.html   以上の知識を前提とした上で、現在のボンカレーのパッケージがどのようになっているのか見ていきましょう。  

ユニバーサルデザインに進化したボンカレーの入れ物

  私は今日、たまたま久しぶりにボンカレーを買いました。   http://boncurry.jp/lineup/   引用元:Wikipedia ボンカレー  
ボンカレー(Bon Curry)は、大塚食品が発売するレトルトカレーの商品名で、同社の登録商標(日本第961090号)である。日本初のレトルト食品。甘口、中辛、辛口の三種類がある。現在の主流はフルーツベースのボンカレーゴールド、温色で描かれた同心円のパッケージで知られる。
  手にとったときは気が付かなかったのですが、ボンカレーのパッケージは以前のものからは大きく様変わりしていました。最も大きな違いは「電子レンジ調理に対応した」という点でしょう。   ボンカレーの公式サイトでは、電子レンジ調理に対応した新型パウチの開発を手がけた芹沢一郎氏へのインタビュー記事が紹介されています。単純に電子レンジでの調理を可能にしただけでなく、使用者への安全性などを考えて苦心した過程が見て取れます。   http://boncurry.jp/brand07/  

画像で紹介:現在のボンカレーのパッケージ

実際に、どのようなパッケージになっているのか画像つきでご紹介したいと思います。私が購入したのは、「ボンカレー ネオ」の辛口です。下記画像をご覧いただければわかる通り、正面から紙の箱を開封する方式になっており、開けるとそのままの状態で箱ごとレンジに入れられるようになっています。     食べる方は、紙のフタを開けてそのままレンジで2分加熱すれば美味しいカレーを味わうことができます。ユニバーサルデザインの観点から見ると、この容器には次のようなメリットがあります。   ①温める際にレトルトパウチの開封は不要 ②開封面を上にすると、自動的に蒸気孔も上になるので上下を間違う心配がない ③箱ごとレンジに入れられるので、取り出す際にやけどの心配がない   このように、調理する人の属性によらず、食べやすく安全性の高い調理法を自然に選択できるよう作られているのです。まさに大衆向け商品としてはこれ以上ない見事なユニバーサルデザイン商品だと言えるでしょう。  

消費者を思う心が使いやすく、安全なデザインを生み出す

私はしばらくボンカレーを食べていませんでしたが、今回パッケージの進化に感動したことで、先にご紹介した芹沢氏の開発者インタビューを見る機会を得ました。その中で、芹沢氏がいかに食べる人のことを考えていたのか、想いの深さを知ることができました。   こうした、使う人のことを考える開発者の想いが、使いやすく安全なデザイン生み出す原動力なのかもしれません。   今回私が食べた「ボンカレー ネオ」の辛口はこちらです。記事中では肝心の味についてまったく触れていませんでしたが、自家製のルーと大きめの野菜がとても美味しかったです。レトルトカレーと言うと具材が小さい商品が多い中、人参は1~2cm角、じゃがいもに至っては2~3cmほどの大きさがあり、具だくさんなカレーをお手軽に食べたい方におすすめです。   [amazonjs asin="B01KLLAPQG" locale="JP" title="ボンカレーネオ 濃厚スパイシーオリジナル 辛口 230g×3個"]... 続きを読む

NURO 光 G2V(マンションミニ)を2年間利用している感想

私が使っているネット回線はNURO光です。プランはG2V(マンションミニ)で利用期間はもうすぐ2年を迎えます(2018年3月現在)。NURO光は「下り最大2Gbpsの超高速光回線」を謳っており、「速い」という評判から気になっている方も多いのではないかと思います。   そこで今回は、実際にNURO光を利用している私が、回線速度や安定性などについての感想をお伝えしていきたいと思います。  

NURO光とは?

まずは、NURO光について簡単にご説明しましょう。NURO光はSo-netが提供しているFTTH(光回線インターネット)サービスのブランドです。2013年からサービスの受付を開始しており、一般的にはその回線速度の速さや多様なキャッシュバックキャンペーンなどがよく知られています。   https://ja.wikipedia.org/wiki/NURO%E5%85%89  

回線速度はどのくらいか?

