【Bパート 新たな旅の出発と新たな出会い】
フレンズたちとの別れを済ませ、バスに乗り込んだかばんちゃん。
景気良くクラクションを鳴らし、いよいよ「パークの外」へと向かって出発していきます。
(かばんちゃん、バスで大海原へ。見送りのフレンズたち、振り返ってパークの方へ戻る)
(サーバル、最後まで見送りに残り、何度かためらうものの振り返って埠頭からパークの方へ戻る)
(埠頭の影から海に向かって進むサーバルの耳が見える。何かペダルを漕ぐような音も聞こえる)
(サーバルを乗せたジャパリバスの座席部分、「船」に改造されかばんちゃんを追いかける)
かばんちゃん:ラッキーさん、島が見えてきたよ。あの島にも名前ってあるのかな?
ラッキービースト(ボス):ゴゴクエリアだね。管轄が違うから僕も詳しく知らないけども、キョウシュウと同じようにいくつもちほーがあったり、今もフレンズがいる可能性があるね。
かばんちゃん:わぁ・・・!(楽しそうに微笑む)
(おわり)
(ここでEDテーマが流れる)
ラッキービースト:ででで、電池、バスの電池が・・・。
かばんちゃん:ここで?
(サーバルを乗せたジャパリバスの座席部分、かばんちゃんに追いつく)
サーバル:あっ、やばいよやばいよ。こっちも止まらなきゃ。ストップ、ストーップ!
(ジャパリバスの車両部分、かばんちゃんが乗る運転席に追突)
かばんちゃん:いっ・・・うー・・・あっ、サーバルちゃん!みんな!
サーバル:えへへ、やっぱり、もうちょっとついていこうかなって。
かばんちゃん:もーう!
(水中から新たなフレンズが現れる)
マイルカ:なになに?どこいくの?
かばんちゃん:あっ、あなたは何のフレンズさんですか?
サーバル:お友達になろうよ!
かばんちゃんをあとから追いかけるフレンズたち
けものフレンズ12話も、いよいよ最後となりました。今回はかばんちゃんの旅立ちから、ED後のラストシーンまでを取り上げて行きたいと思います。
かばんちゃんを見送ったフレンズたちが埠頭から去る際、サーバルは一番最後まで残ってかばんちゃんを見送っています。立ち去るときも、何度も足を止めて躊躇する素振りが見られており、名残惜しんでいる様子が見て取れます。
ところが、サーバルをはじめとするフレンズたちは、素直にかばんちゃんを送り出したわけではありませんでした。バスの運転席部分を改造したのと同じように、バスの後部座席に改造を加え、海の上を移動できるようにしていたのです。サーバルの耳だけが埠頭に見え、その後、追いかける「船」全体が見えるようになるシーンは、サーバルがかばんちゃんとさばんなちほーのゲートで別れ、その後追いかけるシーンのオマージュになっているのは言うまでもありません。
バスの後部座席を足こぎボートに改造した技術力
後のシーンでより詳しく判明することですが、運転席と同じように座席の周りに丸太を装着して浮力を与えています。運転席に比べて車体が大きいからか、単純に丸太を束ねて取り付けるのではなく丸太で枠を組み、水面での安定性を高める工夫を施すなどの相違点も見逃せません。最大の特徴は、下部に取り付けられた2つのスクリューでしょう。おそらく、足こぎボートの要領で、自転車をこぐようにして推進すると考えられます。運転席とは異なり、動力が付いていないわけですからこれは当然必要な改造だといえます。
ここまでくると、フレンズたちの知識や技術ももはや完全に人間と変わらないレベルに達していると言っていいでしょう。適切な学習環境や道具を与えられれば、ヒトと変わらないような文明を築くことさえ不可能ではないはずです。
こんな乗り物を準備していたくらいですから、フレンズたちは最初からかばんちゃんに付いていくつもりだったに違いありません。ただ、それを最初からかばんちゃんに伝えたとしても、かばんちゃんが拒否するであろうことを見越してこっそりついていこうとしたのでしょう。このあたりの理由については、また改めて掘り下げてみたいと思います。
島の発見をずっと隠していたかばんちゃん
