【Bパート 針葉樹林の伐採】
アメリカビーバーの家の材料として、針葉樹林を伐採しにやってきたかばんちゃんたち。たまたま出会ったオグロプレーリードッグにも協力してもらえることになりました。
サーバル:うーん、どれがいいだろう?
アメリカビーバー:えっと、長さがこれくらいっすから・・・でも2回運ぶことになったら大変っすから・・・できればきちんと・・・
オグロプレーリードッグ:とりあえず、突撃でありまーす!ホリホリホリホリ・・・(木の根元を掘る)
サーバル:おっ!はっ!ふっ!(プレーリーが倒した木を避ける)
かばんちゃん&サーバル:待って待って!
プレーリー:おっ?
ビーバー:木の削り方で倒れる方向をコントロールできますよ。たとえば・・・。ガリガリガリガリ・・・(木の根元を歯で半分ほど削る)。一度こういうふうにしてからこっち側を削ると・・・。ガリ、ガリ、ガリ!(先ほどと反対の根本を削り、木が倒れる)
かばんちゃん&サーバル&プレーリー:おーっ!
サーバル:なるほどね!
プレーリー:ビーバーさん、すごいであります!なるほど、歯を使うのですね!
プレーリーが倒した木の下敷きになりかけるサーバル
いよいよ、針葉樹林にやってきた本来の目的である、木材の調達が始まりました。最初、プレーリードックは持ち前の心配性を発揮してしまい、あれこれ考えすぎてなかなか作業に取り掛かることができませんでした。
そんなとき口火を切ったのがプレーリーです。考えもなしに勢い良く木の根元を掘り、次々に木を倒していきました。危うくサーバルが下敷きになりかけますが、俊敏な動きで倒れる木をかわし事なきを得ます。
フレンズ「プレーリードッグ」は思い切りのいい性格
プレーリードッグについて調べてみましたが、木の根元を掘って倒すといった情報は見つかりませんでした。元々の巣穴は土でできていますし、木を使うわけでもないのでそもそも伐採する必要がないのです。従って劇中のプレーリーにとっても木を倒すのは初めての経験だったことでしょう。
土を掘って巣穴をつくるプレーリーが、木を倒すにあたって根元を掘って倒そうとしたのは至極自然な行動だと思います。後ほど別の方法を教えられるとは言え、それまでほかの加工法は知らなかったはずです。
このとき、プレーリーはかなりのハイペースで木を倒しています。サーバルは続け様に避けていましたが、下敷きになりかけたのがかばんちゃんなどサーバルほど俊敏でないフレンズだったらかなり危なかったでしょう。ある意味では3話でサーバルがバスに轢かれたときと並ぶくらい危険なシーンだったと思います。
木を倒すのは初めてのはずなのに、プレーリーの行動はかなり思い切ったものです。この点からプレーリーはビーバーとは対象的に、思い切りのいい性格だといえるでしょう。前回の考察でご紹介したように、プレーリードッグは本来群れで暮らす動物です。群れの中ではリーダーの指示に従って自分の役割をこなしていればいいはずなので、そうした育った文化の背景から「とりあえず考えるより先に行動する」という原理が身についたのかもしれません。
ビーバーは安全な木の倒し方を元々知っている
とはいえ、そばにいるかばんちゃんたちにとってプレーリーの行動は下敷きになる恐れもある大変危険なものです。慌てて止めに入りますが、意外なことにここで前に出てきたのはビーバーでした。ビーバーは「あらかじめ倒したい方向に切り込みを入れ、そのあと反対側を切って倒す」という、安全な木の倒し方をビーバーに説明したのです。
ビーバーが説明したやり方は、実際の林業でも使われる方法です。
http://www.nw-mori.or.jp/ringyou/guide6-2.php
ちなみに、動物のビーバーも木を切り倒す方向を予知する能力があるらしく、自分の切った木の下敷きになることはほとんどないとのことです。ただ、なかにはこんな事例もあるようですが・・・。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1837218.html
ほとんどの場合、ビーバーは下記の動画のように上手に木の根元を削って倒れる方向をコントロールしています。ですから、ビーバーがプレーリーに教えたやり方は動物の頃から元々知っていた方法をそのまま教えたと考えられます。
ビーバーが見せた木の倒し方のテクニックに、プレーリーだけでなくかばんちゃんやサーバルも驚きの声を漏らしました。しかし、この後のプレーリーのセリフと行動を見るとビーバーの意図が正しく伝わっていないと思われます。
プレーリーは、ビーバーのアドバイスをまったく理解していない
ビーバーのレクチャーを受けたプレーリーは「なるほど、歯を使うのですね」と応えました。実は、このセリフはとても不自然です。ビーバーがレクチャーした方法の肝は、「倒れる方向をコントロールできる」という点でした。ところが、プレーリーが注目したのは「穴を掘るのではなく、歯を使う」という点であって、肝心なところを完全に見落としているのです。
ですが、これはある程度やむを得ないのかもしれません。プレーリーにしてみれば、「穴を掘る」という方法以外にものを加工する方法がある」という事実だけでも大いに驚嘆スべきことで、それを覚えるのだけでも精一杯だったのでしょう。
このプレーリーの理解不足がこの後また思わぬ展開を巻き起こすのですが、それは次回の考察でご紹介したいと思います。