ネット回線を選ぶとき、回線速度は非常に重要なポイントになります。特に今日のように、ネットユーザーの多くが日常的に高画質・大容量の動画を見る時代には安定した速い回線が求められます。   回線速度は、地域や環境によって大きく異なるので、明確な値を示すのは難しいのですが、あくまで一例として私の実測値をご紹介しましょう。  
  • 計測環境:東京都23区外、賃貸アパート、LANケーブル接続
  以上のような結果になりました。ネットゲームなどの即応性に関係が深いping値は10ms未満に、下り・上りともに回線速度は900Mbpsという値が出ています。一般的な基準としては十分高速な回線であると言っていいでしょう。   ちなみにWi-fi接続の場合は、ping値は4~6ms、下り・上りともに100Mbps前後という結果になりました。  

回線の安定性は?

実は、NURO光の利用者の中には「月に1度くらい回線が切れてしまい、ONU(光回線終端装置)の再起動が必要になる」という不具合を報告している方が少なくありません。私も利用中、似たような症状に悩まされたことがあるので、これはNURO光のデメリットのひとつだといえるでしょう。   しかし、これは簡単な設定によって解決可能です。下記のリンク先では、詳しい対処法を解説している方の記事があります。私もこの方法に従って設定したところ、回線は安定し接続が途切れる不具合は起こらなくなりました。   http://www.salaryuma.com/entry/zakki/nuro-antei   ですから、この点に関してはそれほど大きな問題ではありません。  

NURO光の利用料金は?月額いくらくらいかかるのか?

G2V(マンションミニ)プランの場合

実際に私が毎月いくらくらいの利用料金を支払っているのかご紹介しましょう。G2V(マンションミニ)プランでは、月々の利用料金は以下のようになります。   NURO 光 G2V(マンションミニ)   4734円 NURO 光 月額基本料金割引    -1334 = 1ヶ月の利用料金          3409円 消費税               273円 + 基本工事費(分割払)        1440円   合計金額              5122円   回線プランの料金に割引が適用され、そこに消費税が課せられた金額に基本工事費の分割費用がプラスされる、という計算になります。   ちなみに、NURO光の基本工事費は40000円(税別)で、30ヶ月に渡って分割請求されるため、1ヶ月あたりの支払額は1440円です。  

NURO光のデメリット:引っ越しの引き継ぎができない

NURO光を利用していて、回線自体については特に不満はありません。しかし、サービス面でのデメリットといえるのが、「引っ越しの際、回線の住居移転ができない」という点です。つまり、一度NURO光を解約して再度契約し直す必要があるのです。この際、  
  • 2年縛りの違約金(9500円)を支払う必要がある
  • 基本工事費の残存分を一括で支払う必要がある
  • 回線の引き直しに時間がかかる
  といったデメリットがあるので注意してください。ちなみに私は利用中、1度引っ越しを経験したのですが、基本工事費を一括で支払っただけで引っ越しの前後で利用料金に変化はありませんでした。  

対策:キャッシュバックキャンペーンを利用する

「引っ越しのためのプランが用意されておらず、解約と再契約が必要になる」というのがNURO光のデメリットでした。この点をカバーするのに良い対策として、「キャッシュバックキャンペーンを利用して契約する」という方法があります。   ネット回線業者は、契約者を増やすため盛んにキャッシュバックキャンペーンを実施しています。NURO光はほかの事業者と比べて回線を引くのに時間がかかるということもあってか、特に多種多様なキャッシュバックキャンペーンを実施しています。   前述の通り、NURO光の引っ越しは新規契約の扱いになるので、このキャンペーンを利用することができます。2年縛りの違約金や基本工事費による金銭的な負担をキャッシュバックで取り戻せば、マイナスがなくなるどころか逆に得をすることもできるでしょう。   また、これはあくまで「ネット上のウワサ」レベルの話ですが、「キャッシュバックキャンペーンを利用した人のほうが、回線開通が早くなる」という話があります。実は、私は自分が引っ越しをする段階ではこうした話を知らず、キャッシュバックキャンペーンを利用せず普通に回線利用の手続きを進めてしまいました。関係があるかは不明ですが、その結果申込から開通までに1ヶ月程度の時間がかかってしまっています。   たとえこれがウワサにすぎないとしても、せっかく利用できるお得なキャンペーンを利用しない手はないでしょう。これからNURO光を利用する方や、現在利用していて引っ越しを控えている方は、キャンペーンを利用して契約するのをおすすめします。  