今度は、海へと繰り出したかばんちゃんに注目してみましょう。かばんちゃんは「パークの外にも島が本当にあるかどうかわからない」と語っていましたが、これは正確に言えば「嘘」です。かばんちゃんは11話でサンドスターの出る山の山頂に登ったとき、地図と実際の地形を照らし合わせて、パークの外に陸地があることを確認しています。ですから、「島が本当にあるかわからない」といったのは、フレンズたちを危険が伴う旅に巻き込まないようにという配慮でしょう。
かばんちゃんは自分が島を見つけたという事実をほかのフレンズには伝えていません。しかし、実際にはずっとこのことは頭の片隅に残っていたのだと考えられます。だからこそ、観覧車でミライさんのメッセージを聞いたとき、「パークの外に行きたい」という気持ちが蘇ってきたのでしょう。自分の目で陸地を確認しているということは、確実な目的地が存在するということになるからです。
島についてかばんちゃんが尋ねると、ラッキービーストの口から、「キョウシュウ」、「ゴコク(エリア)」という新しい単語が飛び出してきました。劇中ではこれまで、フレンズたちが暮らす島のことを「ジャパリパーク」と呼んできましたが、実際にはこれが複数のエリアのうちのひとつにすぎないことが判明したのです。ジャパリパークの全地形については、過去、ガイドブックなどでも紹介されているようなので、興味がある方は調べてみてください。
下記のリンク先では、ジャパリパーク全景の画像が紹介されています。
http://ponpokonwes.blog.jp/archives/70206048.html
実際には、このアニメ版けものフレンズではどこまでゲーム版や漫画版の設定をくんでいるのか正確にはわかりません。ですから、今までに紹介されたのと同じ地形をアニメでも踏襲していると断言できないのですが、おおよそ同じようなイメージで解釈しても問題ないと思われます。おそらくは、ゲーム版や漫画版のころからけものフレンズを楽しんでくれていたファンたちに対するサービスの意味合いが込められた演出でしょう。
ラッキービーストから島についての説明を聞き、希望に胸を膨らませたかばんちゃんの表情を映したあとで「おわり」との表記がなされエンディングテーマが流れます。従って、物語としてはこの部分までが「一区切り」ということになります。
かばんちゃんを追いかけてきたのは誰?
エンディングテーマが流れた後に描かれるのが、本編最後のシーンとなるちょっとしたエピローグです。目的地の島が見え、これからというところでバスの電池が切れ、かばんちゃんは海上で立ち往生してしまいました。そして、こっそりかばんちゃんを追いかけてきていたサーバルの乗るバスの座席は、運転席に追突してしまいます。
サーバルは海上に出てから終始、バスの天窓から前方の様子を見る役割を果たしていて、ほかに誰か舵を操作したり、船を漕ぐ係のフレンズがいるのは明らかです。サーバルも、ほかのフレンズに「ストップ」と指示を出していますし、かばんちゃんもサーバルの他に「みんな」と言っていることから、複数のフレンズがバスの座席に乗ってかばんちゃんを追いかけてきたのは間違いないでしょう。
このあたりははっきりとわからないよう描写されているので、具体的にどのフレンズが付いてきたのかは想像するしかありません。可能性が高いのは、バスの改造に関わったと考えられるフレンズたち=アライグマ(アライさん)・フェネック・トキ・ジャガー・プレーリー・アメリカビーバー・キタキツネ・ギンギツネあたりでしょう。彼女たちに加えて、コツメカワウソ・スナネコ・ツチノコあたりも付いてきたとしても不思議ではないメンツです。
まず、博士や助手、セルリアンハンターを始めとする「仕事を持つフレンズ」は、パークの中でやるべきことがあるため、かばんちゃんについていく可能性は低いと考えられます。逆に、船造りに協力したフレンズたちは必然的に座席の方も、船に改造するのを手伝ったことになるので、ついていった可能性が高いといえます。もちろん、「手伝うだけ手伝って自分はパークにとどまった」という可能性もあるので、確実な予想とはいえませんが。
最後は、海上で新しいフレンズ「マイルカ」と出会ったかばんちゃんとサーバルが、彼女と「友達」になろうと話しかけたところで物語が終了します。すでにすべてのシーンを取り上げましたが、まだ考察しそびれたところがいくつかあるので、次回の感想も12話の内容を取り上げてみたいと思います。