【Bパート 温泉よりゲーム】
ジャパリバスで麓の温泉にやってきたかばんちゃんたち。セルリアンからの逃走で疲れた体を温泉で癒すことにします。
ギンギツネ:はぁ~、なんとか・・・。
サーバル:うわーっ、お湯がいっぱいだね。
ギンギツネ:温泉も来てるわね。
キタキツネ:はっはっはっはっ・・・。
(キタキツネ、温泉の脇の部屋へと走っていく。サーバル、あとを追いかけて覗き込む)
(黒いディスプレイに電源が入り、「Japari games」と表示される)
キタキツネ:動いてる・・・、やった!
サーバル:なにこれ?楽しそう!
キタキツネ:ゲームだよ。
かばんちゃん:へぇー!
ギンギツネ:キタキツネ、先にお風呂!
キタキツネ:えーやだぁ~一回遊んでから~。
サーバル:一回遊んでからー!
温泉は「秘湯」的な施設
最初にラッキービースト(ボス)の口から「温泉」という言葉が出て以来、随分遠回りをしたものの、ようやくかばんちゃんたちは温泉へとたどり着きました。
ラッキービーストがその存在を知っていたことから、「温泉」とは自然の温泉水が岩場などにたまった天然のものではなく、人工的に作られた入浴施設であろうことはある程度予想できたはずですが、ジャパリパークのシンボルマーク入りの「のれん」がかかっていることからも、この温泉がヒトを楽しませるために作られた施設のひとつであることが確かめられました。
のれんをくぐると、施設の中はすぐに浴場が広がっていました。普通はもう少し脱衣所や休憩スペースといった空間が広がっているはずですが、そうした部屋がないのは奇妙に見えます。
この温泉はさほど大きな施設には見えませんし、そもそもあまり大人数で使うことを想定していないのかもしれません。温泉というよりも銭湯、あるいはそれよりも小さな簡易的な入浴施設と考えたほうが適切でしょう。浴槽もおそらくはひとつ程度しかないはずです。
もしかしたら、この温泉はたまたまジャパリパーク内で温泉が湧いたために造られたのかもしれません。つまり、最初から大規模な温泉施設として活用するつもりはなく、「偶然見つかった源泉を有効に利用する」ために造られたのではないか、という仮説です。たとえるなら、「場所を知っている地元の人が、数人立ち寄る程度の『秘湯』」と考えたらわかりやすいでしょうか。
ゲームの電源は温泉により作られている?
温泉の建物内に入るなり、キタキツネは湯船とは別の、奥の部屋へと走り去っていきました。サーバルが後を追うと、アーケードゲーム機の筐体の前に座るキタキツネの姿がありました。
このとき、キタキツネはゲーム機の電源を入れ「動いてる・・・」と驚きと喜びの入り混じったリアクションを見せています。このことから、湯の花が詰まっていたときはおそらくゲーム機は動いていなかった=電源が入っていなかったと推測できます。
キタキツネがこの後、温泉に入ることを躊躇していたことからもわかるように、彼女にとっては温泉が詰まっていたことよりもむしろ、ゲーム機が動かなかったことのほうが問題だったのでしょう。
しかし、「温泉が止まる」ということと「ゲーム機が動かなくなる」ということは、通常すんなり結びつくことではありません。可能性として考えられるのは、「この温泉施設の電力は温泉水によって賄われており、温泉が止まると電気も使えなくなる」という可能性です。
ジャパリパークでは「温泉発電」が使われていた?
現実にも、以下のように温泉を利用した発電方法は存在します。
https://blog.eco-megane.jp/%E5%9C%B0%E7%86%B1%E8%B3%87%E6%BA%90%E3%82%92%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%80%8C%E6%B8%A9%E6%B3%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%B3%A8%E7%9B%AE%EF%BC%81/
温泉発電で利用される発電方式「バイナリー発電」の仕組みを簡単にご紹介します。
熱を水よりも沸点が低い代替フロンやアンモニアなどの媒体へ熱交換して蒸気を発生させ、その蒸気圧力によってタービンを回す発電方法です。
このように、実際の事例はまだ少ないものの、温泉の熱を利用して電気を生み出す「温泉発電」がジャパリパークで利用されていたとしても、何も不思議はないのです。しかも、上記のリンク先にはさらに気になる記述も確認できます。
温泉には様々な成分が含まれており、沈殿し「湯の花」と呼ばれたりしますが、放置すると配管内に固着してしまいます。これは「スケール」と呼ばれます。
発電効率が落ちるなどの弊害があるため、配管のスケール洗浄および修繕工事などメンテナンスは必須となるでしょう。
もし、ジャパリパークの温泉で「温泉発電」が使われているとしたら、湯の花の蓄積によってゲームができなくなったこと、そしてそれを解消するためにギンギツネ・キタキツネが源泉までやってきたことがすべて説明できるのです。素直に解釈するならばジャパリパークで温泉発電が使われている可能性はかなり高いといえるでしょう。
ヒトが去ったパークで使われ続ける「自然に優しい施設」
少し踏み込んで考察を進めるのなら、ジャパリパークをつくった人々は動物・フレンズとの共存をかなり意識していたと考えられます。これまでジャパリパークで見られた「エネルギーの供給源」としては、今回の温泉(温泉発電)と、ジャパリカフェ(太陽光発電)があります。どちらも自然エネルギーを活用した発電方法であり、環境への負荷が少ない方法だといえます。
もちろん、動物やフレンズと触れ合うテーマパークなのですから、自然に優しいエネルギー源を用いるのは当然です。しかし、ジャパリパークが特殊なのは、キタキツネがゲームをプレイしたり、アルパカ・スリがカフェを運営していたことからもわかるように、「フレンズがエネルギーを利用する場合がある」ということです。
彼女たちは人間ほどそうした機械設備に対する理解が高いとは言えません。従って、フレンズたちが施設や、それを動かすためのエネルギーを利用すると考えるとできる限りメンテナンスフリーで、環境にやさしい技術を導入するのが最もよい方法だといえるでしょう。
そういった意味から言えば、太陽光発電や温泉発電は(湯の花の除去が必要とは言え)よい選択肢です。パークからヒトがいなくなった後も、ヒトのための施設が各地でフレンズによってりようされているのは、こうした配慮がプラスに働いているためだと思われます。