特にお得なキャッシュバックキャンペーンをご紹介

NURO光の代理手は非常に多く、会社によってキャンペーンの内容やキャッシュバック金額が異なっています。今回はその中でも特にお得なものを厳選してご紹介したいと思います。  

キャッシュバック金額が多い:株式会社フルマークス

随一のキャッシュバック金額を誇るNURO光の正規代理店です。キャッシュバック満足度第1位、スタッフ対応満足度第1位、NURO有料代理店第1位の評価を獲得しています。最大5.8万円の無償キャッシュバック、有料サービスへの加入が条件となる最大8.3万円のキャッシュバックがあります。合わせると最大12万円以上、業界最高水準のキャッシュバック金額です。   開通から6ヶ月後にSo-netから、8ヶ月後にフルマークスからキャッシュバック受け取りのための通知が届きます。それから1ヶ月以内に手続きを行わないとキャッシュバックを受けとれないので忘れないよう注意してください。   ご利用はこちらから

キャッシュバックまでの期間が短い:株式会社アウンカンパニー

キャッシュバックキャンペーンというと、一般的には実際に手元にお金が返ってくるまで4ヶ月~半年以上かかってしまうことも少なくありません。こちらの会社は「最短1ヶ月での現金振込」を売りにしており、金額も3万円前後とNURO公式と同等です。キャッシュバックの代わりにPlaystation4、もしくはNintendo Switchを受け取ることもできるので、ゲーム好きなとってもうってつけなキャンペーンだといえるでしょう。   申込時の電話でキャッシュバックの申請が完了するため、もらい忘れの心配がないのが利点です。   ご利用はこちらから

 ソフトバンクユーザーはスマホ代がお得に:株式会社LifeBank

こちらも最大8万円と、キャッシュバック金額の大きなキャンペーンを提供している代理店です。さらに、ソフトバンクのスマートフォン・携帯電話を使っている方は、1ヶ月につき最大1080円の携帯月額利用料割引が受けられます。これは1台ごとの割引額なので、家族でソフトバンクのスマホを使っている方は台数×1080円の割引を受け取れるため、さらに多くのメリットがあります。   キャッシュバックを受けるためには、申請した月から10ヶ月後にメールで申請手続きを行わなければなりません。キャッシュバックを受け取れるのは開通月の12ヶ月後になるので注意してください。   ごりようはこちらから  

申請を忘れないよう、契約時にアラートをかけておこう

このように、NURO光のキャッシュバックキャンペーンは、得られる利益こそ非常に大きいものの申請を忘れないようにする工夫が必要です。私がおすすめするやり方はスマートフォンのアプリやGoogleカレンダーなどで、対象期間が始まるころにアラートを設定しておく方法です。   誰でも簡単にできますし、複数アラートを設定すればほぼ忘れる心配もありません。世間では「せっかくキャンペーンを利用して利用開始していたのに申請を忘れてしまって受け取れなかった」という方も少なくありませんが、このようなちょっとした工夫で回避できるので過度に心配する必要はないでしょう。   私は実際にこの方法を使って、引越し前の最初契約時のキャッシュバックを受け取ることができました。当時のキャッシュバック金額は現金3万円程度だったので、現在のようにより高金額のキャンペーンが出ている状況は羨ましい限りです。   全般的に言って、私はNURO光のネット回線サービスには大きく満足しています。今、ネット回線選びに悩んでいる方にはぜひおすすめしたいブランドです。... 続きを読む

ブログ1記事に最適な文字数の目安とは?

