ニコニコ動画が原因でブログのアクセス数が急増した話

2017年2月現在、当ブログは開設から1年を過ぎようとしています。そのような時期に「ニコニコ動画経由でブログのアクセス数が急増する」という大きな出来事がおきました。実際には、「動画サイト経由でブログのアクセス数が増加した事例」はたくさんあると思いますが、具体的な過程や数値が公開されているものはそう多くありません。

そこで今回は、私の経験を元にして「一時的なバズがその後の定常的なアクセス数増加に結びついた事例」をご紹介したいと思います。

バズが起きる前の状況

私がブログのアクセス数急増=バズを経験したのは、2018年2月。そこに至るまでの詳しい経緯については以下の記事で詳しく解説しています。

ブログ開設から1年、アクセス数の推移と読者の傾向をまとめました
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簡単にご説明すると、「アニメ『けものフレンズ』の感想を300記事くらい書いていたが、ブログは停滞期に突入しアクセス数が伸び悩む状況にあった」ということです。なので、今回ご紹介するバズには、単なるアクセス数の急増事例という意味だけでなく、バズによって停滞期を脱した事例としての意味合いもあります。

バズが起きる直前、2月の頭から9日くらいまでの間のアクセス数は、1日あたりのユニークユーザー数が60~80人くらい、PV(ページビュー:各ページの閲覧数の合計)が平均値を500前後として、300~1000の間くらいで推移していました。当ブログは読者一人あたりの記事閲覧数が多いので、日によってこのようにPVに大きなばらつきがあります。

アクセス数が急増した日の出来事

異変が起きたのは2月10日のことでした。朝起きてアクセス解析ツールを確認すると、「20人以上の人がブログを閲覧いる」と表示されていたのです。普段は多くても4~5人程度なので、「どうしたんだろう?」と思ったことを覚えています。

原因は割とすぐに判明しました。ニコニコ動画の「第2回MMD杯本戦」で公開されたこちらの動画の投稿者の方が、紹介文で私のブログを紹介してくれていたのです。

紹介していただいたページはこちらです。

けものフレンズ関連記事(感想・考察など)
当ブログでは、けものフレンズの感想や考察を合計300記事以上の記事で解説しています。加えて、けものフレンズがなぜあれほど人気のあるコンテンツになったのか、マーケティング的な意図などについてもご紹介しています。

こちらの動画は非常に多くの人に閲覧され、公開当日には20万件近く再生されランキングの1位にも入っていました。当然、非常に多くの方の目に触れる機会ができたわけで、アクセス数が急増したのも納得できます。しかも、動画自体がけものフレンズを題材にしたものということもあって、元々けものフレンズに興味がある閲覧者の目に触れた、という効果も大きかったと思っています。

ちなみに、私もニコニコ動画はよくチェックするので、ランキング上位に入っていて、かつけものフレンズに関連しているこちらの動画はすでに閲覧済みでした。アクセス数の増加に気づいたのはそのしばらく後です。詳細欄を確認して「えっ?今日見た動画じゃん!」と驚いたのを覚えています。

バズった後のアクセス数の推移

肝心のアクセス数の推移ですが、まず紹介された当日の2月10日のアクセス数は、ユニークユーザー(UU)数が1800人以上、PVは23000以上となりました。平常時がUU70人、PV500くらいですから、ユーザー数は25倍、PVは46倍にも増えたことになります。1訪問あたりのPV(ページビュー/セッション)は、10~12ページでした。

とはいえ、一時的なアクセス増加ですから、この数値がずっと続いたわけではありません。11日からは本当にきれいな二次関数のグラフを描いてアクセス数は徐々に減少していきました。参考までに2月10日から15日までのアクセス数の推移を表すと、

ユニークユーザー数:

1800 → 1000 → 600 → 400 → 270 → 240

PV

23000 → 22700 → 14000 → 7000 → 4300 → 3800

といった流れで推移しています。PVのほうがユーザー数より減少のペースが遅いのは、すでに述べたように1回の訪問で複数のページを見てくれている方がいるからです。このほか、「1~2日で20万人の方に閲覧された動画から、合計2800人のアクセスが生まれた」というのもひとつの目安になるでしょう。

バズ後のユーザーの流入経路

続いて、流入経路についてご紹介したいと思います。紹介文のURLをブラウザに入力して、そのまま訪問してくれた方も多かったのですが、その他にもURLを検索エンジンに入力し、検索エンジン経由で訪問してくれた方も数多くいました。

アクセス数急増の「その後」

バズが落ち着いてから1週間程度が経過し、おおよそ影響が収まったと判断したタイミングでこの記事を書きました。とはいっても、完全に影響が消えてなくなってしまったわけではなく、ある程度アクセス数が増える効果が現在にも残っています。

ニコニコ動画によるアクセス数急増の効果がなくなり、ある程度安定した状況にある現在のアクセス数は、1日あたりのユニークユーザー数が150~200人、PVが3000前後と、バズる前の状況と比べて定常的なアクセスが2~3倍程度増加している状況です。

ここからは、なぜこのような効果が残ったのか考えてみたいと思います。

バズがその後のブログアクセス数にもたらす影響

「外部でのリンク紹介」は継続的なアクセス数増加につながりやすい

Twitterなど、SNSで記事がバズる場合、アクセス数増加の効果は一時的なものに留まる事が多いとされています。SNSは基本的にその場その場でしか見ないため、利用者は「繰り返し確認する」ということはしません。従って、どれだけアクセスを集めても、しばらくすれば人々から忘れ去られてしまう、という事態になりやすいのです。

一方、私が今回経験したニコニコ動画のバズの場合、URLが記載された紹介文は残されています。面白い動画は繰り返し見る方も多いはずなので、その度にブログが目に触れる機会があるということになります。

