けものフレンズ2話感想その3:「ジャパリバス」に仕込まれた伏線

 

前回記事:【2話 その2】アニメ感想「けものフレンズの謎」:ラッキービーストはなぜサーバルを無視するのか?

 

 

前回の考察で、「ラッキービースト(ボス)というキャラクターを登場させた理由は、2人をバスに乗せるためだった」と説明してきました。今回は、なぜバスに乗ることがストーリー上それほど重要な意味を持つのかについて解説していきたいと思います。

 

ジャパリバスは単なる乗り物ではない

かばんちゃん・サーバル・ラッキービーストの3人が、今後移動手段として使う「ジャパリバス」。実は、これに乗ることはストーリー上、重要な意味を持っていました。といっても、「パークは広くて歩いて動くには時間がかかるから」といった表面上の理由からではありません。そんなことは、設定上のパークの広さを狭くするか、もしくは自動運転車かなにかでも出せば解決できるからです。実際、ジャパリバスにはラッキービーストと連携したオートパイロット機能がついていますから、それを単に内蔵式だという設定にすればよかったというだけです。

 

ラッキービーストとジャパリバスは不可分の存在

そのように考えると、ラッキービーストとバスは極めて密接な関係にあるということがわかってくると思います。ラッキービーストは「バスを動かせるガイドロボット」だからこそ存在意義があるのです。となると、単なる「おしゃべりガイドロボット」でも「自動運転車」でもなく、「バスを動かせるガイドロボット」という設定でなけばならなかった理由を考えなければいけません。

 

もし、ラッキービーストが「おしゃべりガイドロボット」だったとしたらどうでしょうか?それなら、そもそもストーリー上必須のキャラクターではなくなってしまうでしょう。単に伏線のほのめかしをしたいだけなら、後に登場する「ツチノコ」のように「パークの過去を知っているフレンズ」をときどき、必要に応じて登場させればいいからです。

 

では、ラッキービーストがおらず、ジャパリバスが自動運転車としてパーク上を周回していたとしたらどうでしょうか?それだと、バスが大活躍する11話、およびバスを「改造」して新天地に旅立つ12話の展開を自然に持ってくることができません。

 

ジャパリバスの存在は、物語のラストにまで影響を与えている

今後のストーリーの中で、かばんちゃんとサーバルは「乗り物に乗る→自分で運転してみる→修理する→船に改造する」というふうに、バスの利用法を徐々に進歩させていきます。そして、それに応じてストーリーが進展し、活動領域が広がっていくのです。

 

そのためには、バスは「完全自動運転車」であってはいけません。それでは、「自分で運転する」という発想が生まれないからです。また、11話におけるバスの活躍もないため、必然的にバスの修理→改造といったラストに繋がる展開も生まれません。このように考えると、ラッキービーストがいかにジャパリバスと不可分の存在であるか、かばんちゃんとサーバルにとってバスがいかに重要な存在であるかがわかると思います。

 

今回の考察をまとめると次のようになります。

 

  • ラッキービーストは、「バスを動かせるガイドロボット」である
  • ラッキービーストは、かばんちゃんに「バスの存在、使い方」を教えるために必要なキャラクターだった
  • バスの活用法が高度になるに従って、かばんちゃんの活動領域も広がっていく

 

「ジャパリバス」という乗り物には、ストーリー上重要な意味があります。決してただの乗り物ではないので、今後のストーリーの中でも注目してみていきましょう。

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