ブログを運営するに当たっては、1記事あたりの文字数をどのくらいにするかが問題になります。文字数が増えるほど書き上げるのに時間がかかってしまいますが、かといって短すぎては伝えられる情報量が少なくなってしまいます。   今回は、さまざまな観点からブログ記事に最適な文字数の目安を考えてみたいと思います。  

ブログではなぜ文字数が重要なのか?

ブログの文字数は、主に次のような理由から重要だとされています。  
  • 検索エンジンからの評価(上位表示されやすいように)
  • 読者の読みやすさ(長すぎず、短すぎず)
  • 1記事作成に必要な労力(記事更新を無理のないペースで続けられるか?)
  それぞれについて、どのように考えればいいのか順番にご紹介しましょう。  

ブログの文字数は検索エンジンからの評価とは無関係

検索エンジンと言えば、日本では現在はほぼGoogleのことを指します。実は、Googleは「記事を評価する要素の中に文字数は含めていない」と回答しているのです。その理由は、「伝えたい内容によって、適切な文字数=情報量は異なるはずだから」というもの。たしかに、言われてみればそのとおりですね。   詳しくは、下記のリンク先に解説があるので気になる方はチェックしてみてください。   https://webtan.impress.co.jp/e/2016/07/22/23399  

「読みやすさ」は読者の性質やジャンルによっても異なる

次に、読みやすさについて考えてみましょう。一般的に、「1000文字程度の文章を読み終えるには3分程度かかる」とされています。3分程度であれば、あまり時間のないときでも無理なく閲覧することができるでしょう。そのため、ブログを運営している方の多くはこの1000文字をひとつの区切りと考える方が多いようです。たとえば、「1000~2000文字程度を目安にする」といった具合で自分なりの執筆ルールを定めるわけです。   ただし、読みやすさという観点からいうと何文字が適切なのか明言するのは簡単ではありません。たとえば、Twitterのつぶやきを閲覧するときと、ニュースサイトの記事を見るとき、書籍を読むときではそれぞれ読者のスタンスも違うはずです。たとえば、「今晩のおかずの参考になるレシピ」を探しているのであれば、1000文字前後でさっと読めるボリュームの方がいいでしょう。逆に「興味のあるカテゴリなので、ゆっくり時間をかけて読みたい」という場合はもっと文字数が多いほうがいいはずです。   簡潔な情報提供をしたいのか、それとも読者にじっくり読んでもらう「読み物」を提供したいのかはブログの方針によってそれぞれ違います。そして、ブログの方針によってどういう読者が集まってくるかも違うので、この点も観点から最適な文字数を決めるのも難しいのです。  

ブログの最適な文字数は「労力」から決めると良い

検索エンジンの評価は文字数とは無関係、ブログによって読者の性質が異なるため最適な文字数は変わってくる・・・。以上の2点から、私は「自分が記事更新に費やせる労力」から1記事あたりの文字数を決めるのをおすすめします。   なぜかというと、この「労力」という要素は多くの場合そのときどきによって大きく変わることはないからです。たしかに、仕事やプライベートなどの影響から忙しい時期と暇な時期はあるでしょう。ですが、「自分で無理なく更新できるペース」はある程度定めることができるはずです。となれば、必然的に「1記事あたりの執筆に避ける時間」も見積もれるはずなので、それがその人にとっての「最適な文字数」になります。   もしかしたら、「それなら無理なく更新できるかもしれないけど、読者にとっては情報量が不足したり、過剰になったりするのではないか?」と思う方もいるかもしれません。そんなときは、以下のような方法で調整することが可能です。  

1記事に盛り込む内容が、事前に目安の文字数に収まるよう計算しておく

私は仕事でライターをしているので、「1記事あたりにどの程度の内容を盛り込めば、ナン文字くらいになるか」をあらかじめある程度見積もることができます。同じように、事前に見積もりを立てられる人であれば、こうした方法を取るといいでしょう。   ですが、特にブログ初心者の方など、あまり記事作成に慣れていない方にとってはこの方法は難しいかもしれません。  