ソーシャルブックマークの影響も後に残る

先ほど「バズったときの影響は一時的なもの」とお伝えしましたが、そうではなく後に影響が残る場合もあります。わかりやすいのは、はてなブックマークに代表されるような「ソーシャルブックマーク」に登録されることでしょう。ソーシャルブックマークやNAVERまとめなどに登録されれば、後に残るのでそのまとめのテーマに興味がある人からの定常的なアクセス増加が期待できます。

実際、私の記事も多くの方からソーシャルブックマークで登録されていることが確認できます。

固定読者の獲得につながる

もうひとつ、盲点になりやすい部分として「ブログのファン=固定読者が増える」効果が挙げられます。今回、当ブログがバズった後も、単にソーシャルブックマークなどからの流入車が増えただけではなく、私のブログをお気に入りに登録して繰り返し見てくれる方も増えました。これは、「固定読者を増やすことに成功した」ということで、元々ブログにあった記事が評価されたのだと考えています。

検索数の増加・検索順位のアップ

また、バズが起きると検索エンジンからの評価も高まります。理由は大きく分けて2つ。ひとつは、ソーシャルブックマークなど被リンク(外部からのリンク)が増えることによって、「それだけ有益な情報が載っている」と捉えてもらうことができるからです。

2つめの理由としては、「ブログそのものを検索してくれる人が増える」という点が挙げられます。すでに述べたように、今回であれば動画で紹介されていたURLを検索エンジンに入力してそこからアクセスしてくれた人が大勢いました。ブログのURLですから、当然検索結果の1位には当ブログが表示されます。これからも繰り返しこうした流入は続いていくはずなので、その分検索エンジンからは、「多くの人に検索されているサイト」として以前よりも高く評価されるはずです。

バズが起きた原因と、そのために行ったこと

以上が、当ブログで起きた「ニコニコ動画経由が原因でブログのアクセス数が急増した話」の顛末です。最後に、私がこの現象をどのように捉えているかについてお話して終わりたいと思います。

今回のバズは、もちろん狙ってやったものではありません。今までも読者の方がブログを紹介してくれたことは何回かありますが、今回はそれがたまたま「大きな人気を生む動画の上だった」というだけです。ブログを紹介してくれる方には、その影響力の大小にかかわらず同じように感謝していますし、私の方から作為的にバズを引き起こそうとなにか狙って行動を起こしたことはありません。

ただ、私が普段から行っていたことのいくつかは今回の状況を生む要因になったと思っているので、それらをご紹介しましょう。

根強いファンがいるジャンルを選択

当ブログは「マーケティング」をテーマにしたブログです。しかし、マーケティングの専門的な内容に限って書いていたのでは、もともとそのジャンルに興味がある人にしか読んでもらえません。私はマーケティングの仕事に関わっているという立場から「マーケティングによって、社会にこんな影響がもたらされている」ということをより多くの人に知ってもらいたいと思い、このブログを運営しています。

けものフレンズについての感想も、そういった考えから書き始めました。元々、この作品が好きだったというのはもちろんですが、世の中にも広く人気のある作品だったので「感想を書けば、興味を持ってくれたり、共感してくれる人も多いだろう」と考えたのです。

やっていても苦にならない方法を選んだ

私のけものフレンズの感想の特徴は、第一にボリュームだと思います。1話につき20記事以上の文章を書いているので、1分あたり3000文字近くで説明していることになります。

けものフレンズは人気の作品であるということもあって、感想を書いているブログも少なくありませんでした。そういった他のブログとの差別化を図るためにこういった方法を取りました。けものフレンズの感想を書いているブログは多いですが、その多くは1話につき1つの記事でまとめています。すべてのシーンを取り上げて考察するというのは、「やろうと思えば誰でもできるが、誰もやらないこと」です。なので、簡単には真似できない独自性を発揮できると思いました。

という話だったら良かったのですが、実はそれは嘘です(青字部分)。単純に「頭から順番に書いていったら、書ききれなくてあのくらいのボリュームになった」というのが本当の話です。言い換えると、「自分がそれくらい情熱を持って、筆が進む内容を書かなければいけない」といえるでしょう。

記事同士のリンクや、サイトデザインの見直し

この部分は少し細かい話になるのですが、300記事とだいぶボリュームが増えたため、「全体に飛べるリンクをまとめたページを作ったこと」と「関連記事などが表示されるよう、サイトのデザインをいじったこと」が挙げられます。

あれだけ記事が多いと、もし奇特な方が紹介しようと思ったとしても、どのページを紹介するべきか迷ってしまうと思います。そこで「紹介してもらえたらいいな」くらいの気持ちで全体のまとめページを公開したのですが、それからまもなく今回のようなバズがおきました。

この程度の準備であれば、誰にでもできると思うので、記事同士のリンク構成やデザインの調整はやっておいて損はないと思います。

SNSか動画サイトかという媒体の違いによらず、バズはブログのアクセス数に大きな影響をもたらします。やり方によっては、一時的な増加にとどまらず、定常的なアクセス増加につなげることも不可能ではありません。

ブログの成長は不連続的に、唐突に起きる

バズはいつ起きるかはわかりませんが、私は「質の高い記事を作ろう」と考えていれば、いつかは必ず起きるものだと考えています。私は300日間、1日も休まずにけものフレンズ感想の記事更新を続けました。その間、アクセス数は増減を繰り返し、停滞期も経験しましたが、最終的には今日に残る大きな資産となりました。

成果が出ない中、ブログ更新を続けている方は、ときどき気持ちが折れそうになってしまうかもしれません。しかし、諦めずに努力を続けていけば必ずいつか成果が出るはずなので、ぜひ挑戦し続けてください。