後から記事をリライトし、文字数を増やしたり減らしたりする

そんなときにおすすめなのが、しばらくしてから記事をリライトして文字を足したり、減らしたりする方法です。これなら、通常の記事制作と同じく自分の無理のないペースで行えばいいですし、初心者の方もある程度執筆経験を積んだ段階で始めればいいので問題ありません。   ブログの最適な文字数を、外的な要因から図ろうとすると、状況によって適した文字数が変わってくるので明確な目安を定めるのが難しくなります。しかし、「自分に適したペース」という内的な要因から決定すれば、迷うことなく明確な基準を定めることができるのです。... 続きを読む

メールマーケティングを始めるにあたって最初に着手するべき2つの方法

「メールマーケティングに興味があり、これから始めたい」と考えている方にとって、最も気になることは「具体的にどういうやり方でメール配信を行なったらいいのか?」という点ではないでしょうか?   そこで今回は、そうした悩みを抱えた方のために、メールマーケティングを初めたばかりでもすぐにできる、最も基本的かつ効果的な2つの方法をご紹介しましょう。  

失敗しないためのメールマーケティングの始め方

メールマーケティングを始めようと考えている方は、大きく2つのタイプに分けられます。  
  • これまで自社でWebマーケティングを行ったことがなく、新たに始めることなった
  • これまで自社でWebマーケティングは行っていたが、新たにメールマーケティングを始めることになった
  ひとつ目は、「メールマーケティングだけでなく、Webマーケティング自体を行うのが初めて」というパターンです。それに対してふたつ目は「Web広告などほかの方法でWebマーケティングを行った経験はあるが、メールマーケティング自体は初めて」というパターンです。   それぞれの立場でどういった点に気をつけるべきか、ご説明しましょう。  

Webマーケティング自体が初めての場合

これからご紹介する、「メールマーケティングの最も基本的な2つの方法」から始めることをおすすめします。メールマーケティングは、ターゲットを詳細に分析したり、複雑なシナリオを組むなど手の込んだ方法で行うことも可能ですが、Webマーケティング初心者がそういった複雑なやり方で始めようとすると途中で挫折してしまう可能性が高いからです。  

ほかのWebマーケティングの経験はある場合

「最初は以下でご紹介する2つの方法からスタートし、徐々により複雑な方法へ移行していく」という流れをおすすめします。たとえWebマーケティング自体の経験があったとしても、新しい手法を始めるわけですから、最初はシンプルな基本的方法を覚え、徐々に応用にチャレンジしていくという流れのほうがリスクが少ないからです。   Webマーケティングの経験がある、ということは、過去にリスティング広告やSEOなどに挑戦し、導入に苦労した経験があるのではないでしょうか?「同じような苦労をまた繰り返したくない」と考えるなら、冗長に思えてもまずはシンプルな方法から習得していくべきです。  

メールマーケティングの基本となる2つの方法

それではいよいよ本題に移りましょう。メールマーケティングにおいて、どんな企業・業界でも活用できる最も基本的な方法をご紹介します。  

1.新商品・サービスのご案内

新しい商品やサービスを導入した場合、それを何らかの方法で既存顧客や、これから顧客になってくれる可能性のある見込み客に伝えなければなりません。こうした通知をメールマーケティングで行おうというのがひとつ目の方法です。   この方法の優れている点は、「メール配信を行うのに必然性がある」ということです。メールマーケティングを始めるにあたって「いきなりメール配信を始めることを、どのような正当性をもたせるか」という部分が問題になる場合がよくあります。もちろん、いきなり「メルマガ始めました!」というメールを送ってもかまわないのですが、それだけでは対象者の興味を喚起するのに十分とは言えません。   その点「新商品のご案内」には、「新しい商品が出たので皆様にご紹介する必要があって連絡しました」という、配信を始めるにあたってのもっともらしい理由があります。こうした配信からスタートすれば、徐々に「お客様のお役立ち情報」など、ほかの内容を伝えるメール配信にも自然に移行していくことができるでしょう。   ちなみに、新商品や新サービスの発表予定がしばらくない場合は、「既存商品のアップデートのお知らせ」などでも構いません。なにか新しく変わったことが起きたというきっかけを持つことが大事なのです。  

2.イベントの開催通知

同じように、「近々開催されるお客様向けのイベント通知」も、メールマーケティングと相性がいい配信内容です。たとえば、展示会やセミナーの案内、出展するイベントの開催情報などを通知し、自社開催のイベントであれば同時に参加者募集も行うといいでしょう。   イベントの開催通知をメールマーケティングで行うのが有効な理由は、新商品のご案内と同じく「メッセージを送る大義名分がある」からです。そもそも、こうしたイベント自体、本来は販売促進・PRを目的に開催されます。もちろん、広告など他の方法で通知することも可能ですが、それにメールマーケティングという能動的なマーケティング手法を加えることによって、より有効な周知が可能になるわけです。  

「2つの方法」からメールマーケティングを始めるべき理由

メールマーケティングを始めるにあたって、「新商品・サービスのご案内」、「イベントの通知」から行うべきだ、とご説明してきましたが、次のような疑問を持った方もおられるのではないでしょうか?   マーケティングの目的は「新たな顧客の創造」にあるはずだ、これら2つの方法では単なる広告・PRと同じになってしまわないか? 従来のWebマーケティングと、それほど大きな違いを感じない。せっかく新しい手法を取り入れるのだから、データ分析やシナリオ設計を組み合わせた方法を試したい   私も実際、マーケティングの仕事をする中でお客様からこういったことを伝えられた経験が何度もあります。しかし、以下のような理由から、少なくともメールマーケティングを始めたばかりの段階では、今回ご紹介した2つの方法から着手することをおすすめしています。  

売上に直結し、早く成果が上がることが最も大事

メールマーケティングを始めるに当たっては、専用のツールを導入したり、コンサルティングを受けたりする必要があります。これらのことには当然費用が発生するため、担当者は上司から費用に見合った成果を上げるようプレッシャーがかけられることになります。   メールマーケティングに限ったことではありませんが、一般的にマーケティングの成果は見えにくいものです。「1通のメールがどれだけ売上に結びついたか?」を判定するのは簡単ではありません。   しかし、今回ご紹介した2つの方法は、どちらもどれだけの成果が上がったか容易に確認することができます。まず、「新商品・サービスの案内」は、対象者に即座の購入を促す内容ですから、「メール送った相手が、どの程度新商品を購入に至ったか」をチェックすれば簡単に成果は把握できます。   「イベントの通知」も同様です。「実際のイベント来場者」と「メール配信の対象者」を照らし合わせれば、「メールを送った相手のうち、何人がイベントに行ってくれたか」はひと目でわかります。   このように、今回ご紹介した2つの方法には「施策の効果を把握しやすい」という共通点があります。そのため、メールマーケティングがしっかりと成果を上げていることを上司にも報告しやすく、導入の効果を社内に示しやすいのです。  

データ分析や詳細なシナリオ設計には時間がかかる

メールマーケティングは、配信する相手によってメールの内容を変更するなど、複雑な方法で配信することも可能です。しかし、やり始めて間もない時期からこういった複雑な方法を選ぶのはおすすめしません。   なぜなら、「誰に、どのような内容のメールを送るのか」を検討するには、さまざまな要素が不足しているからです。まず、配信対象を細かく分類するためには、基準となるユーザーのデータが必要ですが、メールマーケティングを始めたばかりの段階ではそうしたデータはまだ出揃っていないはずです。つまり、ユーザーを属性ごとにグループ分けしようにも、その基準となるデータそのものが整理できていない状態からスタートしなければならないのです。   仮に配信対象をグループ分けできたとしても、有効な内容のメールを送るのは簡単ではありません。たとえば、配信対象を3グループに分けたのなら、本来は1通で済むメールを内容を分けて3パターン用意しなければなりません。単純計算で必要な労力が3倍に増えることになります。   メールマーケティングという手法自体に慣れていない時期に、こういった複雑なやり方に挑戦して無駄に労力を増やしてしまうのはあまりおすすめできません。マーケティングは基本的に試行錯誤の連続であり、方法が複雑になればなるほど手間はどんどん増えていきます。しかも、手間が増えたほどには成果は急激には上がらないケースがほとんどなのです。  

「2つの方法」で着実に成果を上げ、マーケティング予算を増やそう

「新商品の案内」と「イベントの通知」・・・、これらの2つの方法には、「すぐ成果に結びつきやすい」、「最小の労力で効果を上げることができる」というメリットがあることをご紹介してきました。メールマーケティングをスタートするときは、これらの2つの基本的な方法から始め、着実に成果を積み重ねていきましょう。   メールマーケティングが売上アップに貢献することが確認されれば、社内で予算や人員の拡充も認められるようになるはずです。綿密なデータ分析やシナリオ設計に基づくメール配信などの複雑な方法は、その後で始めても決して遅くはありません。   「まず、成果を上げるのにもっとも効果的な方法を選び、その後でさらに成果を高める方法に着手する」   このやり方が、メールマーケティングを成功に導くための最もスマートな進め方なのです。... 続きを読む

メールマーケティングとは?始める前に知っておくべき基本知識

情報社会となった現在、ほとんどの人は何らかのメールアカウントを持っていると思います。メールを使用すれば、数多くの個人に直接、メッセージを送ることができる・・・。この状況をマーケティングのために利用したものが「メールマーケティング」です。   メールマーケティングは、デジタルマーケティングの中でも基本的な手法でありながら、手を付けていない企業・団体も多くあります。Web広告などの方法に比べて、どのような手順で行えばいいのか、一般的なやり方がイメージできないためでしょう。   そこで今回は、メールマーケティングとはどのようなものか、基本的な概念をわかりやすく解説したいと思います。  

メールマーケティングとは?

メールマーケティングとは、その名の通りメールを使ったマーケティングのことです。具体的には、自社の既存顧客や、これから商品・サービスを購入してくれそうな見込み客に対して、メールを使った情報提供や購買の訴求を行うものです。   上記のような条件を満たす方法であれば、それらはすべてメールマーケティングの範疇に入ると考えていいのですが、マーケティング業界ではあえて「メールマーケティング」という場合、「従来の一斉送信型のメルマガとは違う、個々のユーザーに最適化されたメール配信」を意味します。  

メールマーケティングとメルマガの違い

この部分は、マーケティングに馴染みのない方にはわかりにくいと思うので具体的に説明しましょう。全社会規模でインターネットの利用が拡大しつつあった2000年台、それをマーケティングに利用しようと「メールマガジン(メルマガ)」を発行する企業や団体が数多くありました。ここでいう「メルマガ」とは「登録者に対して、同じ内容のメールを一斉に配信するもの」を指します。   当時はまだネットというインフラが社会的に導入されていく過程にあったので、「メール配信で定期的に情報が届けられる」ということ事態に真新しさがありました。そのため、メルマガはそれなりに効果的だったのですが、ネットが社会に定着するに連れてこの状況にも変化が生じます。   ネットを通じて世界中がつながり、多数の商品やサービスに消費者が容易にアクセスできる環境が生まれたことで、消費者のニーズが以前よりも多様化・細分化していったのです。結果的に、ユーザー全員に同じ内容を一括送信するメルマガの手法は有効性を失ってしまいました。   そこで、一人ひとりのユーザーの興味・感心に合わせて内容の異なるメールを配信する「メールマーケティング」という手法が生まれたのです。メールマーケティングでは、ユーザーのごとの情報を管理し、最適なメールを配信する仕組みが必要なため、専用のツールを使用して配信が行われます。  

メールマーケティングのメリット

メールマーケティングは「既存のメルマガの弱点を改良したマーケティング手法」であるということは理解していただけたと思います。ここではより視点を広げて、Webマーケティング全般で見た場合のメールマーケティングのメリットを解説しましょう。  

相手とタイミングを選んで情報発信ができる

メールマーケティングで行うメール配信の送り先とタイミングは、すべて配信元の自由に指定できます。それに対して、Web広告などは基本的にどんな人がいつ見るのかをコントロールすることはできません。  

戦略的なメール配信が可能

配信する相手によってメールの内容を変えられるということは、単にメールを一通送って終わりにするのではなく、複数のメールを段階的に送るような、戦略的なメール配信も可能だということです。「メールを開封したかどうか」、「メール内のリンクをクリックしたかどうか」など、リアクションに合わせて送るメールを変えることも可能です。  

新規顧客の獲得、休眠顧客の掘り起こしに効果的

「メールを読む」というアクションは、商品購入に比べて負荷が少ないため対象者の負荷が少ないというメリットがあります。「商品に興味はあるが、まだ購入の検討中である」というような新規見込み客の獲得や、「かつて商品を購入したことがあるが、次回の購入は未定」といいうような既存の「休眠顧客」を掘り起こし、再び購入につながるアクションに導くのに適しています。  

メールマーケティングのやり方

「これからメールマーケティングを始めたい!」という方のために、ゼロからメールマーケティングを始める際のやり方をご紹介しましょう。  

Webマーケティング会社に相談する際の注意点

「メールマーケティングを始めたいが、やり方がわからない」という方の多くは、Webマーケティング会社に相談し、導入のサポートを受けることになるでしょう。その際は以下のような点に注意しなければなりません。  

「使用するツール」は実は重要ではない

Webマーケティング会社に相談すると、ほぼ間違いなく「どのツールを利用するつもりですか?」と確認されることになります。利用するツールによって、利用料金や機能が異なるため、導入を検討中の方にとってもどのツールを使うかは主要な関心事のひとつだと思います。「メールマーケティングの成否は、利用するツールによって決まる」と考えている方も多いことでしょう。   しかし、実際には利用するツールはそれほど重要ではありません。今回ご紹介したようなメールマーケティングの基本的な機能であれば、主要なツールはどれでもそのほとんどをカバーしているからです。「それでも機能の優劣はあるのではないか?」と思われる方もいるかもしれませんが、私がメールマーケティングの実務に関わった経験からすると、多機能なツールを使っていたとしても実際に使用するのは、ほんの一部の機能だけというケースがほとんどです。   ただし、これは「ツールにはお金をかけなくて良い。シンプルな機能だけのものでよい」ということを意味するわけではありません。「ある程度の利用実績と市場シェアがあるツールであれば、どれを選んでも問題はない」という程度の意味だと理解してください。  

シナリオ設計はほとんどの場合「絵に描いた餅」に終わる

「利用するツール」と並んで、一般的にメールマーケティングの成否をわけるポイントだと思われがちなのが「マーケティングシナリオ(戦略)」です。「仮想的なターゲットや、それを商品購入につなげるための具体的な道筋を詳細に設計すれば成果が上がる」とイメージしている方も多いのではないでしょうか。   しかし、メールマーケティングでは綿密にシナリオを設計しても、実際の施策がそれに追いつかず、徒労に終わってしまうことが少なくありません。従って「弊社はマーケティング戦略の策定でメールマーケティングの成功をサポートします」と謳っているようなWebマーケティング会社のセールストークも、話半分程度に聞いておいた方がいいでしょう。  

本当に大事なのは、マーケティング施策の運用体制

ツールもマーケティングシナリオもメールマーケティング成功の決め手にならないとしたら、一体何が成功のカギを握っているのでしょうか?それは「マーケティング戦略の運用体制」です。   たとえば、メール配信を行うためには、メールの文面を書き、レイアウトを決めて、画像やイラストなど文中に挿入する素材を用意しなければなりません。そうした、運用の中で必要になる個々の作業を「誰が、いつまでに、どのように行うのか?」といった運用体制がしっかり確立されていれば、メールマーケティングはうまくいきます。   従って、メールマーケティングをこれから始める方は、利用するツールやマーケティング戦略だけでなく、運用体制をどのように構築するか考えるのを忘れないようにしてください。... 続きを読む
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